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北海道苫前樽流し漁・ミズダコ FIP

背景
北海道の日本海北部に位置する苫前町は風力発電や一次産業が盛んな自給率の高い港町で人口の10%以上が漁業に従事しています。本プロジェクト地域のミズダコは通年漁獲可能ではあるものの、来遊時期と資源保護を考慮し、自主的に漁期を3月から6月、操業時間を午前5時〜午後2時と決めて操業しています。漁法は混獲も極めて少ない古き良き海に優しい、樽流し漁法です。苫前の樽流し漁は比較的漁獲量も安定し、北留萌管内樽流しの約25%を占めている一方、ミズダコの漁獲量は2006年〜2014年の間に約3分の1に減少、金額にして1億3千万円相当が損失し、それに伴い漁業経営体数も減少しました。そこで本プロジェクトでは樽流し漁業の持続可能性を向上させ、同時に市場における認知度の向上そして競争力の強化を目標に活動を始めました

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概要
樽流し漁業は新規参入漁業者が入りやすい漁法としても認識されているため、漁業の持続可能性は雇用機会の創出、そして地域全体の発展へと繋がることが期待されます。また、稚内から小樽周辺に生息するミズダコは一つの系群と考えられるため、まずは苫前からプロジェクトを開始し、最終的には北留萌管内全体そして日本海側のミズダコ樽流し漁業全体を持続可能にしていくことを目指しています。5年の活動計画に基づき、漁獲情報の収集を行い対象漁協が主体となって資源評価が実施できるよう水産試験場などと協力しシステムを構築します。なお、資源状態に合わせた管理措置の発動、餌原料資源への影響度の分析と必要に応じた管理、および予防原則に基づく漁獲方策の策定および実施などを行います。新規販路拡大や市場における認知度向上を目指し、流通の見直しやPR活動も行なっていきます。

プロジェクト進捗
本プロジェクトは5年間の活動計画に基づき改善を実施し、半年毎に進捗確認と報告を行っています。

2018年3月 MSC予備審査
簡易審査結果と当該地域で実施されたMSC予備審査結果のギャップを分析し、暫定的な改善内容を抽出しました。

2019年4月 FIP開始 覚書締結
簡易審査時に明らかになった課題に取り組むためにFIPの活動計画を策定します。 活動計画には資源評価の高度化に繋がる漁獲情報の収集、餌種への影響度の分析と必要に応じた管理、および予防原則に基づく漁獲方策の策定および実施などが含まれています。

2019年8月 苫前ミズダコの管理目標について会議
稚内水産試験場と苫前のミズダコ管理目標について議論しました。

2019年8月 樽流し漁業の餌の使用料の調査開始
ミズダコ樽流し漁で使用される餌についての調査を開始しました。

2019年9月 第1回FIP進捗会議
FIP発足から6ヶ月の間の進捗確認の会議をステークホルダーを交えて実施しました。

2019年10月 アジア太平洋圏FIP Community of Practice (実践コミュニティ)ワークショップに参加
アジア太平洋圏のFIP実施者同士がFIPに関する教訓、課題、成功事例などを共有し合うワークショップに参加しました。

2020年4月 FIPミズダコ販路拡大に向けて地域水産関係者と協議開始
FIPミズダコに対する国内外マーケットからの需要に応じて、FIP漁業者、北るもい漁協、地域の加工流通業者を含めた水産業関係者と地域の流通体制について協議を開始。

2020年7月 Chefs for the Blue “Smile Food Project” お弁当にFIPミズダコ提供
新型コロナウイルス感染症と最前線で闘う医療関係者にChefs for the Blueトップシェフ達がお届けするお弁当にFIPミズダコが使用されました。

2020年9月 苫前いさり部会と漁獲管理ルールに関して議論
ミズダコ漁期中の漁獲管理ルール(Harvest Control Rule)を設定するため、北るもい漁協苫前支所、苫前いさり部会、及び稚内水産試験場と議論しました。

弊社はConservation Alliance for Seafood Solutions 漁業改善プロジェクト支援のためのガイドラインに準拠しております。


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