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エロゲーの作り方

本当にこうやって作りました。

▼その代表的ソフト
 まず、テキスト型エロゲーの古典を学ぶ意味でも、8ビット時代のものをいくつかプレイしておこう(「韋駄天 いかせ男」「道鏡」「オランダ妻は電気ウナギの夢を見るか」など)。




 これらは人類文化発生時におけるアルタミラの壁画に匹敵するエロゲー文化遺産だ!(ただしグラフィックもアルタミラ壁画と見分けがつかないかも知れない)数十色のパレットとドット打ちでオールド・エロ・ゲイマー(略してOEG)の股間を刺激していた職人たち……彼らは本当に同じホモサピエンスだったのだろうか? 常軌を逸した技術だ。現代人視点では単にバグっているとしか思えないガタガタのCGで自家発電を繰り返していたOEGたちの、もはや幻視とさえ呼んでも過言ではない超越したイマジネーションにはただ圧倒させられる。今ではトラウマだ(註筆者もOEGです)。



▼その消費構造

主に小説や映画は「世界観」「物語」「登場人物」これら三つが絡みながら抽象的(単純)感情を喚起する運動であるのに対して、エロゲーは「物語」「絵」「システム」を軸に性的欲望を喚起させる運動であると言える。同じ映像作品でも「映画」と「AV」は、前者が「物語」重視、後者が「実用」重視、というように、普通は非常に明確に差異化されているが、エロゲーは「物語」と「機能」の垣根が非常に曖昧である。「映画」のように物語重視の作品もあれば「AV」のように「実用」的なものもある。しかし……その両方に共通して言えることがある。それは、多くのエロゲーユーザーは「キャラクター」を欲望しているということだ!


▼なぜキャラクターが重要なのか?
 それは売り上げに関わってくるポイントだからだ。物語と世界観、機能だけではエロゲーは売れない。なぜならエロとはそれ単体で存在するものではなく主体であるキャラクターに付随しているものだからである。一般向けに作ってもまったく何の問題もなかったであろう作品がなぜ18禁というジャンルで作られるのか? その理由もここにある。つまりはあるキャラクターに対しての愛情(萌え・愛・恋)とはつまるところ、所有(されたい/したい)欲なのである。そしてキャラクターに対する所有欲は、成人男性の多くにとっては性的行動をもってピークを迎える(実際はさらに深い無間地獄のような中毒的所有欲を駆り立てるのだが……)。キャラを所有したいという欲望が消費につながる。


▼How to エロゲ!というわけでまず紙と鉛筆を用意。


エロゲーは小説とは違う。なににおいてもまずは、キャラを作る。簡単だ!パクろう!ヒットしているキャラの要素を組み合わせれば良い。たとえば「普通の人間には興味がなくてツンデレで服装はキリン装備」「貧乳であることに開き直り魔法を使って5人で変身する」という具合だ。ヘンにひねると脱臼してしまうので、ストレートに行こう。「エロい猫型宇宙人の姫」とかでいいかも知れない。動物ならすべて発情期ということしておけば、ほぼ間違いない。キャラが多いと忘れがちなので、こういった表をエクセルで作っておこう。

文句を言われたらウィリアム・バロウズやアンドレ・ブルトンを引き合いに、カットアップの思想についての蘊蓄を垂れ流そう。めんどくさかったら一言「ポストモダンだから」と言えばOKだ!

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