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忍殺TRPG小説風リプレイ【ハンター・フォールズ・イントゥ・ア・トラップ(その2)】


◆アイサツ

 ドーモ、海中劣と申します。こちらの記事はニンジャスレイヤーTRPGの小説風リプレイとなっております。ニンジャスレイヤーTRPGについては下記の記事をご覧ください。

 本記事はニンジャスレイヤーの二次創作小説でありニンジャスレイヤー本編及び実在の人物・団体とは関係ございません。

 こちらの記事は前回の続きとなっております。よろしければそちらから見てやってください。

それではやっていきたいと思います!

◆本編

◆◆◆

 ソウカイ・シンジケート本拠地、トコロザワ・ピラー中層。ソウカイヤの中堅ニンジャであるデスクランチは休憩室に設けられたスシ・バーのカウンター席でスシを味わっていた。

「バッファロー、生」「ヘイ、バッファロー生オマチ」デスクランチの注文を受けた初老のイタマエがスシゲタの上に乗せたのは、赤い血を滴らせる分厚く切られた肉塊だ。よく目を凝らして見れば肉塊の下にコメがあることが分かる。

 デスクランチは爬虫類じみた手で器用にコメの部分を持ち、大口を開けて肉塊をその中に放り込んだ。「ウマイ」「ヘイ、アリガトゴゼヤス」スシ・バーの片隅にあるシシオドシが甲高い音を鳴らし、店内を流れるオコトのBGMと合わさってゼンを演出する。イタマエの背後、カウンター奥に設置された巨大水槽の中で色とりどりの魚たちがバイオイソギンチャクと戯れている。デスクランチは満足げに息を吐いた。

 この部屋はソウカイヤでも一部のニンジャのみが利用することを許された特権だ。ソウカイヤでは実績を積み上げ、ラオモトに利益をもたらせば誰であろうと成り上がることが出来る。例えそれがヨロシサンから脱走してきたバイオニンジャであろうともだ。「ビール、大」「ヘイ、ビール大オマチ」デスクランチはジョッキになみなみと注がれたビールを1秒で飲み干した。

「昼間からおスシにおサケとは、いいご身分ね」追加注文をしようとしていたデスクランチの隣にパーカーを着た少女が座る。少女は手に持ったカタナをカウンターに立てかけるとネタ札をひとつひとつ確認する。「マグロ、包丁を入れて」「ヘイ、マグロ包丁オマチ」その少女……セルフハームは網目状に切れ込みが入ったマグロをうっとりと眺めた後、頬張った。

「ドーモ、セルフハーム=サン。何か用かね」デスクランチは食事を中断し、同僚の女ニンジャと向き合う。デスクランチは彼女とチームを組んで任務に当たったことが何度かあり、今回もその類かと判断したのだ。「ドーモ、デスクランチ=サン。ソニックブーム=サンに伝言を頼まれたのよ。グロウコブラ=サンを見なかったかしら?」セルフハームは口元をさっとオシボリで拭い、手短に用件を切り出す。

「グロウコブラ=サン?アイツなら任務に出かけてるぞ。数時間ほど前まで、ここで一緒にスシを食っていた」「え?それ本当?……っていうかあなた、数時間も入り浸ってるのね」呆れた様子のセルフハームにも構わず、デスクランチは言葉を続ける。

「確か、アタラシイ・エレクトロニクス社で任務だと浮かれていたよ。自分に相応しいビズだとね。まあ、いつものことさな」「アタラシイ社で任務?オカシイわね……」セルフハームは首を捻る。

「オカシイとは?」「ソニックブーム=サンが呼んでたのよ。ミカジメ徴収に行ってこいって。アタラシイ社のことなんて言ってなかった筈なんだけど」「……そりゃ、妙だな」デスクランチは爬虫類の手を顎に当て、思案する。

「ちょいとソニックブーム=サンに確認しておこう。グロウコブラ=サンの勘違いで済むならいいんだが、そうじゃなかったらコトだぞ」「あのバカ、また面倒なことに巻き込まれてるんじゃないでしょうね」2人は席を立ち、スシ・バーを後にする。「アリガトゴザイマシタ」初老のイタマエは奥ゆかしく頭を下げ、2人を見送った。 

◆◆◆

 アタラシイ・エレクトロニクス社に乗り込んだグロウコブラは受付に案内され、9階にある多目的ホールに入室していた。タタミ30枚ほどの広さがある部屋には窓が無く、部屋の隅に会議机、椅子、キャスターボードが並べられており、『不如意』の文字がショドーされたカケジクの下では笑顔を浮かべたフクスケが埃を被っていた。

