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《ダウン症のある子と家族のじかん。「最近どうしてる?」リレーエッセイ》その5 森 深希より

2022年6月、月音を産んで10周年を迎えます。

普通級に通う小学4年生。


同級生に刺激を受け、先生がいようとワガママしつつ時には頑張りもします。


3つ上の長女は中学生になったので、同じ学校にはもういない。とても優しくみてくれてた副校長先生も御勇退され、もういません。

きっとさみしい気持ちがある中の新学期、

来月開催の運動会に向け頑張って?いるようです。

思えば10年前。

自分がダウン症のある子を産むだなんてみじんこたりとも思ってなかった私。

退院時の検診で「聴力エラーと心雑音」が気になると大きな病院へ行くよう言われた時にさえ、ダウン症の可能性があるなんて思ってもいなかった。

けど検査結果でダウン症があるとわかり、

自分が高齢だからダウン症のある子が産まれた、

私が遊びまくった人生を送ってきたから、

散々飲み歩いた、

食生活もひどいから、、、

などと自分を責める言葉ばかりが頭をよぎったが、

今10年後の私は、そんな事なんとも思っちゃいない。

ダウン症という染色体異常をひっさげ産まれてきた器の大きな娘に感謝が溢れてやまない人生を過ごしてる。

撮影:江連麻紀

そんな風になるだなんて、10年前の私しってた?

あの時の私に言ってあげたい

「あ、大丈夫よ」ってね。

私が私のままであるために、

リスク背負って産まれてきて、その反面にある命の素晴らしさを生き様でみせつけてくれたこの10年間。

娘が病気を沢山したおかげで健康マニアになったし、

食事も養生も学んできたし、

赤ちゃんの頃は小さくか細くて、ちゃんと大きくなるの?と心配したが、今となっては縦にも横にも大きすぎるのが悩み😂

歩くのが苦手だったから沢山歩かせたくて、小学生になる手前迄”おんぶ紐”を持って外出し

帰り道は20㌔超えをおんぶして昼寝。

汗だくでしんどかったあの頃だけど、今となっては懐かしい。

過ぎ去ってしまえばイイ思い出。

やっぱり子育ての真っ最中ってしんどいよね。

ダウン症のある人はゆっくり成長するから、一夜漬けタイプの私にとっては苦手な長期戦。

年齢に対すれば中身半分?とかだし、

物壊す、物なくす、服やぶる、おねしょは頻繁と、ひっちゃかめっちゃかな毎日。

時々飲んだくれないとやってられません!ほんとーにw

ダウン症のある人の傾向と対策はあるけれど、だからなに?

ダメなもんはダメ

頑張るときは頑張る(頑張れないのが私って時も多々ある)って、

色々を感じながら生きる日々がマヂで濃くて大変。

けど元気に生きてます。

地域のお友達、皆さまと共に生きてる。

そうやっていろんな人と関わって成長し生きてってもらいたい。

これってダウン症のある月音だからじゃなく、

長女に対しても同じ想いでいる。

経験が学び。

人との出会いが学び。

お金で買えぬ経験が人間力を育てる。

ダウン症のある人が持ってくる一本多い染色体の中には、

病気やマイナス面はあるけれど、

その分でっかい学びや出会いや気づきがあって、

私の人生に深みと旨味と幸せを運んでくれています。

自分のこの48年間の人生にありがとうだし、

出会ってくれた全ての人にありがとうだし、

ダウン症という一本多い染色体にさえも

ありがとうと感じています。

一度きりの今の私の人生を味わい尽くしてやろう!

って今思えてるのは、間違いなく「ダウン症」のある月音が生まれてきたことと、

娘たちが私の元に居てくれていること。

結局、ダウン症があろうとなかろうと親になれて幸せっちゅーことね。

あれ?このエッセイ、ダウン症についてだったよーな気がするけど…んま、いっか笑。

森 深希

(写真1~3:撮影 江連麻紀)


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