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いつも煙が目にしみる

『いつも煙が目にしみる』

作/演出 菱田 信也 神戸三宮シアター・エートー

フライヤーのイラストを担当させていただきました。
公演から二週間ほどたってしまいましたが、思ったことをつらつら書きます。

はじめて脚本を拝見したとき、作中に登場する女性たちはどれも個性的だけれど、芯のある(自分のある)強い女性の印象を受けました。気だるげだけど意思のある女性、柔らかい強さ、みたいなのが出せたらな~と思って描きました。菱田さんが二枚とも気に入ってくださって嬉しかったです。

稽古にも一回お邪魔しました。主役のお二人のやりとりを見学。
セリフの言い回し(内心ではどういう風に思っているか)で印象が変わり行動も変わっていくのに衝撃を受けました。演出って謎やったんやけど、こういうことかって腑に落ちました。内心をみんなで考えていくのがすごくおもしろかった。

(主演の森崎さんと村上さんと一緒にパシャリ)

帰り道、花村役の森崎さんと少しお話させてもらったんですが、
「人に見てもらうことよりも、演じる人物がどんな人間かを考えることが楽しい」とおっしゃってたのが意外でした。役者さんって舞台に立つことの方が楽しいんやと思ってたけど、そこの部分でクリエイトしてるんやな~。

【初日】
みなさん緊張されていたけれど、この日の観客はよく笑っていて(演技に反応良)雰囲気がとてもよかったです。
この日はなんといっても、紅壱子さんでした。


花村(祖父)と対話しているように一人でしゃべるという演出で、他の演者さんは花村が客にも客観的に存在しているような感じでしたが、紅さんだけ自分が花村(祖父)になったような感覚がしました。自分としゃべっているような感覚。呼吸が会話してたのかな?すごく不思議。


UFOキャッチャーで上からガバッっと心を持っていかれたような体感でした。

【千穐楽】
初日とリズムや演出が違っていていました。

パンパンの女性は、初日へらへらとしたしゃべり方だったけど、千穐楽では怒りが内にある極道のような女の印象に変わっていました。ほかの役の方もキャラが変わったかな?と思うくらい印象が違う。
ほんと、しゃべりかたり一つでこんなにちがうんやーって改めて実感。
あと後ろに映る映像が反転して、しゃべっている本人と対話しているように見えたのもすごく面白かったです。

初日と千穐楽でこれだけちがったら、どちらかだけ見た人で感想語りあったら全然かみ合わないんじゃないかな(笑)
何回も観に行ってしまうのがわかる気がする。

最後に小道具で自分の絵が使われていたのがめっちゃ恥ずかしくて(笑)ここだけ我に返ってしまったので客観的にみれなかったのだけど、他のお客さんは最後あの絵を見てどんな気持ちになったんだろう?


あと、売店でフード男子本を販売させていただいたんですが、
何冊か購入くださった奇特な方がいらしゃったようで!
ありがとうございます。

帰り台風で阪急が止まって電車内で一泊したのもいい思い出になりました(笑)

機会があれば、またこういうお仕事してみたいな!

(舞台の写真は 松田ミネタカ@type4132mine さんにお借りしました)

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