 キャバァーン!その時、グロウコブラのハンドベルトUNIXにノーティスが届く。「おっと、優れたニンジャたる私は送られてきたメッセージは即座に目を通す。なになに……?」グロウコブラが指令内容を確認したところ、護衛するべき重役が無事に会議を終えるまでそのままホールで待機しているようにとのことであった。

「はて、その会議とやらはどの部屋でやっておるのか情報が無いようだが」グロウコブラは訝しみ、首を傾げる。「ま、そんな情報が無くとも極めて優れたニンジャたる私であれば問題無しということであろうな!クッフハハハ!優秀過ぎるというのも辛いものだわ!」グロウコブラは一人で勝手に納得した。

「しかしこのビルには4と9が付く階層があるのか。くだらん迷信に惑わされておらんとは感心感心」グロウコブラは部屋の隅にあった椅子を勝手に拝借し、どさりと腰を下ろした。更に組んだ足をもうひとつ持ってきた椅子の上に乗せ、完全に寛ぐ体勢に入る。……だが、その時だ!

 バン!「「ザッケンナコラー!」」部屋の扉を乱暴に蹴り飛ばし、クローンヤクザがエントリーしてきた!その手にはチャカガンとショットガンが握られている!「なんだ貴様ら。私は今、任務中で」「「スッゾオラー!」」ヤクザたちはモンドムヨーで銃口をグロウコブラへ向ける!

◇戦闘開始

◆クローンヤクザ(Y-12型) (種別:モータル/バイオ生物/クローンヤクザ)	
カラテ    2  体力   1
ニューロン  1  精神力  1
ワザマエ   3  脚力   2
ジツ     –  万札   0

攻撃/射撃/機先/電脳  2/3/1/1

◇装備や特記事項
 チャカガン: 銃器、連射1、ダメージ1

 ショットガン: 銃器、連射1、ダメージ2

イニシアチブ
グロウコブラ→ショットガンヤクザ→クローンヤクザ

「イヤーッ!」「「アバーッ!」」一瞬の早業であった。グロウコブラは座ったままの姿勢で跳躍すると空中で体を捻って2つの椅子を掴み取り、そのままクローンヤクザたちの頭目掛けて椅子を投げ飛ばし、頭部を破壊した。絶命したクローンヤクザたちはその場にどさりと倒れ、グロウコブラは床の上に見事な3点着地を決める。

◇1ターン目
グロウコブラカラテ: 3d6>=4 = (1,6,5 :成功数:2) +3d6>=4 = (4,4,3 :成功数:2)

戦闘終了

「クゥーッ!流石は私!なんたる華麗で高貴で優雅で鮮やかでしなやかで軽やかで素晴らしく逞しくその他ポジティブな言葉諸々でも言い表せないレベルのカラテであろうか!まったく自分の優秀さが恐ろしい!震えるほどに恐ろしい!ああ、私が私で本当に良かった!他のソウカイニンジャの連中はこの私が同僚であり、部下であり、上司であるという残酷過ぎる現実に一体どうやって立ち向かっているのだ?今度デスクランチ=サンあたりに聞いてみるとするか!」グロウコブラが愚にもつかない自分語りを満足するまで言い終えた……その時である!

「……イヤーッ!」グロウコブラは突如としてその場でブリッジ動作を取る!いったい何を!?とうとう気でも違ったのか!?いや、そうではない!「イヤーッ!……チィーッ!」1秒前までグロウコブラの首があった位置を青白い電弧を纏った電磁クローが通り過ぎる!アンブッシュだ!

 BLAMBLAM!奇襲に失敗した相手は大きな舌打ちを零すと、そのままグロウコブラ目掛けてチャカガンを発砲!アイサツ無し!それすなわち、ニンジャではないモータルの攻撃ということである!「イヤーッ!イヤーッ!」グロウコブラはバク転で弾丸を回避し、バックスピンを決めると両腕を組んで着地!そしてそのまま余裕たっぷりにアイサツを行う!

「ドーモ、グロウコブラです。貴様、他社に雇われたアサシンか?どうやら非ニンジャであるようだが、モータルの分際でニンジャに挑むとは、それもよりによってこの極めて優れたニンジャであるグロウコブラに挑むとは、蛮勇もここまで来ればアッパレで」「死ねーッ!」BLAMBLAM!重サイバネのオイランアサシンは隙だらけのグロウコブラの心臓と脳天目掛け銃撃!

