『青いハル』
私たちが出会って何年か経った。
互いを想いながら、でも近づくことはなく。この何年かで、周りの環境は変わったけれど、2人の関係性は変わらないとぼんやり思っていた。今思うと幻想だったと思う。
幻想から冷めると、同じように思えてた1年でも本当は螺旋階段のように、
上にぐるぐるぐるぐる回りながら登っていって、
歳を重ねるごとに、階段を上るごとに少しずつズレていっていた。
そして、気が付いたら追いつかないくらい距離ができていたのかもしれない。少しずつ、でも確実にお互い変わっていったのかもしれない。
変わったものが何かというと、多分貴方は「大人」になってしまったんだと思う。
大人になってしまったというと語弊があるかな。出会った頃も大人だったけど、貴方はまだ『青』くて真っ直ぐだった。
そういう意味で大人になったと思う。
私は青い貴方のことが大好きだった。
でも、お互い『青い』ままでは、一緒に居れない。ふたりの未来はないことも、どこかで分かっていた。
どちらかと言うと私はまだ青みが残っているからたまに寂しくなるのかもしれない。
当時が恋しくなるのかもしれない
でも綺麗事ばかり言ってられなくて、そのままの2人では上手くいかなくなることも、好きの気持ちだけでは越えられないものがあることも互いに分かっていたと思う。
今は時間が経ってお互い大人になりました。
貴方はすっかり幻想から覚めて、大人になってしまったようです。
ー『幻想』青いハルー
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