【2022年度】イーサリアムの教科書

2019年、仮想通貨は「暗号資産」という名称に法的に統一された。

「暗号資産」は、英語でクリプト・カレンシー(Crypto Currency)と表記されるため、暗号資産関連のプロジェクト名は「Crypto 〇〇」が多い。

(ちなみにDCコミックスの「スーパーマン」の唯一の弱点である放射性同位体の名称はCryptonite(クリプトナイト)です。)

今回はその暗号資産プラットフォームの一つ「イーサリアム(Ethereum)」についてなるべく細かく書く。

イーサリアム(単位:ETH)は、世界初の仮想通貨ビットコイン(BTC)に続く時価総額2位の暗号資産、及びプラットフォーム名です。
(正式にはプラットフォーム名がイーサリアムで、そこで流通している暗号資産をイーサといいます。)

ビットコインとイーサリアムの知名度の差は一目瞭然ですね。
「1位以外は誰も知らない」とはよく言ったものです。

ちなみに日本で2番目に高い山は明石山脈の「北岳」(3193m)です。

おそらく2022年4月以降、WEB3.0(分散型ネットワーク)の時代とともに良く聞く言葉になると予想されるので、「ビジネス戦闘能力」を上げたい方は本記事に目を通してみても良いかもしれません。

ここでは、イーサリアム(Ethereum)の最も大きな特徴を2つ紹介します。

1.スマートコントラクト

2.非集権性/分散型アプリケーション(De-centralized Applications)を開発できるプラットフォームを提供

1つ目の「スマートコントラクト」とは、特定の条件が満たされた場合に、ブロックチェーン上で決められた処理が自動的に実行されるシステムを指します。

例えば、自動販売機はスマートコントラクトに近いです。
お金を投入して、ボタンを押したら飲み物とおつりが自動的に出てくるため、第三者を介さず取引ができるからです。

スマートコントラクトは、ブロックチェーン上に特定のプログラムを組み込むことで、状況に応じてさまざまな処理を「自動化」します。

今後、予想されるものとしては、「自動車ローンの返済が滞った場合に、自動的に対象の自動車をロックする」や「ホテルのチェックアウト時間を過ぎると自動的にチェックアウト処理が行われる」などがあります。
他にも、「ゲーム内で特定のアイテムを入手すると、自動的に現物がAmazonによって自宅に届く」など、まさに近未来の世界です。

スマートコントラクトのデメリット

スマートコントラクトのデメリットの1つが、バグやサイバー攻撃です。
ブロックチェーン技術はデータの改ざんに対する耐性がひときわ強力ですが、人間の造りしものに完璧なものはありません。

実際に2016年6月、スマートコントラクトを利用して煩雑な手続きや監査業務なしに資産運用ができるというコンセプトのもと「THE DA0」というベンチャーファンド立ち上げプロジェクトが行われましたが、その最中に約50億円相当のイーサ(ETH)が盗まれるというえげつない事件が起きました。

ここから結構おもしろくなります。

2つ目のイーサリアム(Ethereum)の特徴は、
「非集権性・分散型アプリケーションを構築することができるプラットフォーム」ということです。

分かりやすく言うと、「中央管理者・サーバー管理者が存在しなくても稼働するアプリケーションを作成できる場を提供してくれた」ということです。

2018年に公開された「レディー・プレイヤー1」(原題:Ready Player One)という仮想空間(メタバース)をテーマにしたSF映画をご覧になったことはありますか?

あれができるということです。

どういうことかというと、通常のアプリケーションは開発元のサーバーに障害が発生すると、ユーザー全員が使えなくなりますよね。

しかし、分散型アプリケーション(De-centralized Applications)は、1つのノードが離れたりコンポーネントに障害が発生した場合でも、残りの全てのユニットが機能している限り、アプリケーションが中断され続けることなく実行することができます。

つまり、「あなたがパソコンの電源を消してもその世界は存在し続け、その世界の時間がちゃんと流れる」そして「ユーザー一人一人がそのアプリケーションの開発や仕様変更に関われる」ということです。

2009年公開の細田守アニメ作品「サマーウォーズ」では、仮想空間「OZ」の中で主人公とその友達が、なにやら「OZ」の管理に関する演算をするアルバイトをしているシーンがありました。

あれもイーサリアム(Ethereum)内で実際にあります。
「マイニング」といって、個人ユーザーがブロックチェーンに関わる新たなブロックを生成するための承認作業をすることで、その報酬としてイーサ(ETH)が得られるのです。
ただし、マイニングによる報酬を受け取るのは、暗号化された数列を最も早く正確に計算した人のみです。
イーサ(ETH)はお金に換えることができますから、イーサリアムの中でお金を稼ぎ、現実世界でも生活することができる人も近い未来増えていきます。
「マイニング事業」という言葉もこれからどんどん表に出てくるかと思いますが、決して金脈を採掘する炭鉱事業のことではありませんので区別しておくように。

イーサリアム(Ethereum)の登場で、この先メタバース事業は飛躍的に進歩します。

予兆はすでに起きていますし、あなたもご存じのはずです。


マーク・ザッカーバーグが「Facebook」を「Meta」に改名した時に。

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