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息子の口の中にカビが生えたお話

不意に息子の口の中を見たとき、やけにミルクの白いカスのようなものがほっぺについてるなぁ、とは思っていた。口の中に指を入れてもっとよく観察すると、唇の裏側まで白くなっている。ちょっとおかしい気もしたが、まぁこんなもんなのかな…とそのままにしていた。

ところが。
風邪で病院に行った際、「ところでお母さん、この子の口の中がカビだらけになっちゃってるけど…」と医者に言われた。

え・・・カビ!?
この白いのって、
カビだったのぉ~~~!?

この時まだ生後6ヶ月。
なんでもかんでも神経質なほどに煮沸して、菌には十分気をつけていたつもりだった。
それなのに、口の中でカビが繁殖しちゃうなんて何がいけなかったんだろう。
なにより息子は大丈夫だったのだろうか・・・。

ショックを受けている私をなぐさめるように医者は言った。
「まぁカビって聞くと気持ち悪いと思うかもしれないけど、よくあることではあるんです。ただ、ちょっと、、、カビが多いのが気になるわね。特にほら、唇の裏側にもこんなにカビがあるからねぇ。もしかしておしゃぶり使ってる?」

はい。おしゃぶり、使ってます。
寝る時に「ねーんね」と言いながらおしゃぶりを口に入れる→眠りにつく、というのがその時の就寝の儀式になっていた。添い乳をやめて以来、寝つきがわるくなってしまった息子が、おしゃぶりを使い始めてからは嘘のようにコテンとすぐに眠るようになり、おしゃぶりは就寝アイテムとしてもはや手放せない存在となっていた。しかも眠ってしまってからも、自然と口からこぼれるまではおしゃぶりをそのままにしていた。

その旨を先生に伝えると、
「うーん。衛生的にあんまり良くないんですよね、おしゃぶりは。おしゃぶりをやめないとカビが治ってもまたすぐにできちゃうかもしれませんね。すぐにやめると寝れなくなっちゃうから、少しずつおしゃぶりを取る練習をしてみてください」とのこと。

私はガックリした。また寝かしつけで苦労する日々がはじまるのか・・・。
でもカビだらけの口ではあまりにもかわいそうだ。
おしゃぶりはすぐにやめようと心に決めた。

「このカビ、特に痛いとか自覚症状はないんです。本人にとっては少し違和感はあるらしいんですけどね。お年寄りや乳児には結構多いんですよ。あ、お尻は荒れたりしてない?」

医者の言うこと、すべて図星。
お尻、荒れてました。
血が出たり真っ赤になったりしていて、拭きすぎなのかなぁとずっと気になっていた。ワセリンを塗ってもなかなか治らなかったけど、まさかその原因が口の中のカビにあったとは。
「カビが治ったらおしりも治りますよ。このカビ、カンジタっていうんですけどね」

まさか婦人科以外でカンジタの名前を聞くことになろうとは!
何だってそんな菌が子どもの口の中に出現してカビを生やすのか。
本当に知らないことだらけだ。
息子には非常に申し訳ないことをしてしまったと思わざるを得ない。

さっそく医者は青紫色のお薬を息子の口の中に塗ってくれた。
唇がビジュアル系のミュージシャンのようになる息子。
何も分からずイヒヒと笑っている。ご、ごめん…。

「ちょっとこの薬、扱いが難しくて、服とかに着くと取れなくなっちゃうから…。あと口の中の患部にしっかり塗るのはご家庭でできないと思うので、時間があればちょこちょこ塗りにきてください」とのこと。

それからせっせと病院に通って薬を塗ってもらう日が続き、ほどなくして息子のカビは無事に完治した。
薬さえ塗ってしまえば割と簡単に治ってはくれる。

それよりもおしゃぶりをやめること、つまりうちの場合は、おしゃぶりなしの寝かしつけの習慣をつけることが非常に大変だった。

おしゃぶりを使うなら本当に最小限にして殺菌もしっかりやった方がいい。
それでもほっぺや唇の裏側に白いものが広がっていたらそれはカビ。
カビが生えたらお薬で治療、お尻のチェックもお忘れなく。

おしゃぶりは子どもを安心させたり泣き止ませるのにうってつけだが、
衛生を保つのはかなり難しいと感じた出来事だった。

#育児 #子育て #おしゃぶり #寝かしつけ

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