【WBC】ムードメーカーの役割!
今日は第5回WBCの想い出を記しておきたい!
日本では二人に一人が観ていたというこの大会。ディフェンディングチャンピオンのアメリカに、2023年3月22日勝った!しかもアメリカで!
それは記念すべき勝利だった。
こんなことってあるのだろうか。まるで大谷翔平選手の独り舞台のようにみえて当然の、最初から最後まで大谷選手のための大会のような流れがあった。
それなのに、なぜか彼の目に、微笑みに、雄たけびに、わたしは微塵の嫌みも感じなかった。それより回を重ねるごとに大谷選手にどんどん魅せられ引き寄せられていった。
ああ、これがスターなのか、と惚れ惚れとした。
大谷選手は決して近くを見ていない。
彼は遠くを見ている人なのだ。
BBC SPORTによれば、日本は2006年と2009年に優勝している。
だから今回で3回目の優勝。
その決勝の最終打席でメジャーリーグを代表する2人の選手の対決があった。
大谷は2021年にMLB史上初めて投手と打者の両方でオールスターゲームに選ばれている。打者のマイク・トラウト選手は、2019年にスポーツ界で最も高額な12年延長の契約にサインをしている。
その二人の対決がこの2023年の大会をさらに盛り上げた。
遠い昔、野球少年を息子に持つママ友が、「そりゃサッカーは華やかよ。でも野球はああ見えてものすご~く頭を使うスポーツなの。ただ打って投げるだけじゃないの。実に深いスポーツなのよ!」を繰り返しいわれていた。
この大会で、わたしの仕事は考えて準備をすることとおっしゃった栗山監督の言葉で、あの頃のママ友のことを思い出した。
3月11日に被災した佐々木投手が投げた。そして準決勝の9回裏、代走者が大谷を追い抜きそうな勢いで走ってきた。色々な場面に既に監督の配慮があった。
選手の人生を丸ごと引き受ける準備をされていた、その全てが今回の野球に繋がっていた。
スポーツ馬鹿なんて言葉がある。
けれど、いやいやどうして。スポーツで一流になる人の力は計り知れない。
スポーツは人生の縮図のようなもの。
若い時にスポーツをすることの良さはきっとそこにある。
悔しい時に自分より結果を出した相手を褒めたたえる辛い経験をしなきゃいけない。自分はこれほど頑張ってきたというのにポカミスをされて足を引っ張る仲間を支えて受け入れなきゃならない。そんな、苦しい経験を小さな子どもたちが繰り返ししていく。まるで修行だ。
けれど、それがやがて人生に効いてくる。
若い時にスポーツに触れることで、人は早い段階で人生に必要なものを知る。急いで一人で先に行ったって意外にもつまらない。一緒に誰かと進んでいく。たったそれだけなのに、それが恐ろしく楽しかったり、嬉しかったりする。だからこそ譲れるし、待てる。
根性とか、上に逆らえないとか、軍国主義の名残のような監督も今、ようやく淘汰されつつある。時代がそんな監督を創り出すなんていわれるけれど、きっとそうじゃない。それはその人の資質なのだ。
どんな時代にも人を大切にする監督はちゃんといる。
そして、そんな人に巡り会えた人は幸せだ。
さらに、栗山監督が選手の未来を決して潰さない人だというのは誰もが感じはじめていた。信じる、これほど強い言葉はない。あの人が信じてくれている、それだけで人は救われる。
その監督は、その人を信じた時、既にすべてを引き受けている。だから揺るがない。たとえ駄目でもそれはそれで受け入れている。だから揺るがない。
だからこそ誰もがその監督の思いに応えずにはいられなくなる。
信頼できる監督の下で一つになれるのは最高だ。
もう一度同じ経験は出来ない。
それは二度とできない。
同じ巡り合わせは二度とない。
誰もがそれを分かっている。
そこがなんとも味わい深い。
そこがなんとも切ない。
その監督が一番大切にしていたのは恐らく誰もが力を発揮できるための環境整備だったのだろう。それほど大きな大会だったのだ。
そしてあのいかついダルビッシュ投手がこれほど皆を包み込める大らかな選手だとは知らなかった。どんな時にも柔らかい微笑みを浮かべていた彼の姿が今も忘れられない。
ムードメーカーが沢山いるチームだった。
いや、誰もがムードメーカーだったのかもしれない。
職場でもそう。
結果だけを求める人たちの集団はヒリヒリとした空気を生み出す。
その緊張は確実に誰かに伝染する。そしてそれがまた伝染していく。
全体が固く重く沈んでいくのは時間の問題だ。
だからムードーメーカーを喜んで迎えるリーダーは多くの経験を積んだ人なのだろう。
場を和ませる彼らこそが、大切な時に人に自信を持たせ、その自信を伝染させていく人たち。
そう、彼ら一人一人が全体の勝利を引き寄せる人たちだったのだ。
あの大活躍の大谷選手もその大勢の中の一人だった。
そこがよかった。
徹底してそうだった。
人生にムードメーカーは必要だ。
※最後までお読みいただきありがとうございました。
※スタエフでもお話ししています。
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