家族とは

いったい、何者なのか。

家族というワードが独り歩きしているように思えてしまうのは私が歪んでいるからなのか。
家族の団欒だとか、家族だから支え合うとか、家族は大事だとか、とても遠くにある気がするのは何故なのか。

小さい頃は家族が居場所だったけれど、大きくなるにつれ、そして、大人になり新しく家族をつくっていくにつれ、最初の居場所だったところがとても歪でそこに浸りたいとは思わなくなった。

自分とは異なる価値観の持ち主たちの集う場所。
そんなことを、私は自分の家族というものに感じている。
昔は何度もぶつかり合ってきたのに、今ではぶつかり合うエネルギーが勿体無いと思ってしまうし、できることならやり過ごしたいと思っている節がある。全部流しておけばいいや、くらいに思っている自分もいる。

大事にしなければならないのに、恩返しをするべき対象であると思うのに、心がついていかないのはなぜなのか。
どうして、あの人やあの人は、家族に少しでも恩返しできたかなぁと想い馳せられるのだろうか。
なぜ、私はそういう境地にいられないのだろうか。
どこに、何を忘れ、置いてきてしまったのだろうか。
そんなことを思う自分は、今の家族もこれからも大事にできるのかと、大事に思ってもらえるのかと疑念を抱く。

家族だから、そんな感情はいつ生まれてどう育っていくのか。育てたいなどと思うきっかけなんていつ出逢うのか。

理解しがたい現象が今ここにあることがなんとも苦々しくて、うまく言えない影のようなものを落としていく。

家族、とは。