深谷 篤審判員の2020シーズン

こんにちは。umpire  fanです。
今回取り上げさせていただくのは、深谷 篤審判員(関東・22年目)です。

まずは出場試合数などのデータから。
6月...6試合 7月...17試合 8月...15試合
9月...19試合 10月...18試合 11月...7試合
日本シリーズ...3試合(右→三→球→控)
計...85試合出場(球審22試合) 審判部最多
通算出場試合(今シーズン含む)...1323試合
リクエスト変更率(13ー3)18.8%
※被リクエスト回数10回以上では第4位
日本シリーズ出場(3年ぶり3回目)第3戦球審

笠原班の3番手、もしくは4番手としてシーズン通して活躍されました。笠原班の内、レギュラー格で一度もシフトに穴が開かなかったのは深谷審判員のみです。日本シリーズにも出場され、結果として今シーズンは最多出場となりました。

続いて、今シーズンのトピックスについて。
まずは日本シリーズへの出場を挙げることができます。深谷審判員のシリーズ初出場は2014年でしたが、それ以降2017年、2020年と3年ごとに出場されるという安定したペースです。今回は第3戦の球審を務められましたが、前回出場時は第1戦の球審を務められました。出場ペースや起用を踏まえ、上層部からも高い評価を受けていることが窺えます。まだまだ中堅と言える年齢ですので、これからの出場ペースにも十分期待が持てると思います。
また、7/2の西武ーオリックス戦(メットライフ)での判定変更もトピックに挙げられます。
判定変更の経緯としては、7回表1死2・3塁の場面でオリックス・大城選手がスクイズを敢行し一時はオリックスに得点が認められたものの、審判員の協議により判定がファウルに変更されたというものです。
この打球は球審を務められていた深谷審判員が判定すべきものでしたが、ボールが捕手の影に隠れたため、深谷審判員は正確な打球判定が行えませんでした。そのため一旦はフェアとしてプレーを流し、一段落ついたところで審判団を集めて協議するという判断を下されました。その後、四氏協議の結果ファウルであることが確認できた為、オリックスの得点を取り消した上でプレーが再開されました。
私はこの判断が、後々の審判部に大きな好影響を与えたのではないかと考えます。レギュラーシーズンでは審判員が4名しかいないため、どうしても正確な判断が行えない打球が存在します。しかし今回、このような「判例」が成立し、しかも大きなトラブルに至りませんでした。いわゆる審判員の「よそ見」トラブルは、審判員が「ちゃんと見ていた」と話すことによって、火に油を注いだ気がします。そのため、「見えなかった」という事態が認容されることで、より審判員としてもやりやすくなり、トラブルの火種を除去することに繋がるのではないでしょうか。
結果としては判定変更になりましたが、正確な判定を求められる審判員の存在意義に立ち返って考えれば、深谷審判員の判断は素晴らしいものでしょう。「判定変更」という事実だけを考えると難しいのかもしれませんが、十分ファインジャッジ賞に値する判断であったと思われます。

最後に、来シーズンの展望について。
前述のように審判部からも高い評価を受けていると思われる深谷審判員ですので、来シーズンはより責任ある立場に就かれることもあるのではないでしょうか。でんでん氏が「プロ野球審判員マニア」でも述べられているように、責任審判を務める機会もあるかもしれません。
https://ameblo.jp/umpire43/entry-12640710337.html

深谷審判員と同じ99年入局は、今のところ秋村審判員と嶋田審判員です。お三方とも実績十分ですが、深谷審判員はその中で最も年齢が若い審判員です。これからも長くご活躍が見られると思うので、ますます期待が高まるところです。

お読みいただき、ありがとうございました。

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