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クラウドファンディングは社会調査でした

「いや~世の中はなかなか変わりませんねぇ、困ったものです」という話ならどこにでも転がっている。「まったくどうしたらこの世の中、良くなるんでしょうね~」という人も多い。

けれど、そんな人の直ぐ近くの女性が立ち上がったらどうなるか、ご存知だろうか?

わたしは女性の働き方を変えようと大真面目に動き出した。物語なら、ここで話しはどんどん先に進むはずだ。だれもがおかしいと思っている世の中を変えようと思った人が動き出したのだ、物事は変わるはずだ。

けれど、世の中というものは、実につじつまが合っている。

動き出して思い知ることがある。

世の中が変わらないのは、偶然ではない。

変えなくてもいいと思っている人が、世の中には多い。

わたしは11月17日から30日間のクラファンを始めている。目的はハイキャリアではない女性が自分たちの働き方を変えようと動き出したことを多くの人に知ってもらうことと活動資金集め。

そこで、わたしは毎日のように、知人や友達にこのクラファンの目的を伝えようと連絡をしている。こんなこと嫌だけれど、それをするのがクラファンの王道だという。修行のような日々でもある。

そこで、これまで連絡をした方々から3種類の対応をされてきた。

◆一つはスルー。寄付文化のない日本では仕方ない。

◆もう一つは傾聴。一体そのクラファンであなたはどんなことがしたいの?と質問してくださる。

◆そしてもう一つは、怒り出す人。

そこで、反応のあった人たちについて考えてみると、面白い発見がある。

わたしは社会学が専門でインタビューもアンケートもしてきた。だからこそ、クラファンは社会調査だったと感じている。

世の中に疑問を持っている人は、人の話を聞いてくれる、彼らは時代の変化に柔軟に対応できる人なのだろう。

けれど、世の中に疑問を持ちながらも、それは仕方のないことと思い込んでいる人も少なくない。そんな人にはだいたいイライラされる。

最初は態度が豹変する意味がわからなかったけれど、昨夜その意味が分かった。

世の中は変わればいいとは思うけれど、変わるはずがない、変わったとしてもそうは変わらないと思う人。そういう人たちは意外と手厳しい。社会の上層部が社会を変える人だと信じ込んでいる。あなたなどになにができるのとイライラされる。

クラファンは社会調査だった。

女性の働き方が変わらないのは、男性のせいだけではない。わたしに向かってイライラと大声を上げるのは女性だ。この国の女性の働き方を変えたくない人はおじさんと呼ばれている人だと誰もが思いがちだけれど、現実はそれほど単純ではないのかもしれない。

当たり前を妄信する人をわたしは世間と呼ぶ。その世間とは、つい最近までどこか遠く、顔もぼんやりとしていたけれど、それがわたしの周りにいた。その当たり前に顔が付くと、男性の中に沢山の女性の顔が見えてくる。

なじられて、笑われて、ようやくわたしは自分がいったい何に向かって進もうとしているのか分かってきた。世間に顔が付いてきた。

その世間は、わたしが口を開こうとする前に、「わたしは知っているわ、あなたに教えて貰わなくたって知っています」と言う。

実は、わたしはその世間で答えが見つからず、大学で学び直し、研究をした。世間には、わたしの探していた答えが無かった。その世間は、わたしがまだ何も知らなかった頃、わたしの不満を、甘えていると握りつぶし、わたしの不安を、そんなこと当たり前でしょう笑った。

女性の働き方を変えようとしないのはおじ様方だなんて決めつけては気の毒だ。ここに性差はないのかもしれない。問題なのは考え方だ。わたしはすべてを知っている、そう思う人は強い。知らないことを知らない、ということに気づくまで人は最強だ。

クラファンは社会調査だった。


けれど、待てよと思うのだ。

なぜそれほどイライラするのだろう?

そのイライラはもしや希望なのかもしれない。

得体のしれない苛立ち、いまさらそんなものに向き合いたくない気持ち、そんなものが彼女たちをイライラさせたのかもしれない。

クラファンは実に痛いことの連続だけれど、嬉しいこともまた多い。そしてたくさんの人と繋がることができた。

わたしの視野を一気に広げてくれた。

これは、実に貴重な社会調査でもあると思う。


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