自己紹介?「嘆いた先で」
私にとって、私の物語は「世界はこうあればいいのに」と思ったことを、本当に実現してくれるものだった。
だから、誰かと共有しなくていいと思っていた。
姉がいるのだが、物語を書いていることを言ったら「小説サイトに投稿してみたら?」と言われた。
軽い気持ちで始めてみて、思った。
私より才能がある人がいる。私より文章が上手い人がいる。私よりクオリティの高いものを作る人がいる。
知らなかったわけじゃなかった。いつも、それはすぐ隣にあったから。
◇
本が好きだったことは無い。嫌いでもないが。いや、まず、「好き」という感情が私には分からなかった。他の感情も他人がこうしているから、模倣して、自分の感情としていた。
だから、作文は嫌いだった。自分は何が好きか、何に興味を持ったのか、何が良かったのか。それが分からなかったから。(いや、それを分からせるために、書くものでもあるかもしれないが。)
当然、趣味もなかった。当時、好きだと言っていた物は全て姉の影響だった。それでも嘘ではない、つもりだったが。
いや、まぁ、よくある話である。
◇
「自分の物語が好きか」と問われればきっと、「好きだ」と今ははっきりと答えることができる。
しかし、つくづく思う。
自分には才能がないと。自分には本気で物語に向き合うことが出来ていないと。自分には文章力がないと。
それはただの嘆きで。他人にはそんなこと関係ない。
自分の作品の世界を好きになってもらう努力?自分の作品をもっと面白くするような努力?
そうではなくて、
自分の作品をもっと自分が好きになること。自分の作品がもっと自分が面白いと思えるようになること。
これがきっと大切なんだと、嘆きの先で思った。