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『多分、俺はインド人と生活できないな』2023.10.Jan.

  正月から雑煮と地魚と蕎麦ばかりという
贅沢三昧な食生活を送ってきたので
今日のランチは南インドカレーにした。
いや、まあ、そうだね。
南インドカレーも贅沢だよね。
隣町の湘南台にある店に行ってきた。

我が家の近所にもインド人の店はあるのだが
バスマティライスとかビリヤニとかが食いたくて
ひと駅、電車に乗ってきた。

前にも書いたが
この店も辛さが5段階で注文できる。
そして前々回のランチで"3"を注文し
悶絶して撃沈したので
前回は3種類のカレーの辛さを1種類づつ
1、2、3、と変えて貰った。
これは我ながら良いアイデアで、
めでたく完食できたのだった。

そして、
今日の俺はキーマカレーを"辛さ2"で注文した。
よしえさんはベジタブル・ミールスのライスを
ビリヤニに変えて貰い、3種のカレーの辛さを
今回も1、2、3、と変えてもらって注文していた。

この辛さ3パターンは今回も大成功だった。
そして、
俺のキーマカレーもテーブルに来た。
「はい、ドライ キーマカレーです」
と言いながら店のインド人がテーブルに置いた。
が、
「これはドライじゃあないよなあ」
と、そんなことを思いながら
ひと口食べた。
「うん、美味いな」
この店のキーマカレーは初めて注文した。
まあ、
初めてと言っても今回が来店4度目くらいだから
常連でもなんでもない。
ふた口もやっぱり美味い。
で、口直しにビールをゴクリと飲み
もうひとスプーンを食った。
あれ?辛いじゃん。
口の中が辛くなってきた。

「辛さ2」を注文したはずなのに
これは辛過ぎじゃないのか?

「ねえねえ、ちょっと味見してくれ」
テーブルの向かいでニコニコと
ミールスを食ってるよしえさんに声をかけた。

「あ、ホントだ。辛いね」

俺は最近気づいたのだが
俺自身は辛いのが大好きなのだが
実は辛さに弱いのだった。

麻婆豆腐や坦々麺やキムチなども大好きなのだが
なんと、俺は辛さに弱かったのだ。

今回のカレーも
その俺の弱点を突かれたようだった。
辛い、うん、辛いよ、辛い、美味いけど。
これはきっと完食できないな。
5分でそう思った。

ご飯は日本の米でふっくらと炊けている。

しかし、味は美味いのだ。
「替えてあげようか」
よしえさんのミールスと
俺が注文した「辛さ2」のキーマを
取り替えてくれるというのだ。

う、う、優しいねえ。
普段から優しくしておくと
こんな時に恩返しが来るんだなあ。
やっぱり人には普段から親切にしておくべきだなあ。
よよよ。(感涙)
などと思いながら取り替えてもらった。

「これ、"2"じゃないかも」
「ええ、やっぱそうなのか」
これは俺の問題じゃなくて
インド人のコックの問題だったのか?
「そうだよなあ、やっぱ辛過ぎだよなあ」
あいつら舌が麻痺してるんじゃないか?
前に会計の時にお兄ちゃんが
「インド人は”辛さ3以上”が普通です〜」
とか言ってたからなあ。
「3」以下の味覚判断が出来ないに違いない。
「これは”2”じゃあないぞ!! ”3”に違いない!!」

そう、思ったが
もう汗かきながらそこそこ食っちまったからなあ。
いまさら文句など言おうもんなら
「モウ、来ナイデ下さ〜〜い」
などと言われて
「出禁」になるのもイヤだしなあ。

もう、鼻水が出てるし。
涙なんぞはさっきから出てるし。
頭はカッカしてるし、胃はもちろん
胸あたりも熱くなってきてる。
俺はついにセーターを脱ぎ捨て
戦闘モードに入ったのだ。
が、もうひと口食ってみたら
「あひゃー」
と悶絶して撃沈してしまった。

ああ、
今日のランチは馬刺しイタリアンと迷って
このインドカレーにしたのだがなあ。

一日中、ボヤ〜っと過ごすつもりが
すっかり頭が冴え渡ってしまった。
きっと目は真っ赤に充血して
ギラギラしてるに違いない。

結局、
俺は完食出来ずにふた口ほど残してギブアップした。
「ほら、ちょっとだけど残してる」
「あの人たち日本人かと思ったけど
中国人だったんだね」
ふん、そう思われてもちっとも構わない。
俺は今回、はっきり判った。

インド人と生活はできないな、
と。

 うめ。2023.10th Jan.


横浜エアジンのライブ予定。
2023年1、2月。



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