ウミ子

朝起きられなくてもなんとか普通の社会人生活を送れるようになったアラサー会社員

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最近の記事

無目的的選択

午前1時、壁にもたれて目を閉じる。 今日も夜更かし。 瞼の奥にひろがるのは、2年前に訪れたブリュッセルの街並み。 現地で働く友人の家に泊めてもらい、1週間ほど無計画でその日その時に思いつくだけの行動をした。 日中は友人は仕事で、夜も時間が合えば一緒にご飯を食べるけど、無理に合わせることもしないスーパーフリースタイル。 無理はしない。 外を歩いて疲れたら家に戻って寝る。 はっきり言って東京での毎日よりぐうたらだ。 ・電動キックボードで街を走ってみたり ・フレンチフライとベ

    • 夏休みと黄色いワンピースのあの子

      再会はある日突然やってくる。 中学生の私は陸上部に入っていて、自分なりに本気で取り組んでいた。 夏休みも終わりかけのその日も、いつも通り市営の陸上競技場で部活の練習に参加してトラックを駆けていたところ、他校の女子生徒から話しかけられた。背の高い、細身の女の子だ。 他校の生徒からこんな風に話しかけられるのは珍しいことではなかった。 県内では安定して成績を残していたので、同じ専門種目の選手から声をかけてもらう機会がたびたびあったのだ。 彼女は秋の大会から同じ種目に参戦するらしく

      • はじめての旅立ち ―自己紹介に代えて―

        夜行バスと新幹線を乗り継ぎ、とうとう、京都駅に着いてしまった。 あれほど求めていた「誰も知り合いのいない街での生活」がついに始まろうとしているのに、まだ現実味がなかった。 18年間生まれ育った地元を出発してからまだ24時間も経っていないのだから無理もない。 事前に携帯でルートを調べていた通りに、京都駅から大学方面行きのバスに乗り込む。大学近くの不動産屋に新居の鍵を受け取りに行くのだ。 バスを降り、学生向けの不動産屋に到着すると、40代半ばと思しき男性社員が出迎えてくれた。

      無目的的選択