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UmioのCoffee生活(ときどきCocoa)

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日本酒にハマってから、コーヒーにも興味が出てきました。コーヒーの魅力を語ります。週に1回程度コーヒーのテイスティングノートなどのコーヒーの記事をお届けします。
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記事一覧

アイデアをまとめる時にコーヒーを飲む|エチオピア イフガチェフェ ナチュラル

アイデアが沸き起こるのは散歩している時とかお風呂に入っている時なんだけど、それらをまとめる作業はカフェにいると捗るのだ。 久しぶりに行きつけのカフェに行って、頭の中のことをまとめた。おすすめの限定、イルガチェフェのナチュラルウオッシュとともに。 しっかりした飲み口に甘い香りが追ってくる。そして酸味が力強い。だし汁を思わせるうま味のような力強さと複雑な香り。少し冷ますと、マットな焙煎香が顔を出して余韻にまでたたずむ。 2023年9月13日 カフェ・デ・コラソン(京都・西陣

中深煎りグアテマラとロールケーキ〜六曜社珈琲店で懐かしさを全身で感じる

ロールケーキは卵の味わいがしっかりした、かための生地に、塩粒が入ったバタークリーム。よい! 懐かしい! 昭和の家庭の味がする。 コーヒーは個性を出し過ぎてないないけれど、そこはかとない存在感はある。お菓子を引き立てるコーヒーである。あとでミルクを入れてもおいしかった。 この喫茶店には久しぶりに来たけど、やっぱり落ち着いた雰囲気が好きだ。モーツァルトが流れてて、照明の明るさもよい。ひとりで来て、紙の本と共に過ごしたいカフェだ。 2022年11月 六曜社珈琲店地下(京都)に

酸味好きが安心する味わい、ブラジルのイエローカトゥアイ種

少し時間が余ったので、カフェを探す。地図で目星をつけて、心にきた店を選ぶ。昨日とは違うモダンなカフェに決めた。そして優勝。レビューを見ずに自分の嗅覚だけで店を選ぶと、よい出会いがある。もちろん外れる時もあるけど。 上品な焙煎香が鼻から。口に含むとレモンティーを思わせる酸味と収斂味。その奥に少しコクがある。軽やかでメリハリのあるコーヒーだ。丁寧に点てられていると思う。 少し冷めると、豆の顔が出てきてやや重厚な味わいなる。コーヒーフレッシュを少し垂らすと、コーヒーの香りが引き

高松・城の眼でコーヒーとケーキ

コーヒーは一種類、ケーキも一種類。 メニューには「ケーキ」としかないので何が来るのかわからなかったけれども、やってきたのは銀紙にのったベイクト・チーズケーキ。歯ごたえがよく、サプライズのレーズンがよいアクセントになっている。 近年色々なスイーツが紹介されたり、作り出されているけれども、このチーズケーキは多分イタリアからアメリカを経由して日本に渡ってきて、改良を重ねて安定したバージョンなのではと想像する。昭和よりも少しモダンな印象だ。このレーズンはチェリーの名残りなのかもし

タルマーリーで自然栽培のコーヒーとスコーン

名物のピザをとても酸っぱいビール「サワーエール」で楽しんだあとのコーヒータイムである。 自然栽培のアラビカ種ティピカコーヒーはウガンダ産でアラビカ種ティピカを自然栽培したもの。ティピカはアラビカ種で最も歴史の長い品種だ。 酸味を焙煎香を感じさせる軽やかな乾いた香りを鼻で感じたあと口に含む。フォーミーなやわらかな食感と軽やかな味わいが心地よい。あとから、細いけど力強いシャープな酸味がきて少し苦味と酸味を感じた後、ビターチョコを思わせる長い余韻がある。 少し冷ますと、最初か

初めて飲むラオスのコーヒー

第一印象はチョコレート、そのあと矢継ぎ早に焙煎香と柑橘の酸味がやってくる。余韻に苦味と焙煎香。やや引っかかりがあるけど、その分「コーヒーを飲んでいる」という感触があって、満足の飲み口だ。 少し冷めると、マットな重厚さが出てきて味がまとまる。やわらかいビターチョコレートのようだ。その奥に柑橘を思わせる酸味がちゃんとある。余韻にはほのかな苦味。水墨画のようで味わい深い。 ラオスのコーヒーを飲むの多分初めてだけど、少し素朴な印象の中、冷めたときの香りと酸味、口当たりのバランスが

ほのかにチョコレートの香りがする均整が取れた味わい「ブラジル ナチュラル ショコラ」

焼き栗のようなやわらかい焙煎香の奥から、ほのかに甘いチョコレートの香りが立つ。飲むと軽やかでさらり。紅茶の香りとほのかな酸味。後からカカオの香りがきて余韻にずっと佇む。それらはとても上品で香りのひとつひとつがきれいで、それでいて存在感を持っている。 少し冷ますと、重厚な味わいになる。前半には心地よい苦味、後半には豊かでやわらかい酸味が膨らんで、余韻に乾燥柑橘ピールを思わせる苦味と酸味と軽やかなビターチョコレートの香り。元気だ。 このカフェでは珈琲の味わいの深さによってカッ

