<UMITRON CELL活用事例> 増肉係数改善!「自分なりのやり方に手応え」
スマート給餌機 UMITRON CELLを現場で活用されている兵頭さんにお話を伺いました。
Q1. UMITRON CELL導入のきっかけは?
以前の給餌は沖の生簀まで出向いて人力で行っていて、作業負荷が高かったため、省力化を目的に導入しました。過去にはタイマー式の給餌機による無人給餌を試してみたこともありましたが、無駄餌が生じてしまったり餌が足りなかったりして思うような給餌を行えず、やはり人力で魚の様子を逐一見ていないと理想的な管理はできないと諦めていました。そんなときに、生簀の様子をカメラを通して遠隔で確認できる給餌機があると聞いて、試してみたいと思いました。現在は漁場のほぼ全ての生簀をUMITRON CELLで運用しています。以前は朝から夕方まで沖で作業していましたが、現在は沖の作業は午前中で切り上げることができています。
Q2. UMITRON CELLをどのように活用されていますか?
さまざまな試行錯誤を経て、現在はAI8割、人間2割の感覚で給餌管理をしています。午前中は出荷作業や網のメンテナンス、餌の補給といった現場作業を行っているので、給餌の見守りはAIに完全にお任せです。昼に現場を切り上げた後、自宅で休憩したり子どもの世話をしたりする側で、AI運用の給餌の様子をパソコンでチェックして、もう少し餌をやりたいと思った生簀には追加で餌を落として最終調整をします。
夕方の最終調整時には、最近どれくらい餌をやっていたかを確認しながら、トータルの給餌量で調整するようにしています。
また、特に水温が変わる時期は、給餌の設定をこまめに見直すようにして、FAIの閾値(※)や餌を落とすスピード(給餌パターン)を調整します。
Q3. どのような効果を感じていますか?
直近出荷した魚の成績では、導入前と比べて増肉係数が大幅に改善し飼料の使用量削減につながりました。
また、魚の成長スピードも従来より2~3ヶ月早くなりました。出荷を早めることができたので、その間の間接費や病気発生などの在庫リスクも減らすことができました。
さらに、出荷時にはサイズのバラツキが少なくなったと販売先の担当の方に驚かれました。「ハネ」と呼ばれる規格外品がほとんど出ず、多くの魚を正規価格で販売することができました。以前より時間をかけてしっかり餌やりができるようになったことから、生簀の中の強い魚だけでなく全ての魚に満遍なく餌をやれるようになったのだと思います。
これらの成果は、CELLの活用によって浮いた業務時間の中で、EP化への取り組みや自社に最適な餌の選定、給餌方法の継続的な見直しといった試行錯誤を行うことが可能になり、良い改善のスパイラルに入れたことから得られたものだと思っています。以前のように毎日沖の現場作業に追われているような労働状況の中では、こういった生育改善のための戦略を落ち着いて考えることもままなりませんでした。それに加えて、例えばAIの手を借りて日が暮れるギリギリまで給餌するなど、人力で行っていた頃にはできなかった給餌方法も可能になり、より魚に合わせた餌やりができるようになったことも生育成績に繋がっていると思います。
現在は、目に見える成果も出て、自分なりのやり方に手応えを感じられています。 去年の給餌量を振り返って水温などと照らし合わせ今季の戦略を練るなど、データ活用もできるようになったので、これからも、低魚粉飼料の活用など新しいことにトライしながら、さらに高みを目指していきたいです。(兵頭さん)
兵頭さん、お話をお聞かせいただき有難うございました!
水産養殖を営む皆様へ
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