【介護】高齢者と心の安定
介護がはじまると、先の見えない未来に誰だって不安になる。そんなものだと思う。
旅行で数日家を空けていたわたしは、昨日久しぶりに母の痛む方の足のマッサージをした。
すると母の背中と太ももや、ふくらはぎが、なんだかがっしりしている。太ったのかな?と思ったのだけれどそうでもない。
聞くと、セルフトレーニングをしていたという。わたしが留守の間、腹筋やストレッチなどをやっていたのだ。なるほど、新しい筋肉だったのだ。
それにしても高齢者と心の安定は相関が高い。
以前、生きる希望を失っていた頃の母は、自ら進んで何かをすることなどなかった。
ところが今は、食事に気を付けて、庭の手入れや、家の中の仕事をする。そこへ運動も加わった。
母は歩けなくなることが怖いのだ。だから太らないよう気を付けるし、どんなに足が痛くても、病院で頂く鎮痛剤をのみながらも、よほど天気の悪い日以外はよく動く。
今日は母の持病の心臓を診てもらうため循環器の通院の日だった。午後から出かけて、帰ったのはほぼ夜。この付き添いが楽なようで意外にも大変だ。
その悩ましい通院が、以前は毎月きっちり一度だったけれど、少し前から3か月に1回になった。ありがたい。他の用で病院へ行くことはあっても、それでも病院が我が家からだいぶ遠くなった。薬も90日分いただける。次回は9月だ!
人は心が安定すると元気になる。この暑い中、ほとんど外には出られないけれど、それでも母には小さな楽しみが幾つもある。
先週は庭に植えたブルーベリーの実をもう少しだけ熟すまでとまっていたら小鳥に持っていかれたらしい。
「鳥って目がいいんだね~」
と驚くわたしに、
「家の前に電線があるからね。あそこから見てるのよ」
と鳥の世界のことまで詳しい。
毎週のように病院へ通っていた3年前、母は病弱だった。かといってその時どこか悪かったというわけではない。通院時にまめに検査があっただけのこと。今の病院だって大きな病院だけれど、今は検査なんて滅多にない。恐らく担当の先生のお考えなのだ。
人の心はちょっとしたことで変化する。
もちろん希望はあった方がいい。毎日お化粧をして、上下の服の配色などを気にする母。そんなことが高齢者にはとても重要なのだろう。
介護がはじまった頃、わたしは母につきっきりで、どこにも行けず、誰にも会えなかった。
こんなふうに楽になる日が来るとは思ってもいなかった。これから色々なことがあるのかもしれない。それでも今は自分で意欲的に生きようとしている母に感謝だ。
※最後までお読みいただきありがとうございました。
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