プロダクトリサーチ・ルールズの輪読会をしました
この記事はプロダクトづくりのための挑戦とその成功・失敗談を綴るアドベントカレンダー powered by プロダクト筋トレ Advent Calendar 2022の12月9日の記事です。
プロダクト筋トレコミュニティでは定期的に輪読会を実施しており、今回はプロダクトリサーチに関する書籍を題材に輪読会を実施したので、輪読会を通して学んだこと・考えたことについて書いていこうと思います。
📖読んだ本の紹介
今回輪読会では プロダクトリサーチ・ルールズ 製品開発を成功させるリサーチと9つのルール を読みました。
この本を選んだ理由としては、現在自分は6名ほどのプロダクトチームに所属しており、明確にリサーチの担当者やリサーチに関する知見無いなかで色々とやってきて、実際にリサーチをしていて結果としてアウトプットは出てくるものなにか効果を感じることができていなかったため、コミュニティの方と読みながら議論することでなにか気づきを得られるかなと思い比較的網羅的にリサーチについて書かれている本書を選びました。
📝どんなことを学んだか
ここからは輪読会を通して個人的に学びになったなという部分について記載していきます。
仮説はたくさんあったほうがいい
リサーチをする上で数多くのバイアスがリサーチの邪魔をしてきます。これらのバイアスは調査へ協力してくれる参加者はもちろんのこと、調査を実施する側にも多く存在するため、リサーチをする上では常にバイアスが存在するという前提でリサーチを進めインサイトを得る必要があります。
輪読会の中で特に印象に残ったのが「仮説が一つしかない場合、その一つの仮説に依存してしまっているのではないか」というものでした。
特に、リサーチを始めたばかりの頃などは、「ユーザーはこうなのではないか?」というような一つの仮説に縛られてしまって、ユーザーの回答を誘導したりしてしまったりして、その仮説を成立させようという力が働いてしまいがちです。
そこで、リサーチの際には仮説はあくまで仮説と認識した上で、複数の仮説を作ることで依存先を増やすことが必要なのではないかと考えました。
また、リサーチ中においても、自分の仮説が間違っていたとする情報を避けない様にするというもの重要なのではないかというふうに考えています。本書の中でも予期していなかった結果や仮説の反証はリサーチの結果を裏付けるものということが書かれていて、そもそも自分の想定していたものでないものが出てきた場合はそれを嬉しいこととして受け取るというマインドセットが重要なんだなというふうに感じました。
また、本書の中でリサーチテクニックとして思い込みのブレストというのが紹介されていました。
思い込みのブレストは、ユーザーの状況を把握するためにあらゆることについて思い込みを書き出して、それぞれのリスクレベルを設定し、(もしこの思い込みが間違っていたらどうなってしまうのか?)そして最もリスクレベルの高いものを特定できたなら、それを検証していくというものです。このプロセスを通して求められないものを作らない様にすることができそうです。
ペルソナを作って満足していないか?
実際にユーザーインタビューなどを実施したあとにはその分析を実施し、過去にアウトプットとしてペルソナを作成していましたが、なかなかうまく活用できていませんでした。
そこで、ペルソナについて議論していく中で、あくまでペルソナはユーザーを理解するためのツールでしかなく、私達はペルソナを仲介してユーザーを理解しにいくという話になり自分の今の状況に足りないのはこの観点だったのではないかと気付かされました。
実際、インタビューの実施によってユーザーがどのような属性のユーザーであるかの検討がついて、カテゴライズをしてしまうことで、新たなステレオタイプを生み出してしまい、きっとこのユーザーはこのグループだからこの様に考えているだろう、というように心のどこかでペルソナを作ったことに満足してしまい表面的にしか活用できていなかったのかなという風に思いました。
そもそもペルソナの起源に立ち返ってみると、ローマ時代の役者がつけた「仮面」を意味している言葉だそうなのですが、こういった背景から実はその人物を演じることができるくらいに情報を集めろという風に解釈することで、そのペルソナが何を考え、どのように行動するのかという行動原理の部分が垣間見えてくるのかなと思いました。
Soup Stock Tokyoの秋野つゆの事例などはまさにそれに近いのかなというふうに感じました。
人に対する好奇心が大事
「リサーチのセンスってあるのか?あるとしたらそれはどういうものなんだろう?」という問いが出てきて、結論としては人に対する好奇心=リサーチのセンスがなんじゃないかという話になりました。
実際、リサーチを実行することよりも対象者の行動や思考の背景を深ぼることのほうが重要です。その際に、対象者に対してなぜそのような事を考えたのか、なぜそのようなことをしたのかという好奇心を持つことがユーザーへの共感を産みます。一方、重要なインサイトのを見つけないとというようなリサーチの実施の方に意識が向いてしまうと、ついつい「こういうサービスってほしいですか?」などの確認の質問などをしてしまいがちです。
では、どの様に対象者に対しての純粋な好奇心を高めていけるのか。ということについて考えたところ、実は1on1が有効なのではないかという話になりました。1on1では対象者のことを理解し、思考や行動の背景を言語化するということをやっておりこれはリサーチの一種と言えそうです。また、対象者の行動変容を起こすという観点では1on1も一種のプロダクトとも捉えられるのではないかと考えています。
特に、リサーチを始めたばかりは全く知らない人に対して興味を持つというところが難しかったりする場合もあるので、まず普段業務で関わっているメンバーとの1on1もトレーニングの一つという側面を持ちながら実施してみるのも良いのかなと言うふうに感じています。
所感
本書の輪読会を通して、意外と気づかなかった「こうしていれば大丈夫だろう」というように表面的なリサーチを実施してしまっていたかもしれないということに気付かされました。特に人への好奇心などの部分については日々の積み重ねで数を重ねることで身につけていこうと考えています。
💪一緒にプロダクト筋トレコミュニティでPM筋を鍛えませんか?
最後にコミュニティの紹介です。
プロダクト筋トレコミュニティではプロダクトづくりに関するあらゆること
を学んでいます。
コミュニティではこのような輪読会をはじめとして、日々のプロダクトづくりで感じたモヤモヤなどを共有・議論したり、ラフにランダムなメンバーと雑談をしたりというような活動をしています。
よく「プロダクトマネージャーは孤独だ」と言われますが、実際にコミュニティの方と交流していて、実は自分と同じような悩みを抱えていたりというような方もいて、こういう状況なのは自分だけではないのかということに気付かされたり、アドバイスをいただけたらりということがあってとても助かったなというふうに感じています。
ぜひ、一緒によりよいプロダクトを作っていきましょう!
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