なんぶの湯

なんぶの湯は山梨県の南部町にある温浴施設です。長野・山梨・静岡を縦断して流れる一級河川、富士川沿いにある森の中の温浴施設、といった趣の施設です。

とはいえ、ひなびた温泉かと言えばそうではありません。モダンでスタイリッシュで、「森」をコンセプトとして一貫したデザインで統一されている、こう言っては失礼ですが、田舎なのにシュッとしたお洒落な施設です。

ちなみにおじさんの住んでいる静岡県の富士宮市と南部町は、県境を挟んで隣同士です。割とご近所というわけですね。ナビに住所を入力してみると35分ほど。では行ってみますかと出発したルートは山。山だ。ムチャクチャなカーブの連続にアップダウン。道幅は対向車とすれ違うのは不可能なレベル。ナビお前鬼か。

対向車来ないでくださいと祈りつつハンドルを右に左にグルグル回すこと15分ほど。なんとか山を越えて辿り着きました。昼間で良かった。夜だったら泣いてた。

広々とした駐車場に車を止め、綺麗な建物に入ってさっそく受付を済ませます。ご時世もあり、それほど混んでいません。こざっぱりとした通路を進み、早速浴場へと向かいます。

浴場はちょっとした体育館かと思うくらい天井が高く、壁の一面が大きくガラス張りになっており、明るいです。入ってくる光の量が多く、開放感がありそれだけで気持ちいいです。プールみたいな雰囲気まであるほどでした。

が、おじさんが落ち着く先はサウナ室だ。10人ほどは入れるのではないかというサウナ室は広々としており、やはり光を多く採り入れています。温度は90℃ほど。湿度は低めのスタンダードなサウナです。TVもあります。

特筆すべきは、2段目のひな壇の奥行です。すごく広いんです。良くあるサウナ室では、2段目に腰かけ、足は1段目へと降ろすスタイルが多いのですが、なんぶの湯さんでは余裕で胡坐がかけるほど奥行きがあります。あぐらスタイルでサウナ浴をしたい、という方には嬉しい広さです。

早速胡坐をかいて蒸される事10分ほど。気持ちよく汗をかいたところで水風呂へと向かいましょう。

水風呂はサウナ室を出てすぐの場所にあります。4,5人が入れる広さで、水温は20℃ほど。そんなに冷たいタイプではありませんが、明るい浴場内を見渡しながら存分に身体を冷やしていけます。開放感もあり気持ちいい。

十分に冷えたら休憩へと向かいます。ガラス張りの壁面のドアから露天スペースへと出て、ひじ掛け付きの椅子に座ってぐったりしましょう。目の前には木々が。なんとものどかです。やっぱり露天の外気浴っていいですよね。

サウナ・水風呂と交感神経を全開にして警戒モードになっていた身体を、のんびりとした春風が撫でます。気持ちいい。しばらく風に吹かれながら休みましょう。

そして例のごとく何セットか繰り返したあとは、浴場を出てそのまま売店へ直行します。今回のメインはサウナと、そして、この売店なのです。

実は、『なんぶの湯の売店には、おいしいソフトクリームがあるんですよ』と聞いてやってきたのです。これは食べねば。

メニューを見てみるとありました。生乳と南部地区名産の「南部茶」をミックスしたソフトクリームが。早速注文することに。

手元に届いたそれは、コーンの上に2色のソフトクリームが、糸状に細かくなって巻かれています。ちょうどケーキのモンブランをイメージしていただけると良いかと。マロンクリーム風のソフトと、南部茶のソフトの、見た目モンブラン風のミックス。その名も「ナンブラン」。南部のモンブラン風でナンブラン。ナンブラン……。なぜ、ご当地グルメってダジャレが多いんでしょうね。

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ともあれ、いただいてみると間違いなくおいしいです。サウナ上がりで味覚が全開になっているため正しい判断ができているかどうかは怪しいですが、おいしいです。ていうか、みんなサウナ入った後に食べるんだからおいしいのが約束されているようなもんです。サウナ後定番の「オロポ(オロナミンC+ポカリスエットのドリンク)」と一緒に、ソフトのしっぽまでおいしくいただいて大満足です。

その他、がっつりとした食事も用意されています。また、「森のお風呂」のコンセプトに沿った休憩スペースは、ソファやハンモックまで用意されています。のんびりと過ごせますね。

明るいサウナに美味しいソフトクリーム、そして、森の中の雰囲気を味わいたい方、ちょっと車を走らせて出かける、なんてのはいかがでしょうか。その場合にはくれぐれも、山越えルートにならないように迂回していくのがお勧めです。

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