Peru Cusco Valle Inca ペルー・クスコ

ここが開店した時くらいに、友達が働いているので遊びにきた記憶がある。もう100年くらいは経っていると思う。 久々に歩く街並み、雨上がりの新緑。ミニマリスティクだけど落ち着きと風格のある店内、イケメンによる接客。コーヒーを飲む前に一つの世界を味わうのだ。 乾いた木の皮を思わせる焙煎香。軽やかな入り口のあと、すぐに酸っぱくて小さい果実を思わせる膨らみがきて、そのまま綺麗な酸味が持続する。レモンティーのようだ。そして紅茶の苦味が余韻に心地よい。丁寧な味わいのコーヒーである。

ネオ純喫茶にて; エルサルバドル オレンジブルボン 浅煎り

京都の市街は碁盤の目なので、目的地が斜め方向にある場合、どの縦横を通っても到達できる。だからいつもなるべく違う道を通るようにしている。通ったことのない道を通りたい。 そうやって散策するうちに見つけたのが「喫茶カゼコ」である。 看板に「ネオ純喫茶」と書いてある。お店の雰囲気は古き良き純喫茶だけど、出されるコーヒーは炭火焼きしすぎてない丁寧に焙煎されたスペシャルティ・コーヒーだ。座面がコーデュロイの椅子もある。なるほどネオ純喫 茶だ。 壁面のメニューを見て、少し迷ったけど「

いちごのモンブランとコーヒーをあわせる

鴨川を散歩していたら、素敵なテラスのような川床のような場所があるカフェを見つけたので、入ってみた。 以前YouTubeでの熟成古酒ライブで新橋の熟成古酒処の小林さんが教えてくれた、「いちごにはカラメルの香りが含まれている」ことがずっと頭に残っていた。だから、メニューに「いちごのモンブラン」を見つけて迷わず注文した。 小林さんが紹介してくれた本、『香りで料理を科学する フードペアリング大全』には、食材ごとの香りの構成がアロマ・ホイールで記述されていて、いちごには「フルーティ

コロンビア ポパヤン 中深煎

シャープな酸味,しゃんとした焙煎香は細く力強い。余韻に丸いコクが持続する。 少し冷めると,中盤に柑橘を思わせるやや丸めの酸味と苦味がバランス取れてくる。こうやって温度によって違う顔をのぞかせるのがよい。 マスターによると、標高が高い場所で採れるコーヒーは締まった味になりやすいという。 2022年5月 カフェ・デ・コラソン(京都・西陣)にて

ニカラグア ラス・ゴロンドリナス農園(中浅煎り); インスパイリングな気分のときに飲むコーヒー

はじめての店だけど、近くを散歩していて「ここいいかも?」と入ったカフェが大当たりだったので書き留めておきたい。 メニューにはコーヒーの選び方のガイドがイラスト付きであって、産地や味わいではなく「気分」が選ぶ基準だったのがとてもよかった。「リラックスしたい気分」「リフレッシュしたい気分」「ほっこりしたい気分」「もっとコーヒーを楽しみたい(インスパイリングな)気分」の4つの気分にそれぞれ品種や産地、焙煎の違うコーヒーが割り当てられている。 気分は冒険だったので、「インスパイリ

ケニアAA深煎とカフェモカ; コーヒーを飲むと、心に余裕ができる

久しぶりのアフタヌーンコーヒーである。正月以来心に余裕がなかったのは、このカフェに来てなかったからかもしれない。人生には、静かな時間が必要だ。 ケニアAAは、重厚な香り。口当たりも重厚で、後半の引っかかりのない焙煎香と酸味がよい。そして余韻には柑橘やベリーを思わせる酸味の存在感。 カフェモカは、コーヒー・チョコレート・クランベリー・パイ生地が賑やかで仲がよさそう。これらのフレーバーはすべて、このコーヒーにある要素なので、相性がいい。コーヒーが彼らをまとめつつ、包み込む。

あらかじめミルクとお砂糖をお入れしてもよろしいですか? 「アラビアの真珠」をイノダコーヒ三条支店にて

モカベースのヨーロピアンスタイルで深煎り、とメニューにあった「アラビアの真珠」をいただく。 注文すると、店員さんに「あらかじめミルクとお砂糖をお入れしてもよろしいですか?」ときかれたので、「はい」と答える。どのように飲むのがよいのかは、彼らが一番よく知っている。 入り口は軽やかで、酸味と焙煎香が続く。そしてミルクのやわらかさとコーヒーのコクが大きく広がりクライマックスを迎え、切れていく。余韻に柑橘を思わせる酸味がある。 やわらかくて、しっかりしたコーヒー感がある。ミルク