アンドロイド漱石はVR猫の夢を見るか
引っ越したせいかスランプである。
漱石、鴎外、乱歩――東京の谷根千あたりで暮らした作家たちにあこがれ、いつか自分も作家になってそこで暮らしたいと思っていた。気づけば三十代の頃に夢は叶い、谷根千あたりの一軒家にかれこれ十年近く暮らした。このままずっとここで暮らすのだろうと思っていたのだが……今、私はなぜか熊本にいる。
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