土山剛弘審判員の2020シーズン

こんにちは。umpire  fanです。
図々しくもこのシリーズ、第3回です。
今回は土山 剛弘審判員(関西・23年目)の2020シーズンを振り返ってみようと思います。

まずは出場試合数などのデータから。
6月...6試合 7月...18試合 8月...15試合
9月...19試合 10月...13試合 11月...4試合
計...75試合(うち球審担当20試合)
通算出場試合数...1160試合(今季含む)
リクエスト変更率...(8-2)20.0%
責任審判担当試合...1試合(※推定値)
※責任審判担当試合数については推定値。
10/24のソフトバンクー西武戦は責任審判を佐藤審判員と推定。
クルーは球:土山 一:佐藤 二:福家 三:梅木
(敬称略)

今シーズン、関西の審判員は関東の審判員に比べて出場試合が少なかったため、75試合でも十分に一軍の主戦力と言えるでしょう。なお、リクエストを10回以上受けた審判員の中で、変更率は低い順で5位タイと素晴らしい数値です。

続いて、今シーズンのトピックスについて。
土山審判員の今シーズン最大のトピックスとして挙げられるのが、初の責任審判担当です。
開幕を橘高班の4番手として迎えられた土山審判員ですが、7/28のソフトバンクー西武戦から佐々木班に移籍となりました。当時の佐々木班のメンバーは以下の通りです(敬称略)。

佐々木(チーフ).川口(準チーフ).土山.秋村.原

しかし、佐々木チーフの出場が8/23の日本ハムー楽天戦を最後にしばらく途切れます。そのため8/29には前日に球審を担当した川口審判員が続けて三塁に入るなど、ローテーションの変更が発生していました。
そして、9/1からの読売ー横浜戦(東京D)に佐々木班はチーフ不在のまま出場。カード1戦目と2戦目の布陣はこのようなものでした。

1戦目...球:原 一:川口(責) 二:土山 三:長井
2戦目...球:川口(責) 一:土山 二:長井 三:秋村 (いずれも敬称略)

さて、こうなると問題になるのが3戦目です。ローテ通りいけば川口審判員は控えですが、そうすると責任審判資格保持者がいなくなります。それを避けるためには川口審判員がどこかで出場しなければなりませんが、前述の通り川口審判員は前ローテでも控えを飛ばして三塁に入っており、2周連続で控えなしとなると負担がかなり大きくなってしまいます。
そうなると残りの4審判員から責任審判を選ばないといけませんが、入局年が最も早いのは土山審判員(98年)、出場試合数が最も多いのは秋村審判員(99年入局の1913試合、土山審判員より800試合ほど多い)と、どちらが担当してもおかしくない状況でした。
そして注目の3戦目、クルーはこうなりました。

https://twitter.com/nogizaka6825/status/1301467068030545920?s=21

こうして土山審判員は東京D、巨人戦の球審というポジションで初めて責任審判を務められることになりました。「先発・パットン投手」に注目が集まったこの試合は序盤で大差がつき、リクエストの要求もなかったため、責任審判としての見せ場はほとんど無し。それでも初の責任審判がこのような試合ということで、運を持ってらっしゃるなと感じたことを覚えています。
この試合を経て、10月以降は第二審判を務められる機会も増えたように思います。土山審判員にとって、今シーズンのターニングポイントはここだったのではないでしょうか。

最後に、来シーズン以降の展望について。
関西地区の高齢化は前から言われてきたことですが、ついにベテランの一角、佐藤審判員が退職となりました。水口審判員・松本審判員が一軍未経験というこの状況では、第一次定年内の審判員にさらに出場機会が増えることが予想されます。
こうした状況のなか、来年49歳といよいよベテランの域に突入される土山審判員には、さらなる重責がかかってくることも十分あり得ます。関西地区の屋台骨としてのご活躍に期待しましょう!

人数が少ない分、一人一人のキャラが濃い関西地区の中で、土山審判員は比較的黒子ポジションの審判員という気がします。ただ、周りのキャラが立っている分、黒子ポジも立派な個性になるかなと勝手に思っています。
ちなみに私は、土山審判員のシザースが現在の審判部では最も美しいと感じています。来季もその構えが見られることを楽しみにしています。

ここまでお読みいただき、有難うございました。

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