【エッセイ】そうめんと天ぷらと氷水
ジイジイジイと蝉が鳴く季節、夏。毎年、夏になると母はそうめんと天ぷらを沢山作る。天ぷらは、にんじん、たまねぎが主だ。飲み物は氷水。あまり強くは冷房の入っていない部屋で、家族揃ってそうめんと天ぷらを食べることが夏の日課のようなものだった。子供心にいつもそうめんだと飽きるという気持ちはあったのだが、一口、そうめんと天ぷらを一緒に食べるとそんな心も吹き飛んでしまう。少しだけ冷えたそうめんと出来立て熱々の天ぷらがとても合うのだ。つまり、とてもおいしい。喉に詰まった時は氷水をぐいっと