それもこれも、きっと良いこと

立ち直りが恐ろしく早いと言われることがある。

確かにそうだと思う。

まあ、よほどのことがない限り、わたしはスッキリ立ち直れる。

物事は全て受け止め方次第、と思っているからかもしれない。

先日も親しくしている人にそんなことを言われた。その方は、3年必死で働いて、ようやくマネージャーになって、これからという時に、異動になったという。

恐ろしく大変な3年で、耐えて耐えて、ようやく環境が整って、今度こそもっとやりたいことをしていこうと思っていた矢先の異動だという。これでは、振出しに戻ったようだとおっしゃっていた。

その3年には、恐ろしく分厚いストーリーがあって、お聞きしているだけで、体を壊さなくてよかったですね、と口にしたくなるほどだった。

わたしも人生で、さあ、これから！という時に、上手くいかなかったことがある。実に順調だったことが、とん挫したことがあった。

もちろん、その時には失望したし、なかなか受け入れられなかった。ここに費やした自分の時間って、いったいなんだったのだろうと思うと、やりきれなかった。

それでも、わたしはいつだって立ち上がって動いて来た。

なにしろ、わたしは立ち直りが早い。すると、だんだんと分かってくる。あゝ、わたしはあそこじゃ駄目だったんだということがわかってくる。あれほど欲しかったあの場所が違ったんだというのがはっきりとわかる時がある。

それが分かるのは、直ぐの時もあるけれど、10年後のこともある。

だから、わたしは流れに身を任す方がいいと思っている。

なぜなら、今ある自分は、過去の自分の積み重ねだと思っているから。だから、それが急に失われる時には、慌てなくてもいい。ちゃんと生きてきたと胸を張れるのなら、自分の運命はそれほど悪い方には向かっていないと信じられる。

自分では決められないことで、人生が決まることもあるけれど、それすら、昨日までの自分の生きた積み重ねが、方向付けに多少の影響を与えるのだと思っている。

手に入るはずだったものが、スルリと手のひらからこぼれた時は、きっと、それじゃないのだ。

そして、わたしが最も大切だと思っているのは、こんな時に動けなくなること。それは実にもったいない。それじゃ、本当の運命の答え合わせが出来ないと思う。動かなきゃ、答えは永遠に分からない。

もう一度立ち上がって、前を向いて歩きだしたなら、自分が欲しかったものよりも、もっと素晴らしいものが手に入るってことがある。

そりゃ立ち直り早いはずだわ、と笑われそうだけれど、わたしはそんなことを考えながら生きている。

※最後までお読みいただきありがとうございました。