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技術解説:映画 『マトリックス』 の撮影技術を分析する

バレットタイム撮影、VFX を組み合わせたワイヤーアクションなど、数々のセンセーショナルな映像表現を生み出した、サイバーパンク Sci-Fi 映画の金字塔『The Matrix』。この冬に公開予定の 18 年ぶりの新作を前に、あらためてシリーズ過去作品の撮影技術をふり返ります。

当記事は、動画制作のオンラインサロン 『UMU TOKYO』で公開されたものです。限定公開を目的に有料化しています。公開日:2021.9.13
https://community.camp-fire.jp/projects/view/231393

1. マトリックスとは?

1999 年公開の映画『The Matrix』は、ウォシャウフスキー兄弟が監督・脚本を手がけた2作目となるハリウッド作品です。

作品の製作費は約 69 億円、興行収入は全世界で約 511 億円。1984 年出版の SF 小説『ニューロマンサー』、1995 年公開の映画『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』などの影響が色濃く見られるコンセプトによる、サイバーパンク Sci-Fi 映画の金字塔として知られています。

また 2000 年の第 72 回アカデミー賞では、視覚効果賞、編集賞、音響賞、音響効果編集賞の 4 部門を受賞するなど、Matrix はその視覚効果VFX)が高い評価を受けた作品としても有名です。

2. バレットタイム撮影

この作品を世界中に知らしめた、センセーショナルな視覚効果としてあるのが「バレットタイムBullet Time)」といわれる撮影手法です。

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