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「すとーん変事」備忘録

昨日アップしましたマンガ「すとーん変事」、本編はこちらですが(._.)…

このマンガには描き方、道具などいろいろ新しく試しまして。個人的にも気づいたことがいっぱいあるんですが、開示する価値のあると思われる情報だけ備忘録としてここに書いておこうと思います。おヒマな方はどうぞ('∀`)…。

アイディア段階では太眉にされていた主人公
数ヶ月前から何となくしていたラクガキの数々。🍳パン、金網ザルも出ています。意外とお話はできているのだw
実ははるか昔に描いた『0、333…』に出てきた親子の流用だったりする('∀`)これより少し幼いイメージ。逆にお父さんは少しがっちりしました。

このマンガはアナログ、完全にフリーハンドで制作しました。直線も枠線までフリー。もちろん多少の歪みは気にせず進めました('∀`)。

枠線はカラス口

ペン先が広く支えられていてフリーでも直線が引きやすかったです。また消しゴムかけてもミリペンのように薄くならず、黒がハッキリ出て気持ちいですね。前々から思ってましたがやっぱ枠はカラス口だな。

※ちなみにどうしてそうガンコにつけペンを使うのかたまに聞かれますが理由はほとんどこれ。つけペンの線は消しゴムに強いからです。

背景の直線はその都度、カブラや丸で。太さやものによって使い分けています。ただふすまの枠などの細長いところは、せっかく線が平行に引けたのにあとで筆ペンで塗るときちょっとはみ出てしまったり。細長い黒い帯はカリグラフィペンやラウンドペンを使えば良かったと終わってから気づきました😅

均一な太さが出てミリペン代わりにもできるラウンドペン

次は使います。

少し余談。定規を使わないと、今まで「ここは定規でバーッと…」と考えなしに引けたものが「ここは木のテーブル」「石のブロック」など考えないと線が引けなくなります。手で引くとどうしてもそうなる。正直いってこれは疲れる(笑)慣れるまでかなり時間がかかりました。
また考えすぎてキャラより目立ってしまわないよう、今回キャラを意識していつもより太く描いております。

カケアミは古いジャパンの丸ペン、カブラ(エレガントスプーンペン)の併用です。

妙に耐久が高く全く広がらないメルカリで買った謎の丸(?)ペン

今回、描いているうちに破線のカケアミを思いついて多用しております。ぼかすにしても色味をつけるにしてもトーンの無い画面でハッキリしたカケアミを入れすぎるとうるさくなってしまうのでこれはいい効果だと思いました。ラストページで特に多用。汎用性のある効果ですね。

サッシの枠、ベランダの床、壁やふすま、廊下の影など全て破線にてぼかしております。

キャラに使ったペンは大きく2種類。
大きな人物アップはジロット(303か290)。
小さい人物はニッコーのG(ニューム)です。

左がニッコーのG、右がジロット

ジロットはもともとカリグラフィ用のペンで薄く柔らかく、とにかく線の強弱がハッキリ美しく出ます。が、これは外国製品に顕著な特徴と思いますがペン先が気に入らない方向・角度には線が出ません(笑)。いや冗談じゃなくホントに出ない。インクがタップリでも紙が新しくてもマジで出ない。
またインク持ちがいい上に先端が鋭利で、あんまゆっくり引いてると線が滲んできます。思い切りを試される、ほんとジャジャ馬ですね。乗りこなせた時の感動も大きいですけど。

ジャパンのペン先はむしろ硬いくせにある程度融通がきくというか、上下左右どっちにも一応出ることは出ますよね。まあ出やすい方向はありますが。

なのでアップは線のハッキリなジロットで紙をこまめに回しながら。ロングは信頼のジャパンのGで手先で細かく描きました。これはまあまあ上手くいった、前回インクトーバーの時よりキャラは目立ってると思います('∀`)。

