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【書くこと&話すこと】文章投稿&音声配信、この2つで人は変化する

こんにちは。皆さまお元気ですか?

先日、翻訳者さんのみ・カミーさんの記事で、今、翻訳の世界が大きく変わろうとしていることを知りました。

世界中で人の動きが止まったこの時期、スタイルの異なる産業系翻訳と映画字幕の二種類の翻訳が徐々に近づきつつある、というのです。

その文章を読んだ時、私が近頃感じているnoteとスタエフの違いとどこか似ていると思ったのです。

ですから、ここから少し、noteと音声配信のお話を。


音声配信という世界

昨年の3月、noteに書いたものを音にしようと音声配信stand.fm(ここからスタエフ)をはじめました。

が、この2つ、似ていそうで違ったのです。たとえるなら、テレビの世界舞台の世界ほどの違い。

最も違うのが、配信者さんたちの距離感。

そもそも、音声配信では、コラボ収録や、Liveができます。やってみると分かるのですが、スタエフでの対談は電話で話す以上に近く、集中もします。

それは、耳だけをたよりに相手の話しをキャッチして投げ返す、その繰り返しの中で、この会話はもうすぐ配信されるという意識が常にあるから。だからこそ、体中のセンサーを発動して情報を拾いに行くのです。

そんなところが、スタエフはとてもリアルに近いSNSだと思えるのです。


音声とテキストの違い

と同時に、テキストと音声とでは、受け手の感じるポイントは全く違います。

私はnoteで「女性の働き方や生き方」について書いていますが、それをスタエフにそのまま持ち込んでもダメなのです。テキストを音に変えただけでは、テーマは色褪せてしまいます。

それは、きっと、声を聞く時、人が多くの情報をキャッチしているから。

話す速度、抑揚、声の大小、強弱、明暗、間のとり方や、背景の音、さらには、今日は疲れ気味?そんな微妙な変化まで感じ取れるのが音声配信。

同じSNSでも、入れ物が違うのです。

文字を忠実に訳す産業翻訳、そして、限られた文字数で会話を言葉に置き換える映像翻訳。noteとスタエフは、それと同じほど異なるSNSです。


noteで知ったこと

ただ、この2つのプラットホームで発信をしたことで、私は変化しました。しかも、それは嬉しい変化です。

noteへやってきた当初、私は研究や自分で調べた内容について書きたかった。でも、それが出来なかったのです。

リアルな世界で書く文章と、noteとでは、同じパソコンに向かっていても、何かが大きく違ったのです。

リアルな世界での対象者は、その情報をベースに持つ人。けれど、noteの世界はもっとずっと広くて深かった。そのことに気づいた時、私には、「情報を持つだけの人」という自分の姿がみえてきました。

誰に、何を伝えたいのか、そんなことも見つけられないまま突っ立っている自分。そう、その頃、私が手にした情報は自分に貼りついたままでした。

それが、やがて「情報を持つだけの人」「伝えるべきポイントを持つ人」へと変化していきました。

本当に小さな気づきでしたが、noteにやってこなければ、それは永遠に気づけなかったと思うのです。



スタエフで知ったこと

ところが、スタエフで、私は次の壁と向き合うことになりました。そう、スタエフでは、「伝えるべきポイントを持つ人」では何かが足りないのです。

なぜって、音声配信では、人は様々な情報を受け取っています。「伝えるべきポイントを持つ人」のみでは、音声配信の機能は半分も使えていません。

それが自分の考えなのか、引用したものなのかという点が重要だと思っていた私は、戸惑い続けます。

そんな私が、今朝、作家の山崎ナオコーラさんが綴られた、映画をテーマにした連載エッセイを偶然目にして、まさに同じ思いを抱かれた作家さんの存在を知ります。


その記事の中で、山崎ナオコーラさんは、こんなことを書かれています。

エッセイは、決まった文字数の中で、最大限の面白いテキストを起こす…それが仕事だと思っていた。
求められているのは自分ではなく、テーマなのだから、自分を出し過ぎることは記事を悪くするテーマに沿ったことを書いたりしゃべったりしなければならない、とわきまえる必要性も勝手に感じ取り、自分を抑えていた…

と。

これは、私がここ数ヶ月、スタエフで探し続けていた内容と実によく似ています。

私もまた、話すテーマに自分の色を添えることに大きなためらいがありました。なるべく忠実にそれを伝えたい、そんな気持ちから抜け出せなかったのです。

伝えたいテーマに私なりの色を添えてみようと思えたのはつい最近の事。

判断するのは聞き手側に託せばいい、ようやくそう思えるようになってきたのです。

なぜって、それこそが音声配信だから。言葉を発するだけで、より多くの情報が同時に運ばれて行く、それが音声配信の魅力です。


おわりに

もちろん、私の考え続けてきたnoteやスタエフの様子が、産業翻訳と映画の字幕の変化とは簡単に比べられないことは知っています。

それでも、テキストには繰り返し読み検証できる、そんな特徴があります。ところが音声は流れていきます。文字と音声とでは、質が異なるのです。

音声配信で、テーマに自分らしい色を添えることを避けたい思いが強すぎたなら、伝える力は削がれていきます。

けれど、この2つのSNSは決して別物でもありません。noteで学習したことは、いずれスタエフに活かされ、スタエフで学習したことは、いずれnoteに影響を与えます。

2つのSNSのスタイルは違いつつも、別物ではない。ですから、その2つが交わる時、どちらも伝える力を磨く強力なツールへと育っていくのです。

今はそんなことを感じています。






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