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エッセイ

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私の書いたエッセイをまとめています。
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#創作大賞2024

【エッセイ】私の明日を迎える為に

 自分の病状について調べたり考えたりしすぎると、頭の中にもやが懸かったみたいになってなに…

有未
3週間前
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【エッセイ】母のおむすび

 夏になると、母が作ってくれたおむすびのことを思い出す。私や弟が小学生の頃、夏休みになる…

有未
1か月前
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【エッセイ】今日はスパゲティにしよう

 世界の底で朝焼けを待つ振りをしながら、本当は世界の終わりが来るまで此処でじっとしていた…

有未
1か月前
8

【エッセイ】父の焼きおにぎり

 昔、父が焼きおにぎりを作ってくれた。おにぎりを作って一度、トースターで焼く。白米の焼け…

有未
1か月前
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【エッセイ】蝉の姿に自分を重ねる

 今日の外は暑く、夏の気配がしました。割と風があったので、それは良かったです。  夏にな…

有未
2か月前
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【エッセイ】なんだかおいしい、母の料理

 母が作ったうどんを、ふと思い出した。煮込みすぎているのか、くたくたの柔らかいうどん。そ…

有未
3か月前
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【エッセイ】そうめんと天ぷらと氷水

 ジイジイジイと蝉が鳴く季節、夏。毎年、夏になると母はそうめんと天ぷらを沢山作る。天ぷらは、にんじん、たまねぎが主だ。飲み物は氷水。あまり強くは冷房の入っていない部屋で、家族揃ってそうめんと天ぷらを食べることが夏の日課のようなものだった。子供心にいつもそうめんだと飽きるという気持ちはあったのだが、一口、そうめんと天ぷらを一緒に食べるとそんな心も吹き飛んでしまう。少しだけ冷えたそうめんと出来立て熱々の天ぷらがとても合うのだ。つまり、とてもおいしい。喉に詰まった時は氷水をぐいっと

【エッセイ】帰り着く思い

 人の中に私はいつか帰りたいのだと思ったのは最近のことだ。私はずっと、自分を助ける者は自…

有未
3年前
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【エッセイ】灯る明かり

 ――しばらく疎遠にしていたとしても、次に会った時に「やあ」と言葉をかわせることは、とて…

有未
3年前
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【エッセイ】何処までも

 全てを捨てて逃げ出しても良かった。だけど、何処かで読んだ漫画にあったように月と影と自分…

有未
3年前
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【エッセイ】時間の共有

 本来、基本的に自分の中にしか本当の自分はいないだろう。だが、私は不意に自分自身に連続性…

有未
3年前
7

【エッセイ】紅茶のある時間

 私は紅茶を飲むことが好きだ。けれど、紅茶を飲まなくても生きては行ける。それでも私は紅茶…

有未
3年前
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【エッセイ】私の為の花

 全てを捨ててでも私は帰りたい場所があるような気がしていた。自分を押し殺してでも愛された…

有未
3年前
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【エッセイ】庭を持つこと

 電車の窓硝子に赤いチューリップを植えることは出来ない。三日月の上に座ることは出来ない。ボールペンの黒インクを音符に変えることは出来ない。何事にも可と不可があり、向きと不向きがある。  良く、世の中の出来事は何もかも二種類に分けることが出来ると聞くが、あながち嘘でもないと最近の私は思う。  初めて、その言葉を聞いた時がいつだったかは忘れてしまったが、当時は間違いなく「そんなことはない」と思ったことはしっかりと覚えている。何もかもが二つに分けられるわけはないと、強い憤りすら