見出し画像

世界一周 17日目🇪🇬 カイロ市内

モスクのスピーカーから歌が聞こえてくる。
晴れた空に、異国の歌が響く。
アザーンだ。
これを聞くと「ああ、イスラム圏に来たんだな」と嬉しくなってしまう。

街の様子を知るために、歩くことにした。
ホテルを出て、ひたすら歩く。

ムンバイに比べて、街が綺麗だ。
ゴミも、雑多な屋台も少ない。
地区の違いもあるのだろうか。
ただ信号が全くと言っていいほど見当たらない。

大通りを、車を避けながら進む。
動物園が見えてきた。

「エントランスどこ?」
「やってないよ」

門番の人が、両手で大きくバツを作った。
外から見ても、確かに閑散としている。
今日は休業しているらしい。

ナイル川に向かって歩く。
車が矢のように通り過ぎて行く道路をどう渡ろうかと思案していると、声をかけられた。

「ワンダラー」

男の子の二人連れだった。
兄弟だろうか。

「ないよ」

私がつれなくしていると、小さい方の子が私がリュックサックに差し込んでいたペットボトルをバン、と手で叩いた。

その場を離れる。
大きい子がちょろちょろと追いかけてくる。

「ワンダラー」

私が無視すると、彼はペットボトルをバン、と叩いて去っていった。

通りを渡った。

本当は1ドルも20ドルも100ドルも持ってる。
でも君たちの前で財布を出すのはすごく怖い。

通りを渡って川の方まで向かう。
ふと後ろを見ると知らないおじさんがついてきている。
目があった。
何かを呼びかけながらこっちにやってくる。

逃げよう。

小走りで川の方へ向かった。

ナイル川だ。
エジプトの太陽に照らされて燦然と輝いている。

対岸に渡ってしばらく歩く。

先程とは別の橋を渡って中洲に出た。
そこでタイフードフェスティバルをやっていたので入ってみる。

英語が聞こえる。
屋台は沢山の外国人で賑わっていた。

フェスティバル会場を出てカイロタワーに向かう。
入り口でペットボトルを預け、チケットを買った。

自分の番号まで、待ち時間があった。
コーヒーを飲みながら、アラビア語の数字を覚えて過ごすことにした。

結局1時間半ほど待って中に入ることができた。

「15分だ」
警備の人にそう告げられた。
15分で上から降りてこなくてはいけないらしい。

エレベーターで登る。
そこにはカフェがあった。

流石に何も頼む気が起きなかったので、カフェの中をうろうろする。

遠くの方にぼんやり三角形がいくつか見えたのだが、ピラミッドだろうか。

タワーを降りて歩く。
日が暮れ始めていた。

ホテルに戻り、シャワーを浴びる。
ふと、男の子たちの事を思い出した。

実は通りを歩いていた時、小さい女の子がジュースのような物を売りに来たこともあった。
首からジュースの沢山入った箱を下げていた。
いらないよ、と私が避けると、道を塞ぐように追いかけてくる。
信号を渡ると、彼女はきゃはは、と笑いながら家族のもとへと帰っていった。

物乞いはヘルシンキにもいた。おじさんが道の端で通行人に頭を下げていた。
ロンドンでは花の押し売りにあった。バラを突然押しつけてきて、一ポンドだと言われた。いらない、いらないと言って返し続けていると、引き下がってくれた。

でもカイロではそれが子供なんだな、と思った。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?