263冊目:ハルとアオのお弁当箱/まちた
こんばんは、Umenogummiです。
今日はお昼に嬉し楽しい、お弁当マンガです。
ハルとアオのお弁当箱/まちた 作
あらすじ
木野春葉はアニメが生きがいのオタクで、毎日楽しく生きていますが、地味な格好やひとりでランチ休憩をとることを周囲の女性陣から「おかしい」「変」と言われて落ち込みます。
じぶんではおかしいと思わないことを、周囲から突っ込まれることにいら立ちを隠せず、行きつけのカフェバーでお酒の力を借りながら愚痴をこぼします。
そこにカウンターで隣り合わせた女性の心を持つ男性・蒼に「私はこれが好きだといえばいい」と言われます。
蒼は拾った猫のためにペット可の物件を探しており、カフェの店長から店の上を借りればいいと提案されていますが、一人で暮らすには広いために保留にしていました。
蒼は意気投合したハルに、ルームシェアすることを提案し、ハルは酔った勢いでOKします。
翌日、目覚めるとアオがハルの家で朝ごはんをつくっており、ハルは昨晩のことを思い出し戦慄します。(アオは帰るのが面倒になりハルの家に泊まった) ハルはアオの作った朝ごはんの優しい美味しさに癒されますが、ルームシェアのことは白紙に戻したいとアオに話します。
アオは笑顔でハルの意見を尊重し、「ハルちゃんの好きな具は何かなって考えながら作った」というお弁当をハルに手渡しして、ハルの家を後にします。
ハルはアオのお弁当の美味しさに感激し、元気を取り戻りたことで、お礼にハルもアオのために生まれて初めてお弁当を作ります。
アオはハルの気持ちをうれしく思い、再度ルームシェアを提案。二人は一緒に暮らすことになりました。
さらにアオのお弁当が食べたいというハルの言葉から、アオは「週一回、お互いのためにお弁当を作り合う」ことを提案します。
感想
とーーーーーってもやさしい、心が温まるお話です。
みているこちらまで、お弁当いいよね!となります。しかも人が自分のために作ってくれたお弁当って、うれしいんですよね。
学生の頃は、母親が作ってくれたものが当然と思っていましたが、今自分が社会人となって毎日お弁当どうしよーと考えたりして、当たり前ではないのだなと気づかされます。
ハルはオタクと普通の女性たちとの距離感に、アオは自分がジェンダーレスであることを母親に受け入れられていないことに悩みます。しかし直接は干渉しないものの、ハルとアオはお互いを思いやり、お弁当を作り合うという行為で言葉を交わさなくても不思議と癒されていきます。
このマンガには「普通である」こと、というテーマがたくさん出てきます。それに対して、オタクのハルの生き方、ジェンダーレスのアオの生き方が「変だ」という言葉で片づけられてしまいます。
二人は時折そのことを悩みながらも、自分の生き方に誇りをもって堂々と生きているように思います。それにはお互いの存在も大きいのでしょうね。
私は誰にだって譲れないものはあるのだし、誰だって「普通」ではないんだろうと考えています。それを「変」と周りに思われても、気にしない強さが欲しいですね。
自分の生き方について考えさせられながらも、やさしい時間の流れる、温かな二人のお弁当のお話です。
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