◇戦闘開始

◆重サイバネ・オイランアサシンの「ナコムラ・ナオコ」 (種別:モータル/重サイバネ)
カラテ    3  体力   3
ニューロン  3  精神力  3
ワザマエ   3  脚力   3
ジツ     –  万札   4

攻撃/射撃/機先/電脳  4/3/3/5  
回避/精密/側転/発動  4/-/3/-
						
◇装備や特記事項
 ボス級モータル: 回避判定の難易度+1
 ▶︎生体LAN端子LV1、▶︎テッコLV1
 チャカガン: 銃器、ダメージ1
 電磁クロー内蔵型テッコ: 近接武器、ダメージ21+電磁1)、攻撃難易度:EASY
イニシアチブ
グロウコブラ→ナオコ

「イヤーッ!」「アバーッ!?」一瞬の早業であった。グロウコブラは床の上を這う蛇のように見えるほどの極限前傾姿勢でアサシンに接近すると、鞭のようにしなる腕でオイランアサシンの顔面にチョップ突きを叩き込んだ。オイランアサシンの目元を覆っていたサイバーサングラスが砕け、折れた破片が女アサシンの眉間を突き破り、そのまま絶命せしめた。

◇1ターン目
グロウコブラカラテ:
3d6>=4 = (5,5,3 :成功数:2)+3d6>=4 = (2,1,2 :成功数:0)
ナオコ回避:
3d6>=5 = (3,2,3 :成功数:0)
ナオコ体力2

ナオコ電磁クロー:
4d6>=3 = (2,1,1,3 :成功数:1)
グロウコブラ回避:
9d6>=4 = (6,5,4,2,3,6,5,5,1 :成功数:6)カウンター!
ナオコ体力1

◇2ターン目
グロウコブラ集中精密ジャブ連打:
3d6>=3 = (4,3,2 :成功数:2)+2d6>=3 = (6,1 :成功数:1)
+2d6>=3 = (2,3 :成功数:1)+2d6>=3 = (5,1 :成功数:1)
ナオコ体力0確定!死亡!

戦闘終了

【万札:4】GET

「フン!重サイバネなぞこのグロウコブラの前ではジョークグッズ程度の価値しか無いわ!それにしてもまったく根性の無いモータルめ。カナシバリで動きを止めてからじっくりインタビューしてやるつもりでサイバーサングラスを壊したのに、そのまま死んでしまいおったわ。ああ、私は私に不可能なことなど何も無いと思っていたが、とんだ増上慢であった。弱者に対して死なないよう手加減してやるということがこんなにも難しい事だとは」グロウコブラが愚にもつかない自分語りを満足するまで言い終えた……その時である!

 DOOOOOM!「今度は何だ!?」部屋の入口……いや、部屋の壁を破壊しながらエントリーしてきたのは逆関節の足で歩行する巨大な鉄の塊!その右手にはサスマタ、左手にはガトリング!オムラのロボニンジャ、モーターヤブだ!「モーターヤブは敵を許さないです!」ヤブは威圧的な電子マイコ音声をグロウコブラに浴びせ、戦闘態勢に入る!

「モーターヤブ!?ええいオムラめ。自社製造品を簡単に横流しされおって!誰が大事なコンビナートを守ってやったと思っておるのだ!」グロウコブラは文句を言いながらもカラテを構える。「毒もカナシバリも効かぬ相手だが、ロボニンジャなど所詮は紛い物!真のニンジャたるこのグロウコブラの敵では」「モーターヤブは投降を認めてません!」BLATATATATATA!

◇戦闘開始

◆モーターヤブ (種別:戦闘兵器)
カラテ    6  体力  12
ニューロン  3  精神力  –
ワザマエ   6  脚力   2
ジツ     –  万札   6

攻撃/射撃/機先/電脳  6/6/3/3
							
◇装備や特記事項
 ショック・サスマタ: テック近接武器、ダメージ2(1+電磁1)
 ガトリングガン・アーム: 銃器、連射6、ダメージ1、チェーンターゲット、射撃難易度:NORMAL
  (全ターゲットが互いに隣接している場合のみマルチターゲット扱いにできる)

 『●射撃スタイル:銃弾の雨1』:
  通常の射撃(連射6)かこの射撃スタイルか、どちらか片方をターンごとに選択する。
   このスタイルは、視線が通っている3x3の範囲に対して自動的に1ダメージを与える(回避:HARD)。

 『◉移動スタイル:跳躍移動』:
  3マス以内の好きな地点へと、カンガルーめいた跳躍によって移動する。
  飛行装置を持っているわけではないが、ルール上は『飛行移動』をそのまま使用する。
イニシアチブ
グロウコブラ→モーターヤブ

「シューシュシュシュ!シューSHSHSH!SHHHHH!」グロウコブラは地面に大きく弧を描くような動きで弾丸の雨を回避しつつ、モーターヤブの足元に接近!そして強烈なケリ・キックを逆関節に叩き込む!「ピガーッ!」

 ヤブは電子的悲鳴を上げるが、鋼鉄のロボニンジャはこの程度では沈まない!反撃のサスマタを突き刺してくる!「見切ったり!SHHHHH!」「ピガガガーーッ!」グロウコブラは半身になってサスマタを紙一重回避!そしてサスマタとヤブの腕を取りつく様によじ登り、ヤブの頭上を取る!

