2023年08月23日 矢野顕子さん Trio featuring Will Lee and Chris Parker

夏の風物詩、矢野顕子さんのトリオ featuring ウィル・リー&クリス・パーカーによるブルーノート公演は2009年の初演から数えること15年目。途中、2020年と2021年はコロナのために開催が叶わなかったものの、それ以外は毎年必ず1-2公演観に行くようにしています。

で、今年観に行ったのは千穐楽公演のみ。何しろ他の日程は「リラのホテル」トリビュートやらサマソニやら大貫妙子さんのコンサートやら、「なぜここまで重なる?」というスケジュール。あともう1-2本みたいかったなあ…と終演後に感じた濃密なライブでした。

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「Yellow Magic Orchestraの後ろでキーボードを弾いていたことがあります」と切り出した矢野さん。当時は2人キーボードで自分は簡単な方を弾いていたので、今回演ろうと決めてから気づいたことがあります、と。

「この曲はとても…難しい。でも大好きな曲だからやります」矢野さんは最後まで教授に言及はしなかったけれど、演奏前の緊張感と演奏後の弾ける笑顔… Willも「YMO Forever」とポツリ。泣きました。続けて演奏された「ひとつだけ」はいつもよりやや緩やかなBPM。

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矢野顕子TRIO featuring Will Lee and Chris Parker (2nd Set on 23 Aug 2023 / Blue Note Tokyo)

01. Children in the Summer
02. どんなときもどんなときもどんなときも
03. How Can I Be Sure
04. 透き通る世界
05. ゴジラvsモスラ
06. ラーメンたべたい
07. 千のナイフ
08. ひとつだけ
encore
09. ごはんができたよ
10. Yes-Yes-Yes

前年のトリオ公演との被りは3曲のみ(ラーメン、ひとつだけ、ゴジラ)。
いつもより教授との共作もの多めで、終盤の「千のナイフ」「ひとつだけ」「ごはんができたよ」の流れに涙腺決壊。1989-90年頃に六本木ピットインで観て以来、いつかまた観たかったアッコちゃんと教授の共演は、遂に夢のままとなってしまいましたが、今日は教授も髪かきあげながらそばで鍵盤を弾いていたはず。

03はラスカルズの名曲で矢野さんは80年代中盤にジアンジアンで山下達郎さんをゲストに、教授をサポートにトリオで展開されたこともありましたね(その後、Super Folk Songに矢野さん弾き語りのカバーを収録)。また、06では矢野さんがセンターのスタンドマイクのところに来て、観客のスナップに合わせて展開したジャズアレンジ。10はオフコースのカバーで、このトリオでは2018年にもアンコールで演奏されました。

思えば、ウィルもクリスも教授との共演は多く、「千のナイフ」はその想いがひしひしと感じられる熱のこもった演奏でした。いや、「千のナイフ」以外も、ですね。

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