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『 とんかつ横浜2022 』

   久しぶりに勝烈庵へ行ってきた。
とんかつは久しく食いたいと思ってなかったのだが
先日、店の前を通ったときに
「かきフライ始めました」とあったので
おお、そんな季節がやってきたんだなあ。
などと嬉しくなっていた。

で、昨日食ってきた。
店に入るときにあの「かきフライ始めました」の張り紙がないから
ちと不安が頭をよぎったが入った。

関内・馬車道あたりはトンカツの激戦区とも言われている。
エアジンから歩いてほんの1分程度の所に噂の4店がある。
大森にある名店・丸一の姉妹店『丸和』、神楽坂の『さくら』、
蒲田に本店を置く『檍(あおき)』そして、横浜といえば『勝烈庵』。

どの店も昼時には行列ができる店だ。

俺はその全部の店に行ってるが、
それぞれにトンカツの個性を押し出しているから面白い。
ただし、今回の勝烈庵は
『かきフライ』を食うために入った。

棟方志功も通ったという横浜の名物店『勝烈庵馬車道本店』。


午後4時過ぎと言う時間だったので
店に入るとカウンターに女性が一人いるだけだった。
「いらっしゃいませ〜」
黒服のキリリとした男性が声をかけてくれた。
「おお、支配人か?」
と思ったが、若い。
違うな。
向こうを見るともう一人若い黒服がいる。

勝烈庵。
棟方志功の書が看板になっており、
店内には志功の版画が多数展示されている。
横浜では自慢のアートな馬車道本店が
エアジンからすぐのところにある。

ここは昔からミュージシャンたちも好評な店で
エアジンでのライブ前には
中牟礼貞則さんや故•斎藤徹などは
必ず食べに行ってたようだ。
エアジンの最低保証ギャラで電車賃とトンカツ代が払えるのだ。

ここはテーブル席の2階もある。
2階は広い。大広間もある。
しかし、
一番の席はやはりカンター席だろう。
出来上がりを待ってる間、
職人の仕事ぶりが目の前で眺められるからだ。

久しぶりの勝烈庵だったが
店内の空気がガラリと変わっていた。
まず、黒服が案内係りだ。
この店は昔からフロアーはおばちゃんたちが
元気いっぱい仕切り、
カウンター内の職人はうるさそうなオヤジ達と
修行中の若者でワイワイとしていたものだ。
「ばかやろー」
などと若者が叱られている風景が微笑ましいものだった。

それが、小洒落た感じに一変していた。

店内の仕切りは黒服の若い男になった。
そして、
カウンターの中の職人のチーフは女性だ。
テキパキと若い職人に指示を出している。
若者もすでに見習いではなさそうだ。

カウンター越しに
「お待ちどうさまでした」
と皿が登場した。
と同時に黒服が「お椀はいかがいたしますか」
「お椀(わん)」とは定食セットのご飯と味噌汁のことだ。
俺がまだビールを飲んでいるので
ご飯はもう少し後かな?
ということなのだ。

これは昔からおばちゃんの常套句なのだが、
おばちゃんでなく黒服に言われると
何だかマニュアルを読んでるようで
今ひとつ気遣いってのが感じられない。

どうも、
どこぞの一流ホテル内にある
『豚かつレストラン』に来たような感にとらわれた。
何というか空気がピンと張っているのだ。

う〜ん、違うな。
この勝烈庵は大正、昭和を生き抜いてきた
横浜自慢のお洒落でアットホームな
とんかつ屋だったのになあ。
とも、思ったが時代の流れなのだろか。

俺の皿のキャベツがさっきから
なくなっているのに若い黒服は気づかない。
ああ、
おばちゃんたちが懐かしいな。

あの、古き良き風情は消えようとしている。
ただ、会計カンターには
まだ、おばちゃんが居た。
小さな救いだった。(笑)

今年は期待した勝烈庵の「かきフライ」が
去年までとは少しレベルが落ちた気がする。

無論、それなりに美味いのだが
感動していた”勝烈庵のかきフライ”ではない。
オーナーが変わったのだろうか。
俺たち自慢の勝烈庵には喝(!?)を入れなくてないけない。

今回は
来週、豊橋からやってくるMiz.Mさんと
ランチをすることになっているので下見だったのだが。
ちと、期待はずれではあった。
(しかし、名誉のために言っておくが
もちろんそこらの店とはレベルは違う)

横浜には美味い店がたくさんある。
エアジン周辺にはイタリアンも本格カレーもラーメンの店も
個性を誇っての大激戦区なのだ。
食いしん坊にとって横浜は魅力的な町なのだ。

昨日、タンメン専門店も開店したという。
食材にこだわった店だと横浜経済新聞で紹介されていた。
この店も開店の混乱がおさまる来週くらいに行ってみたい。
エアジンからは港に向かって7、8分くらい歩くだろうか。

ああ、ライブハウスもみんな個性を誇ってるし。
横浜もいい町かもよ。

 さ、今夜もライブと中継配信します。
近くの方はお店へ、遠くの方は配信でお楽しみください。
エアジンでした。。。。

  店主・うめ。
   2022.11.12

右手が勝烈庵、左手が馬車道十番館、そして、あの先の左手が有名な横浜エアジン。とんかつ『丸和』『檍(あおき)』『さくら』などの店はあの先にある。
・・・・・・・・・・
今夜のライブは
『葭葉愛子(p)&高見ヒロ(tp)スペシャルDUO 』
2022.11.12(土)19:00
配信は
https://umemotomusica.stores.jp/items/635fd4f6d7e1d85704713dcd













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