言葉で清める。
今日は仕事で使う品をお願いした方との初顔合わせの日だった。
依頼したのは一月ほど前。
そんなわけで、数日前からわたしはどんな作品ができたのか、受け取るこの日をそわそわと楽しみにしていた。
打ち合わせはネットと電話。だからお会いするのは今日がはじめて。といっても打ち合わせはかなり綿密にしていただいていた。だから既にその方のイメージは自分の中にあった。
第一印象がすべてなんて言う人がいる。あれはまんざら嘘じゃない。
待ち合わせ場所でその方が直ぐに分かった。実に感じのいい方。わたしよりずっとお若い男性。
互いになぜかまだマスク姿だったけれど、マスク越しにも穏やかで柔らかい印象が伝わってきた。
手渡された作品は、もちろん申し分のないものだった。
ありがたい。大切に使わせて頂こう。
少し談笑すると、その方が驚くようなことを口にされた。
真言を唱えてきたとおっしゃるのだ。しかも口をすすぐ意味を持つ真言があるのだという。
そういえば打ち合わせの時、話が大きく逸れてumiの由来をお話したことがあった。
すると、その方も空海が好きだと言われた。今は少しずつ研究中だともおっしゃっていた。
旅行好きで空海好き、写経好きで空海が好き、そんな人なら周りにいる。
高野山大学で学びたいと思ったことがあるといった時、家族がそちらで学んでいました、という人にも出会ったことがある。
そう、いなさそうで意外に多いのが空海好き。
それでも、人に会う前に言葉で口を漱ぐ人に会ったのは初めて。
浄口業真言というらしい。
人に会う前に口を漱ぐ。
言葉で体を清める。
神社の手水舎のようなものなのだろうか…
恐らくその方は、誰に会う時にも、そんなふうにして会いに行かれるのだろう。
それほど人との出会いは大切だという事。
帰りにその真言を教えてもらった。
意外に長文だった。
フリーになって人に会うことが増えて、こんなふうに思わぬ話を耳にすることがある。
そして、素敵な考えを教えてくれるのはいつだって人だ。
だからこそ、人との出会いは大切なのだろう。
※最後までお読みいただきありがとうございました。
※スタエフでもお話ししています。
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