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短歌

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ウメガカが詠んだ短歌です。
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#推し短歌

うたの日の短歌(2024年2月,3月)

1月に引き続き、題詠をやりたくなった時に短歌投稿サイト「うたの日」様の歌会に参加していました。 2月と3月はあんまり投稿できなかったので、今回まとめて投稿します。よろしければ見ていってもらえると嬉しいです。   2024/02/01 題「猪」 初売りへ猪突猛進 背中には鎧のようなカイロ6枚 記念すべき2月最初の歌です。歌の内容と同じく、勢いしかありません。 「1か月遅いのでは?」というツッコミはナシでお願いします。 2024/02/02 題「二」 二二二二二二二二

短歌まとめ(2024年1月)

自選短歌5首 天井の染と対話 眦をつたう心の発露一滴 「君が好き」だけでよかったあの頃は虹も七色だけでよかった 歴代の推しが教えてくれたこと 裏切られても嫌えないこと 身長が今の半分だった頃裸眼でどんぐり拾いができた【題『橅』】 「亻が本読むためにある体かな」と彼は義手で頁をめくる【題『体』】 そのほか1月に詠んだ短歌 「ばいばー」と去る2歳児とハイタッチ 吾が掌の冷たきを知る 午前9時〜正午のみ診察をしてたじじ医がいた医院跡 鳥の檻は動物園の西寄りにあり取

短歌(虹が七色だった頃)

「君が好き」だけでよかったあの頃は虹も七色だけでよかった 「君が好き」という気持ちがあれば、自分のアイデンティティやら生活やら人生やらが全部なんとかなっていた頃は過ぎ去ってしまったね。「君が好き」だけでは、もうどうにもならないね。 それは例えるならば、虹を七色に塗っていれば正解で、お手本どおりに塗りさえいれば先生に褒めてもらえた頃のような単純さだけではもうやっていけないのに似ているよね。という気持ちで詠みました。 虹はグラデーションなので名前のつけられない中間色だってある

推し短歌【記事まとめ】

推しについて詠むのが楽しくて、思いの外たくさん記事を書いたので、インデックス用の記事を作ることにしました。 見出しの下の埋め込みリンクから、各記事に飛ぶことができます。 推し短歌(月曜日編) なぜか月曜日の歌をよく詠みます。月曜日は詩的になる日なのかもしれないです。 推し短歌(フリーズこと梅ヶ香夕吾という男編) 私のハンドルネームの由来になった、とある推しの話です。おすすめの記事です。 推し短歌(推し活したいけど促されたくはないな編) 推し活へのお気持ちを詠みま

推し短歌(触れられそうで触れられない暖かみ編)

ずぶ濡れのわたしの前に現れた明(あか)いたき火のようなあなただ 心がしんどいときに優しくしてくれた人(や推し)って、土砂降りの雨に降られた後に出会った小さなたき火みたいだなと思って詠んだ歌です。あと、どっちかというと距離感近めの推しのイメージかもしれない。 病んでるときって、優しくされてもその優しさを受け止められなかったり、自分も優しくしたいのに、どうしても優しくできなかったりすることがありますよね。小さなたき火のように燃えているあなたが優しくて暖かいから、もっともっとと手

推し短歌(行き場のない感情編)

①この世には君と僕しかいないって思った夜も電車に乗った 推し活をしている時って推しと目が合うだけで「この世には推しと私の二人っきりしかいないのでは?」などと思ってしまうことがあるのですが、それ程までにきらめいていた瞬間の後も、人生は続いてしまうものです。 非日常が終わっちゃった後は普段乗らない夜行バスから降りて、地元の電車を乗り継いで日常に帰っていきます。自分にとっては多分「(地元の)電車に乗る」というワンクッションがある意味大事なんだろうなと思っていて、異界からの帰還手続

推し短歌(近所の鯉編)

貪欲に喰らい尽くせよドブの鯉 川のすべてはお前のものだ この世で一番推せる生き物について詠みました。近所の鯉です。写真も私が撮りました。 この鯉については以前書いた、下記の記事でも触れています。 正直ちょっと怖いくらい貪欲です。こいつらネズミ程度なら食えるんじゃないか? と思うくらい口を大きく開けて、川を流れてくるものには何でも食らいついています。面白いくらいいつでも何でもよく食べるので、近所の人も毎日パンやら湿気ったスナック菓子やらを与えています。そのせいかいつも肥

推し短歌(推し活したいけど促されたくはないな編)

推し方も誰を推すかも私が決める誰の指図も受けないからね 推しがいる人生ってすごく楽しくて充実感があるので、推しはいるに越したことがないし、推し活もできればしたほうがいい。誰もが誰かを推している「推し活ブーム」の中で、推しの存在は推している側のアイデンティティにさえなっている。 けど、個人的には、推し本人ならともかく外野に「さあ推し活してください!」ってされるとなんか冷めちゃうとこあるよな、と思って詠んだ歌です。 推しに「推して♡」って言われたら「全力で推す〜〜〜!!!!!」

推し短歌(フリーズこと梅ヶ香夕吾という男編)

幾千の夢から覚めてもまた会おう忘れないからきみの本名 本名で付き合ってきた親友が夢を叶えて芸名の方で有名になり、たくさんの人にたくさんの夢を見せている。いつか、もしその夢が終わってしまったとしても、きみの人生は終わらないのだから、ここにきみの戻れる居場所を残しておくよ。 というエモい歌かと思いきや、私の推しの梅ヶ香夕吾(注:2014年にフリュー株式会社から発売された3DSゲーム『ハマトラ Look at Smoking World』に登場するキャラクター)について詠んだ歌

推し短歌(月曜日編)

①月曜の23時に丁度いい激安茶葉で淹れた2杯目 月曜の夜って、ほっと一息入れたくなりますよね。 まだ一週間始まったばかりなので多少元気。だけど、逆に言えば次の休日まで最も遠い日なので、一番元気を温存したくなる日でもあります。 チャージではなく、温存。 つまりは専門店のちょっといい茶葉ではなく、スーパーのワゴンセールで買った、安くてそこそこうまいティーバッグが丁度いい……という塩梅です。 もちろん、いい茶葉のことは大好きなのだけど、手軽&気軽に飲めるお茶だからこそ、ほっと落ち

短歌(死の淵で輝く推しへの賛辞編)

いよいよ明日! 文学フリマ東京36にて、日常生活やオタク的性癖について詠んだプチ短歌集を頒布します! 日時:2023年5月21日(日) 12:00〜17:00 場所:東京流通センター 第一展示場【R-17「梅ヶ香堂」】 ※イベント詳細はこちら 新刊に収録予定の短歌のうち、今回は「推し」をテーマに詠んだ歌を紹介します。 もしお気に召しましたら、Twitterやnote(随時更新中)に投稿している、他の作品もご覧になってもらえると幸いです。 【9/24追記】note投稿企