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クソダサトーンの世界

今日も今日とて筆の練習やらトーンに変換やら、色々試しておった当方ですが。

筆を使うとなると、少し机周りを整理せねばなりませんで…水とか、筆洗いとか、置かなきゃならんので。使わないものをしまったり、古いものは捨てたり、広さを確保していたら、

もうぼろっぼろのスクリーントーンが出てきました。

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これは当方がまだアシスタントだったころの先輩、Y氏からいただいたものです。

Y氏は当方よりふたまわりも年上の、プロアシ大先輩でした。うちの師匠の専属ではなくいろんなところに手伝いに言っておられた。いわば流しの助っ人稼業…技術一本槍のキャリア30年という、大物でした。

このY氏が、当方が本を描く時、ありがたくも手伝いに来てくださった。

そして

「もう自分にはいらないものだから」

とくださったのが、このトーンでございます。

Y氏はマンガ家志望でしたがそれは叶わず、そのかわり卓越した技術力で「最高のプロアシ」道を歩んでこられた。画材なら各勤務先にあるから、自分がむかし買ったトーンはまだ若い梅熊さんが使ってくれ…という、

ナミダのちょちょぎれるようなありがたいお申し出でありました。

チュンきち

・ただ、いただいたトーンをよく見ると…高石アサオさんいうところの

クソダサトーン

ばかりだった(笑)…古すぎて、トーンのデザインが変わっていたのもありますが、要するにこれ

買ったけど使いようがなかったからくれた

んじゃないのかwと今でも疑っています。

あ、クソダサトーンというのは…詳しくはこちらですが、

要するに、トーンのガラがちょっと変で使いにくい…ものです。

(当方の職場では「ダメトーン」とか呼んでました…(^_^;))

このまま取っておいても絶対に使わないでありましょうから、ここで日の目を見てもらおうと思います。

…では、クソダサトーンの世界へ、皆様をご案内しましょう。

エントリー№1、

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デリータ・SE 369

…なんでしょう、このアルファベットの羅列は。英語なら英語で新聞みたいにしてくれれば包み紙なんかに使えるんですが、こうバラバラではどうにもなりません。しかも全くの実線で印刷してあるため、非常に目立ちます。うーん、ダサいですね!(^^)

続いて№2、

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アイシースクリーン s733

…どうしろというのでしょう。まあ、草花の文様であることはわかりますが、どうもこう…間が詰まりすぎです。遠目に見るとただのギザギザの線みたいになっている。実際、小さい方はほとんど砂目です(笑)あとこれも濃い。服にも模様にも使いにくいですねー(^^)

お次、№3

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アイシースクリーン761 

いわゆるペイズリー、というのでしょうか。…もうお分かりですね、これも濃すぎる(笑)それにこういうガラはスカーフとかそういうワンポイントに使うものでしょうが、実際貼るとこれがメチャクチャ目立つんです…(^_^;)のわりに、小さく貼るとガラが解らない。ちゃんと見えたところで、ちょっとセンスが古い。手も足もでません(^^)

…どうもダサいトーンに限って、黒が濃いという特徴がありますねw

ちょっと薄めのも行ってみましょう。

№4

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マクソン CB 595

一見凝ったガラに見えますが、真正面しか使えません(^_^;)斜めの壁なんかに使うと空間が歪みます。…ほんとコレ、作った方はどういう使い方を想定されていたのでしょうか。実戦投入されている場面も、当方浅学にして知りません。難しいですね!(^^)

№5(まだあるのか!と仰らないように。これでも絞ったんですw)

これは、正統派クソダサトーンとでも言うべきガラですが、

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アイシースクリーン s692

イカ・タコ・カニ・お魚・波…あとなんかグルグル。

これは本当に…どうやって使うのでしょう。子供の手提げバッグに貼る?…にしては、ちょっとガラが(間隔があいている)し、なのに例によって黒いし。なにより、

これ、手で描いても大した手間じゃない

のがもっとも問題だと思います(笑)すばらしいですね!(^^)!

そう、手でもカンタンに描けるならそもそも手で描いちゃえばいいんで、高価なトーンを買う必要はないわけです。

その意味で、次のトーンの存在意義をちょっと考えてほしいのですが、

№6(ご安心ください、この辺にしますのでw)

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デリータ SE1042

こういう鎖が10本ほど、B4一枚に印刷されたトーンです。

…どうでもいいんですがこの分野においてはトーン老舗のアイシーを凌駕して、デリータの実力が光ると思わずにおれませんが…

こんなまっすぐな鎖がそうしょっちゅう出るマンガというのは、いったいどんなものなのか。アンド○メダ瞬のチェーンはぐりぐり曲がりますし…。

というか、これくらい描こうよ。アシさん。

…と、実にこうトリップさせてくれるトーンなのでした!^^)


さて、いまここにテキトウに練習していたマンガがある(._.)

名称未設定 1

このまま終わるのも何だし、せっかくなのでこのエントリーした選手(トーン)たち、貼って見ましょうか。

もうそんな機会もないでしょうから。

ではペタ、ペタペタ…。

できました。

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…ダサい!!

素晴らしいですね!思った以上でした(笑)仕事でこんなことしたらまず

ぶっ飛ばされます

が…なんかこう、達成感があります(笑)。


いまさらですが、トーン自体良し悪しというよりは要は使い方なので、使いこなせる人にとっては「ダサトーン」ではないのでしょう。ただ「誰が使いこなせるの⁉」と疑問になってしまうほど個性が強いというだけで、愛をこめて呼んでいること、ご了承ください<(_ _)>

ちなみに普通、当方は以下のように仕上げます。

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アシスタントというのも、これで結構重要なお仕事だと感じていただければ幸いです。


ではお粗末様でした<(_ _)>

たくさんのサポートを戴いており、イラストももう一通り送ったような気がするので…どんなお礼がいいですかねえ?考え中(._.)