奥田@有料版vol.138:105ルールの落とし穴【本記事は無料で読めます】
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<2018/02/28配信>
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奥田雅也の
「無料メルマガでは書けない法人保険営業ネタ」
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奥田@有料版vol.138:105ルールの落とし穴
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いつもお世話になります。
奥田です。
今回も?少し重箱の隅をつつく様な
お話を書きたいと思います。
賢明な皆さまならご存じの事ですが、
先日、実際にあった案件で
改めて実感をした
「105ルールの落とし穴」です。
105ルールは、
正式名称ではありませんが、
一般的な長期平準定期保険の
損金割合を決める計算式として
認識されているルールです。
ご存じの通り
契約者年齢+(保険期間×2)が
105超になれば、
保険料払込期間の60%相当期間において、
支払保険料の1/2を
前払保険料として資産計上し、
残り1/2を保険料損金として計上する
例のルールです。
この計算式は105歳を
基準にしているために
年齢によって保険期間は
当然ながら異なります。
105歳という奇数なので、
奇数年齢で全額損金計上出来る
保険期間が1年長くなります。
これにより、年齢が上がる
「エイジアップ」によって
保険料は上がっても、
返戻率が上がるケースと
下がるケースがあります。
某社全損定期を例に
試算をしてみました。
<試算条件>
全損定期 保険金額5億円
年払
〇55歳男性
保険期間80歳満了
年間保険料9,047,000円
ピーク時返戻率88.6%
〇56歳男性
保険期間80歳満了
年間保険料9,193,500円
ピーク時返戻率88.5%
〇57歳男性
保険期間81歳満了
年間保険料9,996,000円
ピーク時返戻率89.2%
〇58歳男性
保険期間81歳満了
年間保険料10,136,500円
ピーク時返戻率89.0%
注目して頂きたいのは、
56歳から57歳へエイジアップする
タイミングです。
56歳ですと、105ルールでは
保険期間は24.5年となり、
小数点以下を切り捨てる事になるので
保険期間24年=80歳満了となります。
ところが57歳になりますと
105ルールでは同じ保険期間の
24年ですが切り捨てずに
保険期間24年=81歳満了となります。
これにより、この商品では
保険料が上がるのと同時に
返戻率も0.7%ほどよくなります。
全損定期であれば
保険料が高くなり、
返戻率も高くなるのであれば
1歳エイジアップさせた方が
良いですよね・・・・
すべての商品ならびに
すべての年齢帯を調べた訳では
ありませんが、
105ルールや逓増の95ルールの
場合にはこういう事があり得るので
注意が必要であるという事です。
ちなみに某社の逓増でも
比較をしてみました。
<試算条件>
保険金額1億円 年払
1/2損金逓増定期
〇55歳男性
保険期間75歳満了
年間保険料12,148,700円
ピーク時返戻率94.7%
〇56歳男性
保険期間75歳満了
年間保険料13,426,000円
ピーク時返戻率94.6%
〇57歳男性
保険期間76歳満了
年間保険料13,426,000円
ピーク時返戻率94.7%
〇58歳男性
保険期間76歳満了
年間保険料13,623,300円
ピーク時返戻率94.6%
この商品の場合には
エイジアップで返戻率がわずか
0.1%しか変わりませんが、
確かに上がっていました(笑)
何が言いたいのか?と言いますと、
法人保険営業において、
いまだにアマチュアが多くおり、
法人契約においても
エイジアップを保険提案の
クロージング材料にしているケースが
散見されます。
法人の場合は、まず大前提として
経営者としての必要保障額から
入りますから、
エイジアップや決算日には関係なく
提案&クロージングをする
必要があります。
次に決算対策についてですが、
これはあくまでも決算日の
少し前に契約日を設定するのが
一般的にはベストです。
※個別事情や活用目的によって
この点は変わりますので
決算日前が必ずベストとは
言い切れません。
しかし、個別事情や活用目的に
関係は全く関係なく、
経営者の誕生日だけを把握していて
誕生日が来る
↓
エイジアップ
↓
保険条件が悪くなる
↓
誕生日前に加入した方が良い
というロジックだけで
提案している人間がおり、
これに騙される経営者も
少なからず存在しているという
事実です。
実際に、先日とある経営者から
「誕生日が近いからと言われて
こんな保険の提案を受けたのだが
加入した方が良いのか?」
という相談を頂きました。
先ほどご紹介した某社の
全損定期です(笑)
設計書をみると提案をしているのは
某乗合代理店の募集人さんでした・・・
しかもこの社長は56歳で
57歳になると保険料も多くとれて
返戻率も上がるという方です。
私は下記の様に回答しました。
〇保障を確保する目的の生命保険なら
確かに誕生日を過ぎると保険料が
高くなるので、誕生日前に検討する事は
重要である。
→ただし既にこの保険は手当済なので
これ以上の上乗せの必要は薄い。
→しかもこの商品は当初は傷害保障が
手厚いタイプなので、
保障上乗せになるとは言えない。
〇決算目的であれば、決算前2ヶ月くらいから
利益予測を見ながら検討すべきであり、
まだ決算日は半年以上先なので
今は検討する時期でないと思われる。
→しかも法人所得が800万円を超えて
出口戦略がないと生命保険を活用した
決算対策は意味がなくなるので
単に儲かっているだけで検討しては
失敗する。
〇さらにこの保険、年齢が上がった方が
メリットが高くなるのに、その事を
知らずに提案をしてきている保険営業は
法人経営と法人保険を知らないので
この人から加入する意味はないのでは?
→保険条件の詳細は前述のとおり。
→決算が近づいてきたら
奥田からまた提案をするので、
法人所得が800万円を超えていれば
是非検討して下さいと念押し(笑)
ここまで一気にお話をしたら
非常に納得をされていました。
皆様にとっては
当たり前の話だと思いますが、
こんな事が未だにありますので
くれぐれもご注意ください(笑)
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編┃集┃後┃記┃
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