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排水溝がおしゃれする季節

桜の花びらが排水溝の入り口近くにわさっと溜まっている季節が好きです。

咲いている間は淡い色でも、濡れて踏みつけられた時に色が濃くなるのが、桜の隠れた魅力だと思います。


風景の美しさは、ひっそりと見つけてしまった秘密みたいなもので、
当たり前の光景だとしても、自分はそこに美しさを感じているのだと、誰かに打ち明けたくなるのです。

どこかに吐き出して誰かに共有したいとき
その美しさごと伝えてしまうには、
私の場合は、やはり絵を使うのが効率が良いようです。


SNSにあげると、
同じ感覚の方から
「これを描いてくださる方がいるとは!」っていうコメントを頂いて
秘密を共有できた気がしました。

その方がおっしゃった表現が素敵すぎて
タイトルにしました。

排水溝がおしゃれする季節

なるほど、おしゃれする、って素敵ですね。
私の場合は、あの光景を適切に表現する言葉を持たず、絵を描いていましたが、
その方は、感動を言語化する力のある方だったのでしょう。

おしゃれする、って
なんて美しい言葉かと思いました。


世界は美しいと感じるだけでは不十分で、
外に表せなければ、「美しい以前」の何かに過ぎないと思います。

私は絵をそれなりに得意としていますが
それは言葉を使えなかったからで

本当は、伝えられるなら何でも良いのです。
きっと、皆そうなのだと思います。

美しいを伝えることで、それは本当に美しくなるのだと、だれしもわかっているのです。


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