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音楽に向けた備忘録.

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最近の記事

Lullabyを咀嚼する.

「なんて、悲しい歌なんだろう」 そんな言葉が、この曲を聴いて一番最初に頭に浮かんだ。小さな部屋の隅、安物の白いCDコンポの前で、私はいつの間にか泣いていた。 枯葉が舞うように、はらりはらりと落ちる涙を拭うこともできなかった。 …… ”夏草の緑も いつかは枯葉になり 幾年か先の草花たち支えるように 土へと還る” そんな詩の一片のような歌で始まるコブクロの新曲「Lullaby」。 私はこの曲を初めて聴いた時以来、未だにこの曲を気軽に聴くことができない。冒頭でも書いた通り、

    • 三人の唄うたいの物語.

      小雨降りしきる11月の或る夜。 ビニール傘を鳴らす秋雨の音を聴きながら渋谷のライブハウスへ向かう。 ライブハウスに足を運ぶのはいつぶりだろう。 そんな哀しいことを考える日が来るなんて数ヶ月前の自分はきっと思いもしなかっただろうけど、現に随分と久しぶりになってしまった。 コロナ禍、ライブハウスの規制、自分を取り巻く環境、自分や世界への向き合い方、音楽への気持ち、ずっと燻り続けている衝動や感情。 様々な「変化」がライブ業界にも私自身にも嫌という程絡みついている。 そんな中、

      • 文學少女に出逢った日。

        最近死ぬほどリピートで聴いているアーティストがいる。それがBURNOUT SYNDROMESだ。 青春を繊細に切り取った文學的な歌詞がもうとにかくどツボで堪らない。 その中でもわたしがズブズブにハマるきっかけになった曲が2ndアルバム表題曲の「文學少女」だ。今回はその「文學少女」についてイタいオタク全開で語っていこうと思うよ。 まずBURNOUT SYNDROMESの歌詞の最高なところは何と言ってもまるで文學小説を読んでいるかのような詩的な言葉選びとそれに付随する鮮明な

      Lullabyを咀嚼する.