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師、あらわる。

ようやくケアプラン作成実習が終わりました。
ほんとうに終わったのか? は、まだわかりません。いくつかのチェック項目を再確認して、提出日に再提出ということにならないように、見直ししていきます。が、いまはとりあえず、ホッとしています。

ケアマネージャーさんに、ケアプラン作成実習の利用者さんを紹介していただきました。
看護師のときにはペーパーペイシェントと言って、紙に印刷された患者さんの情報をもとにアセスメントをし、看護計画をたててきたわたしたちですが、ケアマネージャーの実務者研修のなかでは、実際に存在する利用者さんのところへ行って情報収集し、アセスメントをしてケアプランを立てる、という実習を行います。

これから介護保険を導入するひとではなく、もうすでに介護保険のサービスが展開されているひとなのです。

今行われているサービスも知って、それ以上になにをどうアセスメントしていいものやらさっぱりわかりませんでした。

それに、対象は以前から知っているひと。
そして、暮らしに対して、人生に対して、やる気がない、意欲のないひとだったのです。

ケアマネの講義を受けていて、ケアマネはコーチングスキルも必要だなぁと感じていたので、コーチングをしなければ意欲は湧いてこない、ということばかり考えてしまっていたのです。

そして、ひさしぶりのケアマネの講義のなかで、ある講師の講義で雷にうたれたような感覚になりました。

「基礎資格によって、視点が偏るんです。それはしかたがないんです。でも、だからこうやってみんなでグループワークをしてるんです。グループワークのなかで出た意見で、じぶんにない視点は赤で書いておいてください。」

そうだ! 今のじぶんにない視点を求めてケアマネの勉強をはじめたんだった!

グループワークで話をしていても、正直なところ、「そうか! それは思いつかなかった!」という意見を聞いて、「おもしろいなぁ」で終わっていました。

じぶんにない視点を得て、おもしろいなで終わらせていてはもったいない。それに気づいていなかったのです。

そういう《 ケアマネジメントに必要な知識 》とは別のところで刺激を受けたわたしは、事例について相談してみました。
すると、

なんで意欲がなくなったんだろうね? 病気かな?
できることサービスに入れてるんじゃない?
人間はやってもらえるとなると、楽な方になびいちゃうからさ。

ああ、そうか。
意欲がない、やる気がないのは、気質だし性格だとおもっていました。・・・というより、これまでの関係性などからも、そういうひとなのだ、と決めつけていました。

そして、これ以上になにができるんだろう、といろいろな手を考えてはみたものの、社会資源の限界に行き詰まっていたところでした。

これがあればできるのに、あれがあればできるのに、と必要な社会資源を考えていくこともケアマネの大切な仕事のひとつではあります。(と講義で教わりました。)

だけど、現状をもう一度アセスメントし直すこと、今ある社会資源でできることをていねいに見直していくことで、そのひとのほんとうのすがたがくっきりしてくるのです。

右手が使えて、きれいな字が書ける。端座位でもしっかり保つことができる。いすがあれば座って米も研げるし、レンジでチンだってできるんです。

だけどフルに介護サービスが入っていることで、それが絶対に必要なのだ、と思い込んでいました。

初心に戻って(ケアマネはそもそも、初心者ではあるのですが)一からていねいにアセスメントしていくことの大切さを、事例検討と、その講師のアドバイスで学ぶことができたのです。

社会に出ると、師を探すことって意外と、むずかしい気がします。

大きな組織にいれば、探しやすい。
完全にこのひとみたいになりたい、というようなひとにめぐりあうことはむずかしくても、この先輩の洗髪は最高だ、とか、この先輩の先生とのやりとりや指示受けの切り返し方とかすごい、とかそういうのはすごく勉強になる。

一方、在宅や施設の分野は組織自体が小さい。
その分、それぞれが学びを深めていないかぎり、学びたいとおもえるひとに出会うのはむずかしいのです。

ケアマネの研修を受けて、このアドバイスをくださった方ともうお一方、ぜひまたお会いしたい、そしてスーパーバイズしてほしい! 学びたい! とおもえる方に出会えました。

困難を解決していく力のひとつは、視点があるとおもうのです。
ある視点から解決を試みてもどうにも解決方法が見つからないとき、別の視点を取り入れるとすっと糸口が見えてくることもある。

そんな視点をいくつももつひとになりたい、とおもうのです。

福祉の世界は踏み入れたばかり。
組織を超えて、分野を超えて、師とおもえるひとに会いに行こうとおもいます。

いつもありがとうございます! いただいたお気持ちをパワーに変えて、どんどんまわしていきます!