花めづる君 傘村トータ Cover by Uminami あとがき
今回、傘村トータさんの楽曲『花めづる君』を歌詞付き動画としてYouTubeに投稿しました。この曲をはじめて聞いた時、ひとつひとつの歌詞が言葉が、つらく、ひびいて、ひとり泣いてしまいました。少し話をしたいと思います。
この曲を聴いて、歌詞をきいて、私は15歳の頃の友達の事を想いました。
彼女のために、彼女のような人のために、そして私のような立場になった人のために寄り添えるように。この曲の力をより引き出せるように歌いました。
私は、15歳の頃、高校一年の頃。
テニス部にはいっていました。部活のメンバーは普通科、進学科の生徒で私とあと2人の生徒は進学科だったので、普通科の部員よりも授業が長く、部活に行くのがいつもみんなよりも1時間程遅れて参加していました。
部活は15人程で、私から見ると普通のテニス部でとくに問題もなく、楽しく活動していました。
ある日、いつもは一緒に帰ってない友達が「今日一緒にかえろうよ」と私にいってくれました。
私はいつも一緒に帰っている他の部活のメンバーがいたので、「じゃあ、みんなで帰ろうよ」といい、みんなで帰りました。
同じようなことが1週間くらいつづいて、わたしは特になにも気に留める事なく友達が一緒に帰ろうと言ってくれた日は友達も含めて毎回、みんなで帰りました。
2週間くらいたったころ、部活中にその友達が倒れて救急車で病院に運ばれました。
私はいつもどおり遅れて部活に参加したので、救急車に運ばれた時の状況はわからなかったのですが、ほかの部員が部活中に友達が過呼吸になって倒れたと教えてくれました。
過呼吸という言葉をその日初めて知りました。
なにが起きたのか、私はわからなくて、部員に何があったのかきいたところ、少し気まずそうにしていました。
その日、部員全員でミーティングがあり、なにか問題はなかったのか?と話し合いになりました。すると、ひとりの部員が、実は少し彼女をからかうような事をしたらそれがきっかけで、過呼吸を起こしたと話してくれました。
私は、だれかが友達をからかっているのも見たことがなかったので、どういう事なのか、全然分かりませんでした。
他の部員に詳しく聞くと、私達進学組の部員が来る前の時間はその友達をみんなで軽い気持ちでいつもからかって楽しんでた。ということが分かりました。それぞれ、「そんな、いじめとかそんなんじゃない、ちょっとからかっただけだし」と言っていて、同時、本当にびっくりしました。自分の近くで、そんなことが起きてこと知らなくて、ショックでした。
だから最近一緒に帰ろっていってくれたのか。
だから、「みんなじゃなくて、二人で帰ろうよ〜」と言っていたのかと。笑いながら言ってたから、はいはい、みんなで帰ります〜なんていってた自分に、なにも知らなかった自分に、言葉が出ませんでした。
友達が話したいことがあるなんて、相談したいことがあるなんて、困っていることがあるなんて、全く気づけなくて。気づかなくて。
友達はちゃんと私にSOSを出してくれてたのに、その行動に、いつもと違う彼女に、友達に気付けなかった事をいまでも後悔しています。
私は部活中に倒れた友達が病院に運ばれた後も、少ししたら学校に戻ってくるとおもっていましたが、彼女はそれっきり、学校を辞めてしまいました。
わたしは、ちゃんと話すこともできず、気付けなかったことに、悩みを聞けなかったことに、謝ることもできず、彼女と、友達とそれから会うことはなくなりました。
直接電話をしたかったのですが、ちょうどそのころ、個人情報の取り扱いが学校で厳しくなっていて、学校に聞いても住所や電話番号を教えてもらうことはできませんでした。
顧問の先生に相談し、先生を介して私の気持ちを伝えてもらいました。
彼女がいま幸せに元気に暮らしてるいてくれればいいな。
もう傷ついてないかな。
もう傷ついてほしくないな。
そう思います。
私はあの頃、まさか友達が苦しい思いをしていたなんて、本当に、微塵にも少しも疑ったことがなかった。
私が見ていた『楽しい毎日、楽しい世界』
当たり前のように、友達もそうだと思い込んでたあの頃。
そうじゃなかったとわかった時の動揺、気持ち。
そんな思いがこの曲に書いてあって。
私の経験、私の高校の時の思い出をここで語ってしまいましたが、この曲を聴いて、隣で笑ってる友達は同じ景色を見ていないかもしれない。もしかしたら、助けを求めているかもしれない。そんな事を少しでもあたまの片隅に置いてくだされば、いいなと思います。
長くなりましたが、今回、『花めづる君』について、少し話させていただきました。
最後まで読んでくださりありがとうございました。 Uminami
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