書くこと

書きたいことが湧いてくる時、
まさに「筆が止まらない」状態になる。

その状態を、わたしは知っている。

なのに。

しばらくの間、
長い間、
書けなかった。

書こうとしなかった。
書きたいと思わなかった。

ずっと、書けないでいた。

書く、とは?
書きたいこと、とは何だったのか?

突然、空っぽだな、と感じた。
空っぽだから、書くことがない、と。

自分の中身が突然空っぽになったのかと思った。

実際には、
空っぽでもないのに、
「ないもの」にばかり目を向けていたようだ。

「自分には、何もない」と。

自分の中で考えていること、
思ったこと、
感じたことを

思ったままに、
感じたままに、
言葉にすれば良かったんだ。

頭の中で考えているだけでは
モヤモヤとしていて、
だんだんカタチがなくなって、
やがて消えていってしまうから。

わたしの思いをカタチにするための、言葉。

その言葉をカタチにする方法として、
わたしは、文字にして、書く。

喋るのではダメだった。
口からは出てこない、
わたしの中に潜む言葉たちが、
筆先では、踊る。
解き放たれたように、踊る。

書くことは、
思いを表現する方法として、
わたしに合っていた。
だから、書き始めたんだよな。

思いを言葉にして、
言葉を文字として書いて、
その文字を目で読んで、
改めてわたしの思いを知る。

あの時に綴った文字たちを読んで、
ああ、あの時はこんな風に考えていたんだなぁ、
と、
あの時の思いを振り返り、
今のわたしと対比させることがある。
共感して再び涙することもあるし、
思いが変わったなぁと感じることもある。

思いをカタチにしておいて良かった。
そう思う時がたくさんある。

わたしという1人の人から発せられる思いは、
ひとつだけではなくて、
絶えず生成されてて、
色もカタチも毎回違ってて、
今この瞬間の思いは今しかなくて、
でも全部をカタチにすることは出来ないから。

ずっと書いてるわけにはいかない。
だから、書きたい時に書こう。
それでいい。

誰のためでもない。
わたしのために書くのだから。

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