かなとこ雲とかいうらしいですね。
昨日の夕方「へ~んな雲がでてるぞな」と嫁さんとノンキに写真を撮っていたら、なんだか珍しい雲だったようですね。
かなとこ雲。
平和な形してるなあと思いましたが積乱雲の変形したもので、要するに「超でっかい入道雲」みたいなモノであるらしい。どうやら山梨県あたりで発生したとかで、それが東京から見えるとは実にスケールの大きい話ですね。
某SNSでは昨日「かなとこ雲」の写真がバズっていたらしいですが、当方も投稿してついでに自著の宣伝でもすれば良かったと…アフターカーニバルでした。キレイに撮れたのでここにあげましょう。
どうでもいいが「かなとこ」という語感は愛らしい。
ウィキ先生によると外国でも「金床」というらしく、世界中でかなとこって使われてたんだ…と妙な感心をしてしまいました。
最近こう、雲の写真を撮っていると師匠の言葉を思い出すのです。
あ、木じゃなくて人間の、マンガ家の師匠ですが(^_^;)
駆け出しアシだった当方、雲がうまく削れずに悩んでおりました。トーンワークの上手い先輩に聞いても、
「もっとこう…ウワァっていうか、モコォっていうか…」
全く要領を得ません。
仕事場ではわからないことは当時のチーフか先輩に聞くシキタリでしたので、当方よくわからん擬音だらけのアドバイスで苦しんでおりました。そこにあるとき、師匠がめずらしく当方の後ろに立ち、
「梅熊くん、雲の気持ちになってみろ!」
…といって去ったのです。
当方「だめだコリャ」と思ったのは言うまでもありませんw
(画像は朝っぱらから川で遊ぶ当方の影です)
…禅問答じゃあるまいし(^_^;)
とにかく師匠も「説明」というのをしない人で、言葉でもらったアドバイスは「もっといい絵になれ!カッコよくなれ!と念じながら描くとヨイ」しか覚えていませんw
やっぱりあれか、天才というやつは凡夫の気持ちはわからないのだな。野球でも「名選手は名監督ならず」というし…。
その後当方、図書館などで雲の本を借り、写真を見たり、雲ができる理由や構造、季節ごとの変化などをお勉強いたしました。「もし自分に後輩ができたら、ちゃんと理屈で説明してあげよう…」と決意したものです。
その後なんやかんやあって先輩アシが逃げてしまいw1年ちょっとでチーフになってしまった当方。ほんとに後輩に教えるハメになってしまいました。
直線で描くものはいわゆる「パース」といってしっかりした理屈があります。参考書もたくさんある。
聞かれるのは自然物です。
木、水、雲、火、地面、石、岩山、崖、海…などなど。
当方「いまこそ勉強の成果を生かすとき!」と思いました。
阿修羅のように勉強していましたから(笑)
…しかし、結論から言って、これは失敗に終わりました。
後輩君は「どうしたら上手く描けるかわからない」といってきます。それを懇切丁寧に説明すれば相手も大人、理屈は伝わります。「そうか、わかりました!」と言います。が、
わかったからって上手く描けるもんでもないw
かつての先輩はぜんぜん口で説明できませんでしたが(ウワア、モコオ)…でも描けました。
理屈は大事だし知ってた方がいいとは思います。人体の骨格とか筋肉とか、ある程度知識も必要。でも
最終的には描いて慣れろ、しか言うことがないのです(^_^;)
…1年後には当方もすっかり「そこは水の気持ちになって…」とか言うようになっていました(笑)
いや、できます一応、説明はw流体力学の本まで読んだんですから…(^_^;)でもそれより資料写真をにらんで
「もっと良くなれ~かっこよくなれ~」
って念じたほうが早い(ー_ー)
お勉強した膨大なムダ知識が役に立ったのはむしろアシを卒業した後です。
雑学や豆知識としてコラムのネタになったりで、これはこれで大いに助かったのですが…。
雲を見上げていると「上手くいかないもんだ」というホロ苦い気持ちが少し胸を刺すのでありました。
だってこんな雲、背景に削ったら殴られますよ(^_^;)
天狗じゃねえか。
…お粗末さまでした<(_ _)>
たくさんのサポートを戴いており、イラストももう一通り送ったような気がするので…どんなお礼がいいですかねえ?考え中(._.)