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子どもの誕生から透けてみえる風景


今朝、スタエフで英語音読16回目のチャレンジをした。

日経新聞2023年1月25日に「中国、人口減少時代に」という英文と翻訳の記事がでていて、それを音読してみることにした。

読み終わり、考えてみるとこれはなかなかホットなトピックじゃないかと思えた。


中国の人口問題

人口問題に頭を抱えるのは日本や韓国だけではないということだ。今や中国でもそれはかなり深刻なのだ。

上の記事によれば、中国がついに世界一人口の多い国の座をインドに明け渡したとある。これはビックニュースとして世界に配信された。

その中国の生産年齢人口のピークは2016年。ピークということは、これからは下っていくということ(しかもインドは増えていく)。

人口の多い塊をボーナスと呼ぶけれど、中国の人口ボーナス世代は1963年〜1975年生まれ。日本の団塊世代よりだいぶ遅いけれど、その期間は日本より長い。

その団塊世代が今年から定年を迎えるという。

因みに中国にも定年制があり、男性60歳で女性55歳。その彼らがいよいよ職場を去る時がきたのだ。日経の予測では今後10年で2億3,400万人が定年を迎え、それ以降の労働力人口は今より9%減るという。それが中国の産業と軍事力を脅かすのだと。


人口と力

かつて人口の多い国の順番といえば中国、インド、アメリカが定番だった。日本もかつては狭い島国に人がギュウギュウなイメージがあったけれど、もはや日本の人口は世界11位(2021総務省統計局)。

人口問題は大した問題ではないような気がするけれど、これは深刻だ。身近な問題に置き換えてみるとよくわかる。

近頃では東京でも大学がつぶれる時代がやってきた。地方では既に小中学校が統廃合になることも珍しくないし、生徒集めに必死な高校だって少なくない。

そんな生徒の少ない学校が伸びることは考えにくい。地域だってなかなか豊かにはなれない。どうしても競争力が劣る。

子どもが生まれるということはその地域に、その国に、エネルギーが生まれるということ。

消費が増え、経済活動が活発になり、地域や国の力が増す。もちろん負の側面として、環境破壊が進み資源確保のための争いだっておきかねないけれど。

それでも人口はパワーだ。

民主主義だってマイノリティの声は届きにくい。だから世界でも人口量で世界の勢力図が変わることは普通に予測できる。


グローバル・サウス

ここで近頃なにかと耳にするようになったのがグローバル・サウス

かつての先進国、の新興国や途上国は南北問題として語られていた。

もちろん当時は北が南よりはるかに経済力は上で、そうした格差をかつては南北問題と呼んでいた。

ところがこの北と南の勢力図に変化が起こっている。それが人口問題。

国連によれば、2050年までの人口増の半分は、インド、ナイジェリア、パキスタン、コンゴ民主共和国、エチオピア、タンザニア、インドネシア、エジプト、米国の9カ国。サハラ以南アフリカの人口は倍増する可能性が高く、ヨーロッパの人口は縮小するというという。

その一方で、人々の移動が激しい。

世界人口に国際移民が占める割合はほぼ3%だったのが、2000年以来50%以上も増えているという。故郷を追われた人々の数は紛争の長期化で増え、これからは気候変動と環境破壊のでさらに増大するとみられ、難民と移民の大多数はグローバル・サウスの国々に流入するという。


人口問題と世界地図

そのグローバル・サウスが今何かと話題で、これからますますこうした国々の名前をわたしたちは耳にすることになるだろう。

日経新聞(20230503)によれば、インドでは2023年1月に「グローバルサウスの声サミット」を開催している。

そこでインドのモディ首相は120か国以上を招待し、公平な世界を希望するとのメッセージを出している。

食料やエネルギー危機や気候変動などは主に途上国が作り出したものではないけれど、途上国が多大な影響を受けているという内容だ。

こうしたインドやインドネシアなどの人口が増加している国々は経済成長も見込めるため、世界でもこれからますます大きな声となっていくはずだ。

そしてこれからますますわたしたちはインドのモディ首相の名前を耳にするようになるだろう。


おわりに

英語音読としてたまたま選んだ中国の人口減少の記事を機に考えてみたけれど、人口問題はここまで重要なのだ。

たかが出産でも、されど出産。もちろん小手先の施策だけで子どもの誕生が見込めるほど現実は甘くはない。

それでも子どもは国力のために生まれてくるわけではない。そこには希望が必要だ。その希望は個々で異なるけれど、それでも未来に夢を描ける社会が見えない限り、人は出産をためらうだろう。


※最後までお読みいただきありがとうございました。


※スタエフでもお話ししています。

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