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工事担任者(総合通信)受かった

 工事担任者(総合通信)受かりました。
 前回、基礎のみの合格だったので今回でようやく蹴りをつけました。専攻外の分野だったので終始「?」な状態での合格でしたが、PBXだとかFAXだとかLANだとかそこそこためになる知識が得られたのでよしとします。
 せっかくnoteを始めたので対策や統計情報なんかのまとめをちょこっとだけ記録しておきます。

工事担任者とは

 電気通信事業法において次のような定めがあります。

(工事担任者による工事の実施及び監督)
第七十一条 利用者は、端末設備又は自営電気通信設備を接続するときは、工事担任者資格者証の交付を受けている者(以下「工事担任者」という。)に、当該工事担任者資格者証の種類に応じ、これに係る工事を行わせ、又は実地に監督させなければならない。ただし、総務省令で定める場合は、この限りでない。
 略
(工事担任者資格者証)
第七十二条 工事担任者資格者証の種類及び工事担任者が行い、又は監督することができる端末設備若しくは自営電気通信設備の接続に係る工事の範囲は、総務省令で定める。
 略
(工事担任者試験)
第七十三条 工事担任者試験は、端末設備及び自営電気通信設備の接続に関して必要な知識及び技能について行う。
 略

電気通信事業法より抜粋(一部略)

 上記定めより、端末設備又は自営電気通信設備を接続するときは、工事担任者資格者証の交付を受けている者が工事または監督を行うこと、工事担任者資格者証の交付を受けている者を工事担任者と呼称することがわかります。
 一般に工事といえば、建設工事といったインフラ整備を指すかと思いますが、この資格における工事とは電気通信に関する工事を指します。こういった一般常識との乖離のためか、試験を実施する協会では「電気通信の」や「電気通信設備工事の技術者」といった枕詞を意図的に用いているように感じます。

 さて、この工事担任者ですが、工事または監督のできる範囲ごとに5つの区分があります(2021年12月21日現在)。
 区分と対応する工事または監督のできる範囲を以下の表に示します。

5つの区分と対応する工事または監督のできる範囲

 会社で取り決めが~だとか、工業高校生でジュニアマイスターの点数が~といった事情がなければ、総合通信はすべての工事が包含されているので是非とも総合通信から受験してみることをおすすめします。
 電気系の資格にありがちですが、この資格も科目合格という制度があります。出題される3科目のうち、いずれかが合格基準(6割正答)を満たせば、その科目は次回の試験では受けなくてよいのです。この科目合格は、科目合格した試験の行われた月の翌月の初めから起算して原則3年以内は有効となります。
 よって、この試験は年に2回行われるので、6回受験するまでに全部の科目を合格すれば、工事担任者を名乗れるということになります。(ぬるゲー)
 また、後述しますが、最上位の総合通信と、その下位にあたる第1級アナログ通信第1級デジタル通信の合格率が大差ない状況なので、それならば総合通信を取ってしまった方がお得なのかなと個人的には思います。もちろん、試しに受けてみて種類を変えてみるというのも賢明だと思います。

受験者層

 さて、下図は工事担任者試験の業種別申請者数の直近2回分の推移を示しています。

工事担任者試験 業種別申請者数の推移(直近2回分)

 これを踏まえると、電気系の従事者がほとんどを占めていることがわかります。
 また、令和3年度-第1回と令和3年度-第2回を比べると、高等学校に所属している所属申請者が激減しているのがわかります。これは、第2級アナログ通信第2級デジタル通信の受験がCBT(Computer Based Testing、いわゆるコンピュータで受けられる試験方式。本試験では指定会場のコンピュータから受験する定めがある)へ移行したからだと思います。
 このことから、第2級アナログ通信第2級デジタル通信は高校生が多く受験している区分だと推測できます。
 当方が受験した会場は、男性がほとんどで、年齢層はけっこうまばらだった覚えがあります。(大学生がこんなにも少ないのにはビックリ)

難易度

 受験するにあたって気になるのは難易度、すなわち合格率です。
 この試験は、受験区分が5区分あり、かつ科目合格制度があるので、難易度を評価するのはなかなか難しいです。
 とりあえず、以上を踏まえて、各区分でどれくらい合格率があるのかを直近7回分まとめた表を以下に示します。

合格率の推移

 総合通信に焦点を当てれば、初めて受験する人(3科目受験者)の合格率はおおよそ13%となります。
 試験内容自体は、それまで高度だという印象はありませんでしたが、科目合格があるという心理的な余裕からか、1回で合格してしまう人は少なめです。(自分も2回目で合格しました)
 ここで注目すべきなのは、第1級アナログ通信第1級デジタル通信総合通信の合格率の比較です。
 第1級アナログ通信第1級デジタル通信の片方を受けてから科目免除を受けて……最終的に両方取って申請で総合通信を取得するという手段もあるにはあるのですが、総合通信の難易度が第1級アナログ通信第1級デジタル通信に毛が生えた程度(主観です)であれば、この手段はかえって時間がかかる可能性があります。
 正直、専攻外の分野の人間なので区分とかよく分からないし、迷うくらいならば上位種の方が…と思って受験した節があります。
 表だと見にくいので、グラフも下に示しておきます。
 なお、令和3年度-第2回の第1級アナログ通信第1級デジタル通信はCBT方式に移行したため、合格率を0%としています。ただし相当の事情があれば従来方式でも受けられる(それでも受験者は数人)ので、そこは合格率を出しています。

合格率の推移 グラフver

これいる?

 この資格が必要か否かは、各自の判断に委ねます。
 必要な人は取ればいいし、そうでない人は取っても取らなくてもいい、興味があって取りたい人は取ればいいし、そうでない人は取っても取らなくてもいい。これに尽きると思います。
 ただし、悲しい現実ですが、受験者数は年々減少しています。需要に関しては、業界の人ではないので言及は避けます。

受験者数の推移

対策と雑感

 受験対策には以下の問題集を利用しました。最新版の購入をおすすめします。全問、模範解答を見ずに解けるまでやれば十分だと思います。

 基本的に過去問の焼きなましが多く出題されるという印象でした。ただ、覚えなければいけない語句(特に英語3文字の略語的な語句)が多いので、学習時間は余裕を持っておいたほうが良いと感じます。
 法規については、以下のサイトの法規に関するページが非常に役に立ちました。条文等がうまくまとまれており、かつ要点も押さえてあります。まずこれを読んでから、上記の問題集の法規を解いてみると効率が良いかと思います。

https://aidd.wiki.fc2.com/

 あとは、試験センターのHPにアップされている過去問を直近3回もやればOKだと思います。問題集をちゃんとやった後なら大抵の問題は解けます。この段階であれば、解説とかまで深追いせず正誤だけ気にしても良いと思います。

 以上です。

補足

 本記事における統計情報は(一財)日本データ通信協会 電気通信国家試験センターの統計情報のページより作成しました。引用等の際は本記事における統計情報は引用せず、下記URL記載の一次資料から引用してください。

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