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儒教を単純化しすぎてたなぁ、と気づいた日


遠い昔、海外で暮らしていた時、韓国の人たちと仲が良かった。いまではもう連絡を取るすべもないけれど、考え方や感じ方が近かった。そんな中で子育てを通して知り合った彼女たちと、色々な話をした。

当時、韓国の女性たちは、わたしより2世代前の人たちの様な、とても窮屈な社会にいるんだなということを幾度も感じることがあった。とにかく、彼女たちは家族を大切にしていた。中でも親は特別で、ちょっと無理しすぎてない?と思うほど、親や親せきに毎月のようにプレゼントを送っていた。

だから儒教が気になった。わたしは古い家育ちだ。実家には韓国の女性たちと似たような考えが刷り込まれていて、誰がなんと言ったって絶対的に、女より男が偉く、男兄弟より父が偉く、母より男兄弟が偉かった。

親や目上の人に文句を言うのは生意気なことだった。そんな古臭い家で育ったわたしが、韓国の女性たちと息が合うのは当然だったのかもしれない。

わたしは儒教が苦手だ。儒教には、目上の人に逆らえない強さがある。家の中全員に沁み込んだ考えは、動かしにくい。いや、動かせない。

そんな教えが浸透していれば、国は平和になるし、家はまとまるし、いいことづくめだ。けれど、生憎わたしは女で、しかも長女でもなく、何の権利もない立ち位置に生まれ落ちた身。だからわたしは、ピラミッド形をした儒教が嫌だった。抗えない恐ろしい教えだとも思っていた。

ところが、近頃、ちょっと儒教を単純化しすぎていたかもしれないと思うようになった。人と触れ合ってそれを感じている。

夏ぐらいから、クラウドファンディングの立ち上げを目指して人に会い始め、今に至る。その間、わたしは信じられないような親切を山ほど受けてきた。どうしてここまでしてくださるのだろうと思うほど、親切な人が沢山いる。

もうクラファンはいいかな、と思うと、誰かが声を掛けてくれた。もう駄目だと思うと、わたしの知らないところで誰かがわたしを励ましていくれていた。こんなことが起こるなんて、まだ誰にも会っていなかったあの夏のわたしは想像さえしていなかった。

ご支援をお願いした際、幾度も罵声を浴びせられた。そんなことへっちゃらだと思っていたのに体調がおもわしくなくなり、わたしはやっぱり弱い奴なんだと嫌になった。そうしたら、こんなレターが届いた。

成田さんが、三流は無視され、二流は称賛され、一流は罵倒されるとおっしゃっていたので、umiさん大丈夫ですから

Stand.fmの配信者さんから届いたメッセージ

と。驚いた。罵倒されるのは二流じゃないの?と慌ててググってみると、本当だ、成田悠輔氏の言葉がネットに出ていた。そうか、罵倒されるのはちゃんとしているってことなんだと慰められた。

わたしは、今、わたしたちの心の底に流れている、同質なものを感じはじめている。誰かを励まそうとする人がいる。本気で誰かを力づけようとする人がいる。幾度も罵倒されたわたしは、そんな言葉たちにどんどん元気をいただいた。

今夜はツクシさんに送って頂いた言葉を、umi個人のイメージとして使ってくださいと言って頂いた。

ともしびから未来を照らす

これは、空海の消えずの火をイメージして書いて下さった言葉だ。わたしのumiは空海から頂いている。

こんなことが今起こっている。だからわたしは気付いたのだ。わたしやわたしたちの体の中に今も流れている儒教は悪くないのかもしれないと。孔子は、

己に克ちて礼に復れば天下仁に帰す

という。強い意志をもって私利私欲に走らず、礼儀をつくす、とでもいうのだろうか。

人に助けられて感じるようになった。思いやり深い人がどれほど多いかという事を。誰かのために進んで何かをしようとする人がこれほどいるとは、ただただ驚きだ。とにかく励ましてもらった。そして、わたしは元気になった。

論語が伝えようとするようなことを、家の中で教えられ、その生き方を実践している人にも出会えた。その人は、自分のことばかりを気にする人は仁の人ではないと教えられて育っている。仁は、多くの人に利益があるように、自身のことばかりを考えるのではなく、他人の為、社会の為になることを考える生き方だ。

ずっと儒教は厄介だと思っていた。

儒教の窮屈な考え方は今でも苦手だけれど、それでも、人としての生き方に関しては、儒教は素晴らしい。

会社を作り、人と接して、人に罵倒され、人に慰められ、人に救われた。

自己中心的な人ばかりいる社会では、こんなことは起こらない。わたしは近頃、自分が社会の一員であり、活動しながら生きるわたしは、社会のためにありたいと思うようになってきている。なぜなら、わたしの活動は決して一人ではできないから。

自分さえよければ、自分さえ助かれば、という考えでは社会はスカスカになっていく。他人を思う事は、ひるがえって我が身のためになるということだ。



※最後までお読みいただきありがとうございました。

※17日までクラウドファンディングで活動資金を集めています。ご支援いただけますと嬉しいです。よろしくお願い致します✨


※スタエフでもはなしています。

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