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賃上げ促進税制、に思うこと


わたしたちの暮らしに賃上げはもう待ったなしだ。

いつものスーパーで、いつの間にか毎回1000円~2000円多く払っている。それに日本の食品会社は値上げの代わりに量を減らす。わたしはこれが好きじゃない。シラスなどは一度に2パック使う羽目になる。お願いだから量はそのままで値段上げしてよと思ってしまう。いろいろなものが倍の料金になる。もちろん電気代だって恐ろしいほど値上がりしている。

だから企業は賃上げをすべし、と国が本気で旗振りを始めた。


大企業と中小企業の条件の違い

色々な点でこの国は中小企業に手厚い。この税制でも中小企業が優遇されている。

ただし永久にこの制度があるわけではない。期間は令和4年4月1日から令和6年3月31日まで。

条件は、

①青色申告をする企業。

②大手企業は「継続雇用者」の給与等支給額が前事業年度比で3%以上増加

③中小企業なら大手企業と同条件で1.5%以上の増加

この「継続雇用者」とは、年度内に辞めた人や途中入社組を含まない。ただしパートなどの有期雇用者は含まれる。


大企業と中小企業の控除率の違い

ただ、この期間の国の動きは本気だ。控除率がすこぶる高い。

これであれば企業も本気にならざるを得ない。

詳しい内容は経済産業省の解説でチェックできるけれど、諸条件をクリアすると、

大企業では控除率が最大で30%

中小企業は、なんと控除率が最大で40%

の税額控除がある。

といっても、赤字会社にはほとんどメリットは無いのだけれど。


気になる点

もちろん、税というのは自主的に動かなければ国から減税されることはない。

だからこそ企業は、法人税から税額控除した額を青色申告する。

ただここで気になるのは賃上げの中身。

賃上げの賃金とは具体的に何を指すのだろう?

これは気になる。

で、みてみると、この賃金は給与所得をさすようだ。

むむむ、

ここが怪しい。

経産省によれば、それは俸給・給料・賃金・歳費及び賞与等のことだという。 退職金などは含まれない。



改善希望点!

きっとあなたも気になられたはずだ。

これはボーナスで賃上げしてもいいってことだ。働く側には確かにありがたいけれど、どうだろう。そこには一時金だって含まれるのだろう。それでは見せかけの賃上げだ。

ベースは基本給に決まっている。そこが動かない限り、日本の労働者のベースアップはない。このキャンペーンが終わると元に戻るに決まっている。

さらに、企業では優秀な人材のベースアップは積極的にするけれど、企業のすそ野で働く人には関心がない。そんな時に起こりがちなのが、優秀な人の所得を8%アップして、すそ野の人の所得をほとんど上げないということ。なにしろ求められている数字はグロスだ。

それでは困るのだ。

特にこの国では女性がそのすそ野に多い。そうした人たちの所得が上がらず、活躍する人の所得ばかりが上がり、企業は目的を達成して減税に走る。

それでは女性の暮らしは厳しくなるばかりだ。


おわりに

賃上げが基本給アップで達成された企業は心ある企業だ。従業員のことを考えている。

けれどそうではない場合、減税目的ととられても仕方ないのではないだろうか。

暮らしでは確実に物価が上がっている。しかも電気代も税金も上がっている。だからこそ働くすべての人の基本給が上がらなければ生活は厳しくなるばかりだ。


※最後までお読みいただきありがとうございました。


※スタエフでもお話ししています。

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