見出し画像

2021年に読んで良かった本16冊

2021年に読んだ本はだいたい200冊くらい(マンガ雑誌のぞく)。
だいたい300くらいは目を通さないと頭が活性化しないので、今年はかなりぼーっとしていた。

▼小説

『三体』

圧倒的でした。人生で読んだ面白い本のなかでも上位に食い込むすごい小説。とにかく読んでいてどこに連れて行かれるのかわからなくて、ワクワクしまくりでした。ドラマ化するらしいんでそっちも期待。

『ひとりぼっちのソユーズ』

きみとぼくの恋愛の話だと思ってたらすごい宇宙レベルになった。新海誠+クリストファー・ノーランなのか!?これもでかい風呂敷でワクワクさせてもらいました。

『愛されなくても別に』


坂上くんとのYou Tubeでも紹介しましたが、今年ふりかえってもかなり好きな作品です。来年も注目してます。



『死にたがりの君に贈る物語』

Tiktokで話題になってたので読んでみた(装画のorieさんの画集最高です)。曲者が集まって小説のキャラを演じる「マーダーミステリーやん!」と言いたくなるような設定。一人称と三人称が切り替わるテクニカルな文章ですが、技術力が高くて自然に読ませる。なによりラストがきれい。

『ここはとても速い川』


友人のおすすめで読んだ。大阪で暮らす小学生の一人称小説なんですが、これはすごい……。最初は読みづらいなと思ったんですが、いつのまにか別の世界にもっていかれた。子供世界の濃厚なリアリティにやられ、10代のころにファンタジー小説を読んでだときみたいな感覚に包まれた。


▼人文・ルポ・エッセイなど


『一度きりの大泉の話』

過去の人間関係の複雑さ。過去も未来も記憶によって、複雑にかわっていくんだよな。年末になっても心に残ってますね。

『43回の殺意』


川崎の中学生リンチ殺人のルポ。ほんとにやりきれない。読んでいて気持ちが沈みすぎて体調が悪くなってしまった。不良文化圏の問題だと思っていたらオタク文化圏だったのもきつい。

『売春島』


かつて「売春島」として都市伝説のように語られていた渡鹿野島のルポ。ライターが足で得た情報をもとに聞き込みする様子が、ドラマみたいな展開になっていく。関係者たちの台詞もドラマチック。

『パチンコ』


「パチンコ」の成り立ちを調べた本。
日本におけるパチンコの発祥は名古屋だと言われてたんだけど、実はそれは嘘で、大阪だったこと。正村ゲージと呼ばれる天四本の釘の配列。六風車六穴が、歪んで伝えられている歴史。さらにそれがなぜそうなったかの背景に、人間関係のごたごたがあったこと。などなど、異様な執着で描かれる……もそのおかげで本書は情熱に匹敵する資料価値を得ている。今年一番狂気を感じた本。

『水中の哲学者たち』


哲学エッセイなんだけど、やわらかくてユーモラスで、ときどき狂気がただよう語り口が魅力的。「ニューQラジオ」で話しているのを聞いていた声のトーンと文章が一致していて嘘がない。今年読んだエッセイのなかでは一番好き。


『だえん問答』


元WIREDの若林さんがひとりで対話している時事問答本。ボリュームの多さもさることながら対話形式で読みやすい。読むラジオみたいで毎日少しずつ読んだ。

『出産をめぐるスピリチュアリティ』


一時期ネットで話題になっていた子宮系のスピリチュアル思想が、どういう背景のもとに出てきたのかなど、社会学的に分析する。

『ヌシ』


妖怪でも神様でもない、日本特有の「ヌシ」についての研究本。装丁含めて中身も面白かった。

『心はどこへ消えた?』


今年の後半はメンタルの調子が崩れて、怒ったり悲しんだりどうしようもなかったのだけど、この本を読んで自分の「心」の存在に気付かされた。

『つらいと言えない人がマインドフルネスとスキーマ療法をやってみた』


これもメンタルがきついときに読んだ本。スキーマ療法で人生をやりなおす人のケーススタディがひとつの物語として魅力的で、自分もやってみたくなった。

『耳と感性でギターが弾ける本』

ギターの練習のために買った本。作者のトモ藤田さんはバークリーの講師。イチからまたギターを練習しようと思ってこの通りにエクササイズをしたんだけど、ぜんぜんできなくてびっくりした……。

よりよい生活のために役立てます。