ソフトクリップの使い方|DaVinci Resolve TIPS @ColorPage
DaVinci Resolve にはトーンカーブに関する、おもしろい機能があります。「ソフトクリップ(Soft Clipping)」と言われるもので、文字通り “明るさをソフトにクリップする” というものです。
1. パラメーターの意味を理解する
ソフトクリップには、調整用のパラメーターが 4 つあります。
各パラメーターの数値を変えると、トーンはどう変化するのか?
まずはグレースケールで確認してみます。
上段のパラメーターは「映像の明るさを機械的にズバッとクリップする」ような動きをします。このパラメーターのみを動かした場合には、輝度の数値で、最大で25%分の明るさがクリップできます。
下段のパラメーターは「映像の明るさを曲線的にやわらかくクリップする」ような動きをします。
ソフトクリップの効果をざっくり表現すると「ほかの帯域に影響を与えずに、映像の明るさのピークと最暗部だけを好みのレベルにクリップする」というものになります。
2. どんな感じで使うのか?
使用例としては、たとえば「肌色など中間域の印象はそのままに、全体のコントラストを弱くする」みたいなことが出来ます。その場合は、こんな手順で進めます。
❶ まずは明るさのレベルを考えずに、見た目でいい感じのトーンをつくる。
❷ LS, HS のパラメーターを 50 あたりに設定する。
❸ 波形モニターを見ながら Low をデフォルト値の 50 から数値を上げていくとクリップ効果があらわれる。
❹ L.S. のパラメターを調整し、ほどよく効果をソフトにする。
❺ 波形モニターを見ながら High をデフォルト値の 50 から数値を下げていくとクリップ効果があらわれる。
❻ H.S. のパラメターを調整し、ほどよく効果をソフトにする。
3. 他の項目と比べて、どんな違いがあるのか?
他の項目(パラメーター)を使ってコントラストを弱めた場合と、このソフトクリッピングでは、どんな違いがあるのか?比較してみると、こんな感じになります。
オリジナルの画像
まずは比較の元となるオリジナルの画像はこちらです。この映像のコントラストをすこし弱める(ハイライトを 5% 下げ、最暗部が 5% 上げる)とすると、たとえば、以下の 3 通りのアプローチが考えられます。
比較 1:コントラストで調整した場合
プライマリー調整の「コントラスト」の項目をいじると、中間域を含め映像全体のコントラストが弱まり、よりぬるめの印象になります。
比較 2:トーンカーブで調整した場合
次に「トーンカーブ」の項目で調整をしてみると、こちらも上記のコントラストの項目とだいたい同じ印象になります。
比較 3:ソフトクリップで調整した場合
最後にあらためて「ソフトクリップ」の項目でいじってみると、中間域に影響なく、映像全体の印象を変えずに、コントラスト(明るさのレンジ幅)を弱めるられることが分かります。
以上です。ぜひ便利に活用してみてください。
---------- SALON ----------
--------- ARCHIVE ----------
▶︎ DaVinci Resolve カラーグレーディング講座 Vol.1
https://note.com/umu_tokyo/n/nf0300de2b8aa
▶︎ 複合ノードの使い方まとめ
https://note.com/umu_tokyo/n/nd014c29dbb43
▶︎ スコープのスポット表示『Display Qualifier Focus』の使い方
https://note.com/umu_tokyo/n/nf0300de2b8aa
▶︎ 他のプロジェクトからコピペする
https://note.com/umu_tokyo/n/n10c3513cd345
▶︎ カラーグレーディングで発色をよくするには?
https://note.com/umu_tokyo/n/n716f7d52c133
▶︎ DaVinci Resolve ノードツリー公開 〜 LUT を使った標準セッティング
https://note.com/umu_tokyo/n/nb6176a5df102
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?