「トドメだ!イヤーッ!イヤーッ!」グロウコブラはヤブの装甲版を引き剥がし、連続肘鉄を振り下ろす!「ピガガガガーーッ!」モーターヤブはサスマタとガトリングを必死に振り回すが頭部に取りついたグロウコブラには大型武器は届かない!その間にグロウコブラは装甲内にあった制御UNIXを完全に破壊した!「ピガガガガーーッ!」モーターヤブ沈黙!

◇1ターン目
グロウコブラカラテ:
3d6>=4 = (6,3,1 :成功数:1)+3d6>=4 = (3,1,6 :成功数:1)痛打×2!
モーターヤブ体力8


モーターヤブサスマタ:
6d6>=4 = (5,1,2,3,1,5 :成功数:2)
グロウコブラ回避:
9d6>=4 = (3,4,2,4,1,5,5,6,1 :成功数:5)カウンター!
モーターヤブ体力7

◇2ターン目
グロウコブラカラテ:
3d6>=4 = (6,3,6 :成功数:2)+3d6>=4 = (1,1,6 :成功数:1)サツバツ!
サツバツ:1d6 = (1)「イヤーッ!」腹部に強烈な一撃が命中!
モーターヤブ体力2

モーターヤブガトリング:
6d6>=4 = (4,1,5,3,5,3 :成功数:3)
グロウコブラ回避:
9d6>=4 = (1,2,2,2,4,4,3,4,3 :成功数:3)

◇3ターン目
グロウコブラ集中スリケン:
5d6>=3 = (4,4,2,3,5 :成功数:4)+4d6>=3 = (6,5,1,6 :成功数:3)
モーターヤブ体力0!破壊!

戦闘終了

【万札:6】GET

「フゥー……流石にちょいと疲れたわ」グロウコブラはモーターヤブの残骸から飛び降りると、首を回してごきごきと鳴らし、肩を叩いた。「そろそろ重役の会議とやらも終わった頃合いか?しかしまあ、アサシンだのモーターヤブだの、今回護衛する重役とはどれだけの恨みを買っているのやら……ン?」

 その時、グロウコブラは自分の発言に違和感を感じ取る。(なぜアサシンもモーターヤブも重役の襲撃に行かずに、このグロウコブラが待機しているホールに直接来たのだ?この部屋には私以外居ないというのに)それではまるで、グロウコブラの方がターゲットであるかのようではないか。(いや、待て。それが意味することは、つまり)

「……このグロウコブラはカチグミ企業の役員よりも襲撃する価値のある上位ヒエラルキー存在であったということか!クフハハハ!戦いもせずに存在するだけで護衛の役割を果たしてしまうとは流石は私!」グロウコブラはそう結論付け、ひとり納得した。

 ……その時である!


「死ね!ニンジャのクズ!死ねーッ!」

???アンブッシュ: 
5d6>=4 = (4,6,4,4,2 :成功数:4) +5d6>=4 = (3,4,4,2,1 :成功数:2)
グロウコブラ回避:
5d6>=5 = (4,5,3,3,2 :成功数:1)+4d6>=5 = (5,2,1,5 :成功数:2)

 破壊された壁から赤黒の影が部屋の中に飛び込み、グロウコブラへ猛烈なアンブッシュを繰り出してきた!「アイエッ!?イ、イヤーッ!」グロウコブラはこの攻撃を緊急ブリッジ回避!「な、何奴!……なんだと!?」グロウコブラは攻撃を仕掛けてきた相手の姿に目を見開く!

「馬鹿な!ソウカイリムジンの運転手が何故……!」そう、アンブッシュの下手人はグロウコブラがこのビルに来るために乗っていたリムジンの運転手であった!まさか、裏切りか!?「フフフ……慌てているな、クズめ」困惑するグロウコブラを楽しげに嘲笑うと、運転手は制服を脱ぎ捨てた。その下に隠されていたのは……ナムサン!ニンジャ装束、そしてメンポだ!

「き、貴様は……まさか……!」グロウコブラは正体を現したニンジャを振るえる右手で指差した。赤黒のニンジャ装束に身を包み、黒鉄のメンポには血のような赤で書かれた『忍殺』の文字。そのニンジャは殺意に満ちた目でグロウコブラを睨み付け、ジゴクめいてアイサツした。

「ドーモ。ニンジャスレイヤーです」

ハンター・フォールズ・イントゥ・ア・トラップ(その3)へ続く