モンゴルの餃子(ボーズ、ホーショール)を食べて羊のおいしさを堪能、遊牧民の食生活を体感しました
本場のモンゴル餃子を食べてきました。数年前に東京・幡ヶ谷のモンゴル料理店で出会って以来、モンゴルで本場のボーズを食べたいと思い続けてきたのです。いま、夢が叶いました。
モンゴルの餃子はすべて羊肉餃子。羊好きの私にはたまりません。今回は蒸し餃子のボーズ、揚げ餃子のホーショールを味わいました。
蒸し餃子 ボーズ
モンゴルの酒とウランバートルのレストランでいただいたのが蒸し餃子のボーズ(Бууз、ᠪᠤᠤᠵᠠ、buuz)。
モンゴルの餃子系料理には、ホーズの餃子型、小籠包型、四角がありますが、このお店では小籠包型でした。
肉汁たっぷりで羊肉の風味と脂のおいしさを存分に楽しみました。実はこの写真のように肉汁をこぼしてしまうのは素人。モンゴル人はかぶりついて肉汁を吸いながら食べるそうです。肉汁をこぼしてしまうと、「あ、あいつはモンゴル人じゃないな」と認定されてしまうとのこと。
ミルクティーに入った小さな蒸し餃子
お次は、小さな餃子がスーテーツァイ(ミルクティー)の中に入ったもの。
このミルクティーは単体でもよく飲まれるモンゴル独特のもので、ミルク(牛)たっぷり、塩味です。フレーバーが控えめな、ミルクティー専用の紅茶を使います。
こちらの中身も肉汁たっぷり。ボーズと同じ餡で大きさだけが違うようです。
揚げ餃子 ホーショール
こちらは別の日に食べた揚げ餃子のホーショール(хуушуур、ᠬᠤᠤᠱᠤᠤᠷ、khuushuur)。
こちらもボーズと基本的には同じ餡と皮で、平べったく大きな形です。上に乗っているのは羊の脳(生)です。かなり癖がありますが、モツ好きの私はおいしくいただきました。
肉汁もたっぷりですが、こちらはお弁当にして馬の背に揺られて運んだこともあって、肉汁がだいぶ失われてしましました。
味付けはボーズよりやや豊かで骨格のある味わいでした。玉ねぎも多めに入っていました。いろいろな風味が羊肉の豊かな風味を支えています。
テレルジ国立公園内のトール川です。河畔で食べるホーショールは最高でした。
スーパーに並ぶ冷凍餃子
旅をする時、必ず地元のスーパーマーケットに立ち寄るようにしています。観光地だけではわからない、地元の人々の生活を垣間見られるからです。
冷凍コーナーには大量のボーズ。「Бууз」という文字が見えます。「ボーズ」と読みます。餃子は基本、家庭で手作りするものだったのですが、最近では便利なので冷凍餃子を使う家が多いそうです。
色々なメーカーの色々なパッケージ。笑顔でボーズを持つ人が描かれています。昭和なテイストです。
こちらは小さな餃子。そうです、ミルクティーに入れるためのものです。羊のイラストがかわいいですね。
味付け控えめ、羊の脂がうまい!
モンゴル料理全般に言えることですが、ボーズもホーショールも味付けが薄く、香辛料もとても控えめに使われています。素材の味を活かす味付けです。 羊肉の風味、脂のおいしさを楽しみました。特に脂の豊かな味わいは病みつきになりそうです。
羊のうまさに並んで印象に残ったのが、皮のおいしさ。小麦の味わいをしっかりと感じました。穀物らしさが主張された味わいです。モンゴルの小麦は品質が高いのでしょう。
(この記事は2017年8月13日に Umio's Food Blog に投稿されたものです)
参考文献
石毛直道、小長谷有紀『世界の食文化(3)モンゴル』農山漁村文化協会
いただいたサポートは、本や資料を買い、酒と食の取材旅行に出かけ、地域で対話して知見を深めるために使わせていただきます! 何より応援していただくことが書くことのモチベーションになります。よろしくお願いいたします!