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【介護】一歩前進

母が3週間前から動けなくなった。

いつから介護がはじまったのだろうとnoteを見てみると、3週間前と記録に残っている。

あれからもう3週間が経過したのだ。

本当に色々なことがあった。

母が腰を痛めて動けなくなり、本格的な介護がはじまって一週間が過ぎた頃、夜中に救急搬送された。けれど、介護タクシーを呼ぶようにといわれ、夜中の3時に再度自宅に運ばれた。

あの夜、あゝ、この世は高齢者にどれほど冷たいのだろうと震えた。

それから、1週間がすぎて、病院にも地域包括センターにも連絡したけれど、書類で動く世界のようで、何も変わらず、誰も来なかった。どうすることもできないまま、わたしが主介護者として母の介護を続けていた。

すると、もうあきらめかけた数日前、地域包括センターの方が家にこられた。その時、その方に初めていたわりの言葉をかけていただいた。こんな優しいことばをかけてもらえるなんてと、びっくりした。もうこれからは覚悟しなければと思っていた矢先のことだった。ついに母は、そして我が家は、優しい方に巡り合えたのだった。

あゝ、よかったと思っていたら、今日はさらにホッとした。

我が家に4人の方が来て下さったのだ。当初はケアマネさんと介護用具の会社の方がいらして下さることになっていたけれど、おそらく地域包括センターの方が奔走して下さったのだろう。看護師さんもごいっしょだった。

慌ただしく人の出入りがあって、2時間後、母に看護師さんから1錠しか残っていなかった下剤が数日分手渡された。救急搬送された時のお薬と同じ種類のお薬だ。あゝよかった。ずっとこれが気になっていたのだ。お薬がないと、母が大変なことになる。けれど、この状態ではわたしは母を病院へは連れてはいけないと。

そして、簡易手すりを3カ所取り付けていただいた。トイレの入り口と出口に2か所、廊下に1カ所。天井と床に突っ張り棒のようなものを設置するだけの簡易な手すりだけれど、それでも100キロぐらいの体重がかかってもズレることがないという。その棒の真ん中あたりには滑り止めのゴムがまかれている。見た目も悪くない。必要なくなったら直ぐにお返しすることもできるレンタルの手摺なのだ。ワオ。

これで、介護はかなり楽になる。たったこれだけのことだけれど、これがどれほど生活の質を高めてくれるか想像しただけでも嬉しくなる。

おまけに介護されている母は、本気で一刻も早く元気になろうとしている。ここがなんとも頼もしい。まだ背中が痛くて座ることも出来ないというのに、頑張って歩こうとする。

ここで看護師さんからコルセットのご紹介があった。このまま頑張って歩いていると、痛みゆえに腰が曲がってしまうというアドバイスがあったのだ。なるほど、言われてみればわかるけれど、言われなければ想像さえしていなかったことだった。痛みがあると人は同じ姿勢だけする。だから背中がまるまる。コルセットで背中を伸ばすとそれが防げるというのだ。なるほど、本当にそうだ。これからコルセットのお世話にならなくては。

専門家と繋がれると安心できる。そして、ついに、今日地域とも繋がれた。ほっとした。

高齢者の状態はなかなか読めない。本人もかなり本気でいつもの生活に戻ろうと思っているけれど、ちょっとしたことで振出しに戻ってしまう。

母は施設にはどうしても入りたくないのだ。それは知っていた。知っていて母を受け入れたのだ。3人の人を介護してきた人だ。介護がどれほど大変なのかを最も知っているのは母なのだ。だからこそ母とは約束もした。

すると、タイミングよく、これから先、国は高齢者が自宅で最後まで暮らせるようなサポートをしていくと地域包括センターの方がおっしゃっていた。どこまで行けるか分からないけれど、まあ、気丈な母のことだ、きっと良くなるのだろう。沢山の人の手を借りて何とか進んでいけるだろう。

それにしても、たった3本の棒がこれほど役に立つとは、これはアイディア商品だ。これから、もっともっと介護に詳しくなりそうだ笑。


※最後までお読みいただきありがとうございました。


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