また余談。ジロットの290というペン先は小さいくせにやたらとレスポンスがよく特に太い線が容易に出る。扉絵は290で描いています。

ほかのペン先より小さいジロット290

気に入ったペンです…が、ジャパンのペン軸に規格が合わないんですよね(笑)小さすぎて。自分は例によって竹にさして使ってますが…いいペン軸ないかしらん。

筆ペンは何度かご紹介の「シンライン」で細かいところ、髪の毛とか。手首を立ててしっかり細かく塗る練習してます。

気に入ったのでまとめ買いしました

大きなところはくれ竹の「美文字 完美王」でした。これは黒が輝くほどハッキリで実に気持ちのいいペンです。

ですが作業中に筆ペンが切れて不快な思いをするってのはありがち(アシ時代死ぬほどあったw)なんで、面相筆も練習しております。名村大成堂のイタチ筆、800円くらいのです。

これです。使いやすい。

16ページの月の輝きの集中線はこの面相筆でやりました。ペンより柔らかい線になってます。

月の周りの集中線、細で入って太で止め。

どうでもいいですが筆ペンの上手い人は太いの一本で細い塗りやツヤベタまでなんでもこなしますよね。師匠がそういうタイプだった。あれはどうしたらできるんでしょうねえ…。

で、毎度ですがインクは。商品名は「玉品」。作業のはじめに自分で擦ります。すりたての墨はインクより伸びがよく、長い線を引くときに実に快適です。これはぜひオススメしたい。また何しろインクより安いですから。

そしてホワイトです。今回は珍しくホワイトを解禁してます、星空多かったし🌌。遠くの星はホワイトのスパッタリングで、アシの基本技能ですね('∀`)

ミスノン筆のついたキャップをデコピンで弾く(当方のやり方)買ってそのままだと粘りが強いので水で倍に割ってます


ただ久々にやってみてどうも自分の絵にはスパッタリングより面倒でもいちいち手で星を抜いた方がさらにあってるなと思いました。面倒ですけどねほんと(笑)でも仕方ない。なので16ページの星は先っちょが丸い金属になってる棒でいちいちホワイトを置きました。

ポイントペンとかいう?らしい。なんでもってたのか謎。

で、修正液自体も実はミスノンではなく100均で売ってる靴用のスニーカーホワイトニング👟を使っております。安くて多いからです😅ミスノンの容器には筆を突っ込んだりできませんからね、口が小さくて。自分は気に入ってますw。

白が強くて量が多い。まあミスノンでもポスターカラーの白でもなんでもいい。

あ、あとこれが大事だ参考資料
フリーハンド背景のお手本はちばてつやセンセイの『男たち』を参照しました。

と言ってぜんぜんあんな風にはできてない(笑)んですけど、要するにああいうふうに丁寧に、小物までしっかり、ベタも入れて…と心意気を参照いたしましたm(_ _)m。『男たち』は多少トーンも使ってますがとにかく背景の線の確かさ、白黒バランス、表現力生活感がとっても素晴らしい!お作です。数あるちば作品の中でも本作は背景の見応えが特に輝いております✨

んで、最後に。これが最も大事ですが今回3週間仕事もしながらアナログ作業を続け、

散歩、ジョギング、休憩、水分補給により体調を保持しながら

完成まで完走できたこと。これが何より嬉しいです。なぜって、これさえ出来れば今回の作品なんか多少不出来でもかまわない、

またすぐ次が描ける('∀`)

虫が見えたら勝てるのだ

ですからね。坐骨神経痛から2年半、はじめて全力アナログが描けた('∀`)よし描ける、ちゃんと気をつければまたいっぱい描けるぞの自信がいま全身を満たしておるのですよ( ˇωˇ )ホント体調管理も技のうち…いや最も重要な技能ですね(-人-)!

ではまた筆の練習など続けながら、運動も続けながら、ぼちぼちと次は何を描こうかなの楽しいナヤミに埋没したい所存です。

お粗末さまでした(*・ω・)*_ _))ペコリン


たくさんのサポートを戴いており、イラストももう一通り送ったような気がするので…どんなお礼がいいですかねえ?考え中(._.)