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最低賃金から何が見える?

日本の最低賃金が昨夜発表されました。全国平均時給1054円です。


わたしは昨日、丸の内で働く女性とランチをご一緒してきました。ですので、その最低賃金のニュースが気になりました。

外は溶けてしまいそうなほどの暑さで、わたしは拭いても汗が止まらず困っていたのですが、待ち合わせしていたその方は、長袖姿に上着を着て、ストールを首に巻かれて店内に入ってこられました。

実は、先日、NHKの「あさイチ」という番組で、非正規で働く女性の話がでたそうで、その話を知人とした際、非正規で働く方を紹介して頂き、昼休みの40分ほど、お話を聞かせて頂いたのでした。匿名でブログに書くことをご本人に了解をいただきましたので少しご紹介させてくださいね。

その方は、もう20年近く、大企業でフルタイムで働かれていますが、雇用形態は非正規で、よほどのことがない限り、正規雇用にはなれないそうです。

お仕事の内容は、正社員とほぼ同じだそうです。お聞きしたところ、その方は高学歴で、専門的な知識をお持ちです。

ところが、正社員と非正規の間には恐ろしいほどの溝があり、まともに会話さえできないとおっしゃるのです。朝、職場で、挨拶をしても、挨拶を返してもらえないとおっしゃるのです。しかも、それが同性間で起こっているというのです。


わたしは、ハイキャリアではない女性の働き方が変わらなくては、この国は大変なことになると思っています。なぜなら、日本の労働市場では、そうした女性の方がマジョリティだからです。

日本の非正規には大きく2つ、気になる所があります。


一つが、同じ仕事をしていても、雇用形態で優劣をつける点です。たとえば、会議にだけ出られないなどです。

今は人手不足で変化がでてきてはいますが、社員から非正規になった場合、もう社員になれないという仕組みが日本の会社にはありました。こうしたシステムが、社員を非正規より優位な立場にします。ひいては、正規と非正規に、見えない壁や格差を作りだします。


もう一つが、ビジネスパーソンであれば毎年昇給がありますが、非正規の場合、多くの女性が、賃金が上がらないまま働き続けています。

昨日お話しをお聞きした方の勤め先は、大手で、賃金も最低賃金ではありませんが、中には、何年も最低賃金で働き続けている人もいます。

最低賃金は、国によってルールが違います。

たとえばイギリスなどでは、未成年と成人では最低賃金に開きがあります。さらに、日本の最低賃金は約7.5米ドルで、先進国の最低賃金の多くが10米ドル以上です。

日本の最低賃金は、極端に低いのです。


という状況であるにもかかわらず、日本では、長年働く非正規女性や、パート女性の時給が、社会に出たことのない学生のアルバイトと同列に扱われるケースが少なくありません。


話している間に、彼女がなぜ長袖姿なのか、わかるような気がしてきました。その方は、少しのミスで騒がれることがあり、そんな日が続くと、アトピー性皮膚炎が酷くなるとおっしゃるのです。

その方から、先ほどお礼のメールが届きました。

お礼が言いたいのはわたしの方です。けれど、その方のメールには、もう若くはない親に心配をかけたくないし、同じように非正規で働き続けている人も辞めていくので、自分の気持ちを誰かと話すことが殆どないと書かれていました。転職活動もしたことがあるけれど、もうあきらめていると書かれています。

こうした問題は、その人だけの問題ではないと思っています。

自分を責めてしまうことが癖になってしまっているけれど、もしかしたら、問題は社会の側にあるかもしれない、そんなことを考えてみる必要があると思っています。


※最後までお読みいただきありがとうございました。



※昨夜、通知が届きました。いつもお読みいただきありがとうございます。


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